Blenderで左右対称の形を作るなら、片側を編集すると反対側にも反映されるミラーモディファイアーが便利です。うまく左右に分かれない場合は、頂点を動かす前に、対称の基準となる原点と軸を確認します。
この記事では、中央に原点を残して片側のメッシュを作る基本と、中央に隙間ができるときのMerge・Clippingの見方を整理します。表示名や設定の位置はBlenderのバージョンで変わる場合があります。
ミラーの基準は、通常はオブジェクトの原点
ミラーモディファイアーは、通常、対象オブジェクトの原点とローカル軸を基準に形を反転します。画面の中央や、ワールド座標の中央が常に基準になるわけではありません。
X軸のミラーなら、基準からX方向へ離れた頂点が反対側にも現れます。左右対称に作るつもりなのに上下へ複製されたら、選択した軸とオブジェクトの向きを確認してください。
基準の仕様と各設定の意味は、Blender公式のMirror Modifier解説で確認できます。原点・軸・Merge・Clippingの関係を把握してから設定すると、原因を追いやすくなります。
片側のメッシュにミラーを追加する手順
- 作業用にファイルを別名保存し、対称にしたいオブジェクトを選択する。
- 中央を決め、原点が対称の基準にあることを確認する。
- 編集モードで片側の形を用意し、中央の境界をそろえる。
- モディファイアーの追加から「ミラー」を選ぶ。
- 対称にする軸を一つ選び、表示が意図どおりか確認する。
- 片側の頂点を動かし、反対側にも変化が反映されるか確かめる。
最初は複雑な完成モデルより、単純な半分の形で試すと、基準が分かりやすくなります。例えば中央の境界をローカルX=0に置き、正のX側にだけ形を作れば、X軸ミラーで反対側を作れます。
オブジェクトモードで全体を移動する操作と、編集モードで頂点だけを移動する操作は区別しましょう。形と原点の位置関係が変わるかどうかが異なるためです。
中央をつなぐMergeと、通り抜けを防ぐClipping
| 設定 | 役割 | 確認する場面 |
|---|---|---|
| Merge(マージ) | 条件に入る元の頂点と反転側の頂点を結合する | 中央が分離している、継ぎ目が開く |
| Merge Distance | 結合の対象となる距離を指定する | 中央の頂点がわずかにずれている |
| Clipping(クリッピング) | 編集時に中央の面を越える移動を制限する | 中央の頂点が反対側へ動いてしまう |
Clippingをオンにするだけで、遠く離れた頂点がすべて中央へ移動するわけではありません。まず中央の境界を正しい位置へ近づけ、Mergeの状態と距離を確認します。
Merge Distanceを大きくしすぎると、意図しない頂点まで中央へ寄ることがあります。隙間を閉じるために数値だけを大きくするより、頂点の座標と対称面の位置を先に整える方が原因を追いやすくなります。
形が重なる場合は、元メッシュが両側にないか確認する
左右が完成した形へそのままミラーを追加すると、元の形と反転した形が重なる場合があります。片側を元にする設計なのか、両側にある形を切って対称にする設計なのかを確認してください。
Bisectは、対称面を基準に元の形を切って片側を使う設定です。Flipで残す側を切り替えられます。使用前にファイルを保存し、想定した側が残っているか確認しながら使います。
中央に不要な面が残っている場合は、結合後の内部面や重なりにも注意します。見た目が閉じているだけでなく、断面やワイヤーフレーム表示で中央の構造を確認しましょう。
原点を動かしたくない場合はMirror Objectを使う
既存の原点を保ったまま対称の中心を指定したい場合は、Mirror Objectへ別のオブジェクトを設定できます。例えばEmptyを対称の中央へ置き、その位置と向きを基準にします。
中心を示すEmptyに「Mirror_Center」など役割が分かる名前を付けると、後から編集しやすくなります。Emptyを動かすと対称面も変わるので、他の配置調整に巻き込まれないよう管理してください。
ミラーがずれる・つながらないときの確認順
- 複製される方向が違う:Axisとローカル軸を確認する。
- 対称の中心が違う:原点、Mirror Objectの位置と回転を確認する。
- 中央が開く:境界の位置、Merge、Merge Distanceを確認する。
- 中央の頂点を離せない:Clippingが移動を制限していないか確認する。
- 全体が重なる:元のメッシュが両側に存在しないか確認する。
適用する前に、編集の必要性を確認する
対称編集を続ける間は、モディファイアーを残しておくと片側だけで修正できます。左右に別々の形を付けるなど、実体化が必要になった段階で適用を検討します。適用前のファイルも残しておきましょう。
また、Ctrl+Mによるミラー操作は、選択した形を反転する操作です。編集に追従する複製を作るミラーモディファイアーとは用途が異なります。操作の違いは公式のMirror操作の説明で確認できます。
