FBXを読み込んだらモデルが白い、色が違う、模様が崩れる。こうした場合は、画像が届いているか、マテリアルに割り当てられているか、UVが正しいかを分けて確認します。
FBXにメッシュが入っていても、制作ソフトの見た目がそのまま再現されるとは限りません。この記事では、BlenderやMayaから別の3DCGソフト・Unityへ渡す場面で使える切り分け方を説明します。
見た目から確認する場所を分ける
| 症状 | 先に確認するもの |
|---|---|
| 全体が白や単色になる | 画像の同梱、マテリアルへの割り当て、表示モード |
| 模様は出るが位置がずれる | UV、使用するUVチャンネル、繰り返し・オフセット |
| 色は出るが光沢や凹凸が違う | シェーダー、各マップの接続、変換できない材質設定 |
| 一部の面だけ違う | マテリアルスロット、面への割り当て |
| Unityでピンクになる | シェーダーとレンダーパイプラインの対応 |
| Blenderで画像がピンクになる | 参照する画像ファイルの場所 |
同じ「ピンク」でも、ソフトごとに確認する原因は異なります。見た目だけを根拠に画像を何度も書き出し直す前に、読み込み先の表示や警告を確認します。
1.FBXと画像ファイルが揃っているか確認する
まず受け渡し用フォルダーを開き、FBXだけでなく、使っている画像があるか確認します。画像を別ファイルとして渡す方法と、FBXへ埋め込む方法は区別します。
FBXのメディア埋め込みに対応した書き出しでは、画像を内部へ含める設定があります。ただし、対応する画像や読み込み側の処理は、ソフトと設定に依存します。たとえばAutodeskのFBXプラグインでは、Embed Mediaが関連メディアを含める設定として説明されています。Autodesk公式:Embed Media
埋め込みを選んだから必ずすべての見た目が復元される、と判断しないでください。トラブル調査では、画像を別フォルダーにも揃えておくと、読み込み側で手動割り当てを試せます。
確認用の構成例は次のとおりです。特定のフォルダー名が必須という意味ではなく、モデルと画像の所在を明確にするための例です。
delivery/
model.fbx
textures/
body_basecolor.png
body_normal.png
body_roughness.png
2.画像ファイルを単独で開けるか確認する
ファイル名だけ存在していても、画像の内容が壊れていたり、クラウド上にしか実体がなかったりする場合があります。画像ビューアーや制作ソフトで、画像を単独で開いて確認します。
元のPCの絶対パスを参照している場合、別PCではその場所がありません。読み込み先で正しい画像へつなぎ直すか、受け渡し用フォルダー内で参照を整理します。
Blender内で画像の参照が失われている場合は、FBXへ書き出す前にテクスチャがピンクになる場合の確認手順で元の画像を復旧します。Mayaの案件全体を移動する場合は、プロジェクトを別PCへ移す方法も参照してください。
3.読み込み先のマテリアルへ画像を割り当てる
画像が揃っているなら、モデルへ適用されているマテリアルを確認します。ベースカラーへ画像が接続されているか、別のマテリアルを見ていないかを調べます。
最初は複雑な材質を再現しようとせず、ベースカラー画像1枚だけを使った簡単なマテリアルで表示を確認します。それで模様が出るなら、画像の転送やUVは少なくとも一部機能していると判断できます。
その後、法線、粗さ、金属度などを1種類ずつ追加します。ファイル名が似ていても用途は異なり、どの入力へ接続するか、どの色空間として扱うかを確認する必要があります。
Unityで読み込む場合の確認
UnityではFBXアセットを選び、モデルのインポート設定にあるMaterialsタブを確認します。マテリアルの作成方法や、既存マテリアルへの対応付けを調べます。
FBXに埋め込まれた画像やマテリアルがある場合、Extract TexturesやExtract Materialsでプロジェクトへ抽出できる構成があります。ボタンが使えない場合は、そもそも埋め込みデータがあるか、外部ファイルとして管理しているかを確認します。Unity 6公式:Materialsタブ
モデルがピンクの場合は、テクスチャの有無だけでなく、使用シェーダーとBuilt-in・URP・HDRPなどの環境を確認します。詳しくはUnityのピンク色のマテリアルの対処法を参照してください。
4.模様がずれるならUVを確認する
画像は表示されるが模様が崩れている場合は、画像をメッシュへ貼る座標であるUVを確認します。制作ソフト側で必要なUVが存在するか、読み込み先で意図したチャンネルを使っているかを見ます。
分かりやすいチェック柄を使うと、伸びや向き、想定外の重なりを見つけやすくなります。チェック柄でも崩れるなら、元の色画像を修正する前にUVとスケール・オフセットを調べます。
一部の面だけ違うときは、複数のマテリアルスロットと面への割り当ても確認してください。すべての面が同じ画像を使う設計とは限りません。
5.制作ソフト固有の材質は、再構築やベイクを検討する
プロシージャルな模様、複雑なノード、専用レンダラーのシェーダーなどは、別ソフトへ同じ仕組みのまま渡せない場合があります。画像ファイルが欠けている問題と、材質の表現方法が対応していない問題を分けます。
移行先で似た材質を作り直すか、必要な情報を画像へベイクする方法を検討します。光や影まで焼き込むのか、ベースカラーや法線を分けるのかは、移行先でどう使うかによって決まります。
元の制作シーンは保管し、簡単なテストモデルで受け渡し条件を確認してから、本番のモデルへ適用するとやり直しを減らせます。
受け渡し前の最終チェック
- FBXと必要な画像の所在が分かる。
- 移行先でベースカラー、凹凸、光沢をそれぞれ確認した。
- UVとマテリアルの面への割り当てが正しい。
- 元PCの保存場所だけに依存していない。
- 使用ソフト、バージョン、シェーダーの条件を記録した。
FBXの書き出しを繰り返す前に、画像、UV、マテリアルを1段ずつ確認することが大切です。どこまで正しく渡っているかが分かれば、必要な箇所だけを直せます。
