Mayaのシーンファイルだけを別のPCへ渡すと、開いた先でテクスチャや参照が見つからなくなることがある。
シーンファイルは、素材そのものではなく素材の場所を記録しているためである。
ここでは、何を一緒に渡すのか、まとめて渡す方法、渡した先で繋ぎ直す方法を整理する。
内容はAutodeskの公開ヘルプに基づき、2026年10月3日にプロジェクトの新規作成・切り替えと参照パスの条件を再確認したもので、Maya本体での移行試験は含まない。
プロジェクトという単位で考える
Mayaは、シーンと素材をまとめた入れ物としてプロジェクトという単位を持っている。
新規プロジェクトは、ファイル > プロジェクトウィンドウ(File > Project Window)のNewで名前・場所・各ファイルの保存先を指定し、Acceptで作成する。
| フォルダー | 入るもの |
|---|---|
| scenes | ロードされ、保存されたファイル |
| sourceimages | テクスチャ |
| movies | プレイブラスト |
| image | レンダーされたイメージ |
移行済みのプロジェクトへ切り替えるには、ファイル > プロジェクトの設定(File > Set Project)で、workspace.melのあるルートフォルダーを指定する。
Set Projectでworkspace.melがないと表示されたら、先に選んだ階層と移行元の定義ファイルが揃っているかを確認する。
新規の定義ファイルを作るだけでは各保存先フォルダーは自動作成されないため、新規作成と既存プロジェクトへの切り替えを分けて扱う。
素材の場所と記録されたパスを確認する
公式ヘルプには、プロジェクトは相対パスを使ってファイルを見つけると書かれている。
テクスチャを読み込むとき、Mayaはまずプロジェクトのsourceimagesフォルダーを探す。
テクスチャがプロジェクト基準の相対パスで記録されていれば、移行先のプロジェクトを設定し、同じ位置関係に画像を置くことで参照を保てる。
絶対パスで記録された素材は、移行先でもその場所へアクセスできるか、正しい移行先へ参照を変更する必要がある。
| 素材の置き場所 | 記録のされ方 | 別PCで開いたとき |
|---|---|---|
| 相対パスのテクスチャ | 設定したプロジェクトを基準にした場所 | 移行先のプロジェクト設定と画像の位置関係を確認する |
| 絶対パスの素材 | ドライブなどを含む場所 | 同じパスにアクセスできるか、参照先の変更が必要 |
| 共有サーバーの素材 | ネットワーク先や環境変数など | パスに加えて接続・権限・環境変数を確認する |
素材をフォルダー内に置いただけでは判定できないため、シーンに記録されたパスと、移行先で実際に解決した場所を確認する。
ファイルリファレンスはテクスチャとは分けて確認する。
AutodeskのMaya 2027の資料では、ファイルリファレンスは絶対パスと環境変数によるパスをサポートし、相対パス名はサポートしないと説明されている。
参照シーンもアーカイブに含め、移行先のパスや環境変数を確認し、必要なら参照先を変更して読み直す。
移す方法は2つある
| 方法 | 渡すもの | 向いている場面 |
|---|---|---|
| プロジェクトのフォルダーごとコピーする | フォルダー一式 | 自分の別PCへ移す |
| シーンのアーカイブでZipにする | 1つのZip | 他人へ渡す、1シーンだけ渡す |
複数シーンと共通素材を移すなら、プロジェクトのフォルダーごとコピーし、外部に置いた素材が残っていないかも確認する。
1つのシーンだけを渡すなら、そのシーンが使っているものだけをまとめられる。
シーンのアーカイブでまとめる
公式ヘルプでは、現在のシーンに関係するファイルをZipにまとめる機能として説明されている。
- シーンを保存する
- ファイル > シーンのアーカイブ を選ぶ
- ファイルと従属がZipにまとめられ、現在のフォルダーに置かれる
Zipに入るものは公式ヘルプに一覧で挙げられている。
- ロードされた、およびアンロードされたファイルリファレンス
- ファイルテクスチャ
- イメージプレーン
- オーディオファイル
- レンダーレイヤのプリコンポジションテンプレート
- ディスクキャッシュ
- nCache
- アセット関連ファイル(ハイパーグラフのバックグラウンドイメージ、アイコン、テンプレート)
保存する前に実行すると、保存していない変更はZipに入らない。
手順の1番目が保存になっているのは、このためである。
読み込んでいないリファレンスを含める
作業中にアンロードしたリファレンスがある場合、関連するファイルの扱いを選べる。
公式ヘルプでは、シーンのアーカイブオプションで「ロードされていないリファレンスの外部ファイルを含める」をオンにすると説明されている。
渡した先でそのリファレンスを読み込む予定があるなら、オンにしておく。
移した先で切れていたら
開いたときに素材が当たっていない場合は、記録されている場所を繋ぎ直す。
公式ヘルプには、ファイルが別のフォルダーに移動されると未解決となり、無効になった元のパスで探そうとすると書かれている。
この一覧を見るには、ウィンドウ > 一般エディタ > ファイルパスエディタ を選ぶ。
ここに、シーンに含まれるリファレンス、テクスチャ、オーディオノード、イメージプレーンのパスが並ぶ。
繋ぎ直す手順
- ファイルパスエディタを開く
- 切れているパスを選び、ファイルの再パス設定をクリックする
- サブディレクトリを検索するオプションを見て、必要なら有効にする
- 参照をクリックして、素材のある場所へ移動する
- ファイルを指定して、再パス設定をクリックする
サブディレクトリを検索する設定を入れておくと、フォルダーの中を辿って見つけてくれる。
同じフォルダーの欠落ファイルはまとめて再指定できるが、同名の別素材を選ばないよう、変更後のパスと表示を照合する。
渡す前に確かめること
- 素材がプロジェクトのフォルダーの中にあるかを見る
- 外部のテクスチャはコピーを用意してsourceimagesへ参照を変更し、参照シーンやキャッシュなどは種類ごとに移行対象へ含める
- シーンを保存する
- シーンのアーカイブでZipにする
- 元データを残したまま別の場所へZipを展開し、Set Projectで展開先のルートを設定してからシーンを開く
最後の手順を飛ばすと、切れていることに気づくのは渡した相手になる。
同じPCの別フォルダーで開けても、元の絶対パスにある素材を読み続けていれば、別PCへ移せることの確認にはならない。
ファイルパスエディタで解決先を確認し、元PC固有のドライブやユーザーフォルダーへの参照が残っていないか調べる。
別PCではテクスチャの見た目、必要なリファレンスの読み込み、キャッシュや音声も確認し、移行先で別名保存して開き直す。
やり直す場合は移行先の作業コピーを使い直し、Set Projectで元のプロジェクトへ切り替えて、変更していないシーンを開く。
まとめ
- Mayaのシーンは素材の場所を記録しているだけで、素材そのものを持っていない
- 新規作成はProject Window、既存プロジェクトへの切り替えはSet Projectを使う
- テクスチャとファイルリファレンスを分け、記録されたパスと移行先の解決先を確認する
- 1シーンを渡すなら、ファイル > シーンのアーカイブでZipにまとめる
- 切れていたら、ファイルパスエディタの再パス設定で繋ぎ直す
- 渡す前に、別の場所へ展開して開いて確かめる
最終資料確認は2026年10月3日で、今回確認した範囲は公式資料による手順と条件の照合である。
プロジェクトの設定はAutodesk公式のMayaでプロジェクトを設定するにある。
アーカイブの仕様はシーンのアーカイブにまとまっている。
繋ぎ直しはファイルパスエディタのページに載っている。
3DCGの操作は3DCGメソッドのまとめにも置いている。
追加資料:Autodesk公式:プロジェクトを新規作成する、Autodesk公式:既存プロジェクトに切り替える、Autodesk公式:ファイルリファレンスのパス条件(2026年10月3日確認)。
