全身を3Dスキャンしたモデルデータは、そのままでは約50万ポリゴンあり、モバイル環境やVRChatなどでは負荷が高く扱えません。
そこで、ポリゴン数を2万以下まで削減しました。
手作業で整える時間がないため、10分程度で手軽に処理できるワークフローで進めます。
今回は「リダクションによる削減」と「リトポロジーによる削減」の2通りのアプローチを試しました。
目次
リダクションでポリゴン数を削減する方法
MayaのReduceを単純に適用すると顔の造形が崩れて粗さが目立ったため、ZBrushのプラグイン「Decimation Master」を活用します。
Decimation Master(ZBrush)
- Editモードで対象のモデルを配置します。
- ZpluginからDecimation Masterを開きます。
- 「Keep UVs」(UVを保持)にチェックを入れ、「Pre-process Current」をクリックして事前計算を実行します。
- 「k Polys」の値を1に指定し、「Decimate Current」を実行します。UVを維持しながら限界までポリゴン数を削減します。

- 削減処理の完了後、モデルをエクスポートします。
Reduce(Maya)
- Mayaへ削減後のモデルをインポートします(約10万三角ポリゴン)。
- Mesh > Reduceのオプションを開き、目標のポリゴン数を指定します。

以上の手順で、目標の約2万三角ポリゴンまでモデルを軽量化できました。

リダクションのまとめ
- ポリゴンのトポロジー(メッシュの割り)が乱れやすく、追加の加工やスキニングには向きません。特に顔周辺の形状を保持したい場合は注意が必要です。
- 元モデルのUV座標を維持できるため、3Dスキャン時の高解像度テクスチャをそのまま活用できます。
リダクション参考
Pixologic :: ZBrush :: OakCorp WEB
リトポロジーでポリゴン数を削減する方法
テクスチャ準備
- ZBrushの仕様に合わせて、事前にPhotoshopなどで3Dスキャンテクスチャを上下反転して保存しておきます。
転写元モデルの準備
- ZBrushを起動し、MaterialをFlat Colorに変更します。
- Tool > Texture Map > New Txtrから、事前に反転したテクスチャを割り当てます。
- Editモードでモデルを配置し、テクスチャが正常にマッピングされているか確認します。
- 上部メニューでMrgbが有効になっていることを確認し、Tool > Polypaint > Polypaint From Textureを実行します。テクスチャの割り当てを外してもモデル表面にカラーが残っていれば成功です。

転写先モデルの作成と設定
- Tool > SubTool > Duplicateをクリックして、SubToolを複製します。
- SubTool一覧から複製したモデルを選択し、Tool > Geometry > ZRemesherを開きます。
- Target Polygons Countを2に設定し、ZRemesherを実行します(約50万ポリゴンから約1.4万ポリゴンへ自動リトポロジーされます)。

- リトポロジーによってUV情報が失われているため、Zplugin > UV Master > Unwrapを実行して新たにUV展開を行います。

- Tool > Geometry > Divideを実行して細分化し、転写用の解像度を確保します(7千万ポリゴンくらいまで引き上げます)。
- 使用するブラシをZProjectブラシに切り替えます。

- SubToolリストで転写先(複製側)のブラシアイコンをONにし、描画モードのZSubはOFFにします。

- Transp(半透明表示)をONにし、GhostはOFFに設定します。

- Tool > UV Mapでテクスチャサイズを4096(4K)に設定します。
- 転写元と転写先のモデルが重なった状態で表面をなぞるようにペイントし、転写元のポリペイントカラーを複製モデルへ転写します。
- 上下左右から視点を切り替えながら全体にペイントします。適宜オリジナルのSubTool表示を非表示にして、塗り残しがないか確認します。
テクスチャとモデルの出力
- 転写が完了したら、Tool > Texture Map > New From Polypaintを実行してポリペイントからテクスチャを生成します。
- Clone TxtrをクリックしてTextureパレットへ送り、テクスチャを書き出します。
- Tool > GeometryのSDivスライダーを1に戻し、最下位の分割レベルにします。
- Toolパレットからローポリゴンモデルをエクスポートします。
Mayaでの確認
- Mayaへ出力したモデルとテクスチャを読み込みます(約1.4万ポリゴン)。


書き出し後の見た目や解像度を確認します。
リトポロジーのまとめ
- 鋭利なエッジや細部の凹凸はやや丸みを帯びますが、四角ポリゴン主体の整ったメッシュになり、スキニングやアニメーション等の後加工が容易になります。
- UVマップもきれいに展開し直せるため、後からの修正やテクスチャの編集が扱いやすくなります。
- ポリペイントを経由して投影転写を行うため、元画像に比べるとテクスチャ解像度がややぼやける傾向があります。
リトポ参考
外部リンク:http://www.perkup.jp/?p=9115
リトポロジーとリダクションの併用
上記2つのアプローチを組み合わせた検証も行いました。
高密度を維持したままリトポロジーを行い、その後にリダクションを適用してみましたが、最初から目標値でリトポロジーした場合と造形の差はほとんど見られませんでした。
リダクションを挟むとトポロジーの規則性が崩れてしまうため、リトポロジーのみで完結させる方が扱いやすいメッシュを維持できます。
まとめ
用途やワークフローに応じて最適な方法は異なりますが、短時間で実用的なローポリゴンモデルを作成できました。
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