3ds Maxの新機能をバージョンごとに整理しました。
対象は2024年3月リリースの2025から2026年7月の2027.2まで、計11バージョンです。
内容はAutodeskのAREA JAPAN「3ds Max 機能紹介」に基づきます。
最新バージョンから順に掲載しています。
Autodeskは例年3月前後にメジャーバージョンをリリースし、その後に小数点のポイントアップデートを順次提供しています。
3ds Max 2027.2(2026年7月)
3Dガウシアン・スプラッティング(3DGS)の読み込み・編集に対応したアップデートです。
実写撮影から生成したフォトグラメトリや点群データを活用するワークフローで特に効果を発揮します。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| ガウシアンスプラッティング(3DGS) | 実写データから生成した軽量な3DGSデータを読み込めます。高速レンダリングや編集、高精度な出力をサポートします。 |
| 新しいポイントオブジェクトタイプ | 3DGSデータやポイントデータを、通常の3ds Maxオブジェクトと同様の手法で編集・操作できます。 |
| ポイントインスタンスモディファイヤ | 単一メッシュ上に数百万規模のインスタンスを効率的に配置し、森林や草原などの高密度環境を構築できます。ポイントクラウドオブジェクトとパーティクルデータには非対応です。 |
| スマートベベルの高速化 | 高密度メッシュでの処理速度が最大20倍に向上し、メモリ使用量は約22分の1に削減されました。 |
| Arnold for 3ds Max 5.9.3 | 3DGSシーンのレンダリングに対応し、ノイズ除去の改善、Shader to RGBAノードとTone zonesノードの追加、GPUシーン更新の高速化を実施しました。 |
| USD for 3ds Max 0.16.2 | アセットパスの確認やリンク切れ修復を支援する診断ツールが追加されました。 |
3ds Max 2027.1(2026年5月)
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| スマートベベルの改善 | エッジが複雑に交差する形状でのエラーが大幅に低減しました。コーナー部の異常な尖りやノコギリ歯状のアーティファクトが発生しにくくなり、従来処理できなかった箇所も面取り可能です。 |
| データチャネルモディファイヤの新オペレータ | 「Float to Point3」「FloatOp」「PointOp」の3オペレータが追加され、float値とPoint3データの演算・加工に対応しました。 |
| Arnold for 3ds Max 5.9.2.0 | Flow Renderのテクニカルプレビューを導入し、tyFlow Volumeのレンダリングに対応しました。 |
| マルチ/サブオブジェクトの表示改善 | 一度にプレビュー表示できるサブマテリアルのサンプルスウォッチ数が、従来の10個から最大30個に拡張されました。 |
| MAXScriptの高速化 | プロパティ検索およびインターフェース呼び出しの実行パフォーマンスが向上しました。 |
3ds Max 2027(2026年3月)
新たなモディファイヤが3種類追加されたメジャーリリースです。
特にブーリアン処理後のクリーンアップ作業が大幅に効率化されます。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| スマートベベルモディファイヤ | 指定したエッジからサーフェスに沿って両方向にベベルを拡張します。影響範囲が隣接ポリゴンに限定されないため、ブール演算後の交差境界でも破綻なく滑らかに接続できます。 |
| 押し出しモディファイヤのギズモ | ローカルZ軸方向に限らず、ビューポート内のギズモ操作で任意の方向へスプラインを押し出し可能です。 |
| スプライン面取りの固定半径 | 指定した一定半径で均一な円形コーナーを生成できます。面取りによって近接した頂点は自動的に溶接(連結)されます。 |
| ノイズプラスモディファイヤ | Simplexノイズをベースにフラクタルタイプやタイリングを細かく調整できます。位相(Phase)パラメータにより、スクリプトを使用せずノイズのアニメーションが可能です。 |
| Autodesk Assistant | 3ds MaxのUI内から機能説明や作業手順のヘルプ情報を直接検索できるAIアシスタント機能です。 |
3ds Max 2026.3(2025年11月)
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| USD for 3ds Max 0.13 | ビューポート上でShiftキーを押しながらドラッグすることでUSDプリミティブを複製できます。プリミティブのリネーム・削除・階層再設定(再ペアレント化)にも対応しました。 |
| アセットリゾルバ | 環境変数やトークン化されたパス定義を用いて、外部アセットの読み込みパスを一括管理・解決できます。 |
| 匿名レイヤ | ディスク上に実体ファイルを作成せず、インメモリの匿名レイヤから新規USDステージを開始・編集できます。 |
| MaterialXの読み込み | USDファイル内で参照されているMaterialXシェーディングネットワークのインポートに対応しました。 |
| USDSkel書き出しの改善 | ジョイント命名規則の指定オプション、スキンモディファイヤ未適用時における全ボーン収集機能、ボーンメッシュの書き出し除外機能が追加されました。 |
| コンフォームモディファイヤの更新 | シュリンクラップ投影時に投影距離と減衰(フォールオフ)を数値指定できるようになりました。 |
3ds Max 2026.2(2025年8月)
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| USD for 3ds Max 0.12 | 「Duplicate as USD」により、3ds Maxのシーンオブジェクトを直接USDステージへ複製・配置できます。従来の「Promote to 3ds Max Object」と組み合わせることで双方向の編集が可能です。 |
| Arnold for 3ds Max 5.8.2.2 | レンダリング速度が向上し、トゥーンシェーディングがGPUレンダリングに対応しました。さらにHTML形式の詳細なレンダリング統計レポート出力機能が追加されました。 |
| マテリアルのプレビュー制御 | マテリアルスイッチャやマルチ/サブオブジェクトのスウォッチ自動描画をオフに設定できます。多数のマテリアルを扱う重いシーンでのエディタ描画負荷を低減します。 |
| スキンモディファイヤの高速化 | スタック下層にあるモディファイヤのパラメータ変更に対する再計算パフォーマンスが向上しました。頂点に影響を与えるボーン数のデフォルト上限が20から5へ最適化されました。 |
3ds Max 2026.1(2025年6月)
アトリビュート転送モディファイヤが標準搭載されたアップデートです。
従来カスタムスクリプトや外部プラグインを必要としていたデータ転送処理を、標準モディファイヤとして非破壊に実行できます。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| アトリビュート転送モディファイヤ | メッシュ間で法線・UV・頂点カラー・頂点位置の各属性を転送できます。リトポロジー用のベースメッシュ構築、プロキシ作成、ブレンドシェイプのトポロジー対応付けに役立ちます。 |
| 位置の転送 | オブジェクト全体の配置トランスフォームを維持したまま、参照メッシュのサーフェス形状に合わせて頂点座標のみをスナップ変形できます。 |
| 法線の転送 | 自身を参照する「セルフモード」では球状投影から法線を再計算し、「参照オブジェクトモード」ではターゲットメッシュの法線情報をサンプリングして適用します。 |
| プッシュモディファイヤの拡張 | 法線のリラックス機能、自己交差を防ぐ衝突制御、各軸別の変形倍率(スケール乗数)オプションが追加されました。 |
3ds Max 2026(2025年3月)
標準のデフォルトマテリアルが「OpenPBR」に移行したメジャーリリースです。
過去バージョンのシーンを移行する際は、レンダリング結果や質感の差異を確認する必要があります。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| OpenPBRが既定のマテリアルに | AutodeskとAdobeが共同策定したオープンソースの物理ベースシェーディングモデルです。MaterialXやOpenUSD環境と高い相互運用性を持ちます。 |
| 頂点連結モディファイヤの改善 | スプラインオブジェクトに対応しました。開いたスプラインの端点を素早く結合したり、複数スプラインの近接頂点を一括で溶接したりできます。 |
| モディファイヤスタック位置の保持 | 別オブジェクトを選択後に再度選択し直した際、直前にアクティブだったモディファイヤの階層位置が維持されます(初期設定で有効)。 |
| 作成パネルのオブジェクト検索 | 作成コマンドパネル上部の検索バーから、作成したいプリミティブやオブジェクト名をインクリメンタル検索できます。 |
| BipedとCATの改善 | アニメーション編集に関する各機能の不具合修正および動作安定化が行われました。 |
3ds Max 2025.3(2024年10月)
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 配列モディファイヤの高速化 | 配列のパターンや複製数に応じて、2025.1と比較し計算処理時間が約50〜210%短縮(高速化)されました。 |
| ブール演算モディファイヤの高速化 | 2025.1と比較して処理時間が約20〜50%短縮されました。 |
| OpenPBR | OpenPBRサーフェスシェーダが実装されました。従来の「Autodesk Standard Surface」および「Adobe Standard Material」の後継規格として利用可能です。 |
| USD for 3ds Max 0.9 | 修正パネルでUSDプリミティブのプロパティを直接編集可能になりました。USD曲線を3ds Maxシェイプとしてインポートできるほか、USDメッシュの頂点・エッジ・面へのスナップ操作に対応しました。 |
| CATとBipedの改善 | キャラクターアニメーション周りの各種ツールで安定性と動作の更新が行われました。 |
3ds Max 2025.2(2024年7月)
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| SVGファイルのサポート | SVGベクターグラフィックスをスプラインとしてインポートでき、3ds MaxのスプラインをSVG形式でエクスポートできます。レイヤ構造に基づいてZ軸方向のオフセット深度が自動整列されます。 |
| SVG読み込みのオプション | インポート時に自動で「押し出し」モディファイヤを適用したり、編集可能ポリゴンへ変換して読み込んだりできます。自己交差カーブの自動クリーンアップ機能も選択可能です。 |
| Flow Retopology for 3ds Max | クラウドリソースを利用して複雑な高解像度メッシュを均一な四角形ポリゴンに再メッシュするリトポロジツールが提供されました。 |
| USD for 3ds Maxの更新 | USDプラグインがアップデートされ、相互運用性と動作の安定性が向上しました。 |
3ds Max 2025.1(2024年5月)
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 配列モディファイヤの高速化 | 配列の複雑度に応じてパフォーマンスが最大250%向上しました。ランダム化のシード値に対するアニメーションキー設定にも対応しました。 |
| ブール演算モディファイヤの改善 | ボクセルサイズの刻み調整が0.1単位に対応し、過小な値を指定した際のフリーズ防止警告が表示されます。またEscキーによる計算処理の中断が可能になりました。 |
| ペイントウェイトの改善 | スキンウェイトのブラシペイント時、ShiftキーとAltキーの組み合わせでブラシ強度(ウェイト値)をインタラクティブに微調整できるようになりました。 |
| 新しいOSLマップ | プロシージャルな混色ノイズパターンを生成する「Turbulent Color Noise」マップが追加されました。 |
| カラー管理の改善 | 2025で導入されたOCIOベースのカラーマネジメント機能において、各種不具合の修正と操作性の調整が行われました。 |
3ds Max 2025(2024年3月)
カラーマネジメントのデフォルト設定が「OpenColorIO(OCIO)」に刷新されたメジャーバージョンです。
従来のカラー表示やワークフローを維持したい場合は、カラー管理モードを「ガンマワークフロー」に切り替えて運用します。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| OCIOが既定に | 頂点ペイントのカラー値もOCIOパイプラインで管理されます。データチャネルモディファイヤに色空間変換オペレータが追加され、内蔵OCIOバージョンは2.3.2に更新されました。 |
| ベイクの色空間指定 | 「テクスチャにベイク処理」ツールにおいて、出力テクスチャごとのターゲット色空間(カラースペース)を個別指定できるようになりました。 |
| グローバル検索の更新 | Xキーで起動するコマンド検索に直近で使用したコマンドが最大5件表示されるようになりました。入力に応じたあいまい検索の絞り込み精度が向上し、コマンドカテゴリも明示されます。 |
| Retopology Tools 1.5 | 内蔵リトポロジーアルゴリズムの更新により、前バージョンから処理性能とトポロジー品質が向上しました。 |
| Arnoldプラグインの更新 | MAXtoAプラグインが更新され、新機能対応とレンダリングエンジンの安定化が行われました。 |
どのバージョンを使うか
実写ベースのフォトグラメトリや点群データを扱う用途であれば、3ds Max 2027.2が推奨されます。
2027.2で3DGS(ガウシアン・スプラッティング)の直接プレビュー・編集にネイティブ対応したため、建築ビジュアライゼーションやプロダクトレンダリングの制作パイプラインを大幅に効率化できます。
ポリゴンモデリングの効率化を最優先する場合、2027で新設された「スマートベベル」が強力です。
特にブール演算後に生じる不規則な結合部を手動でトポロジー修正していた工程を大幅に削減できます。
なお初期リリースである2027では極端なジオメトリで破綻が生じる場合があるため、交差判定が強化・高速化された2027.1以降の導入を推奨します。
2026以降を採用する際は、デフォルトマテリアルが「OpenPBR」に統一されている点に注意が必要です。
2025以前に作成されたプロジェクト資産を開く際は、事前にマテリアルのシェーディングや発色を確認してください。
旧シーンに対しては、Physical Materialや旧Arnoldシェーダを一括でOpenPBRへ置き換えるシーンコンバータ用プリセットが提供されています。
また、2027以降はシステム要件がWindows 11に限定され、Windows 10はサポート対象外となっている点にも留意してください。
各機能の具体的な操作手順や関連機能の解説は、3DCGの使い方まとめに掲載しています。
本記事は2026年9月8日時点で公開されているAutodesk AREA JAPAN「3ds Max 機能紹介」の公式情報に基づいて作成しています。
各マイナーバージョンのリリース時期は、CG Channelの速報記事および公式リリースノートの公開月に準拠しています。
ほかのソフトの新機能まとめもあります。


