Rigify は、Blender に付いているアドオンで、キャラクターを動かすためのリグ(コントローラーつきの骨組み)を自動で作ります。
メタリグという簡単な骨組みを体に合わせて置き、「リグを生成」を押すと、IK・FK の切り替えなどが入ったリグができます。
- 有効にする:編集 → プリファレンス → アドオン で Rigify にチェック
- メタリグを置く:オブジェクトモードで Shift+A → アーマチュア →「人体(メタリグ)」など
- 体に合わせる:コピー上の編集モードで骨の位置を調整する。ポーズモードで合わせた場合は、レスト状態への適用が必要
- 生成する:アーマチュアのデータプロパティのRigify欄にある「リグを生成」(Generate Rig)
8種類のメタリグの比較表は、2026年9月29日にBlender 5.2.1 LTSの背景実行で生成して数えた結果です。10月12日は人体リグの生成ボタンを実操作し、10月15日は別の基本人体メタリグでGUI生成・調整・再生成を確認しました。各検証の対象は別々です。
手順はBlender公式のRigify Basic Usageを2026年10月23日に再照合しています。数値と画面は本文中の日付の過去検証で、今回新たな実機操作や画面確認は行っていません。
Rigifyを有効にする
今回のBlender 5.2.1 LTSには、ビルトインのRigify 0.6.10がありました。利用する環境でアドオン一覧にあるか、有効になっているかを確認してください。この検証では新しいアドオンの導入はしていません。
- 「編集」→「プリファレンス」を開く
- 「アドオン」を選び、検索欄に Rigify と入れる
- Rigify にチェックを入れる
2026年10月12日に撮影した、Blender 5.2.1 LTSの日本語表示の画面です。
「プリファレンス」の「アドオン」で「Rigify」を検索すると、一覧に表示されます。

この画面では、Rigifyにチェックが入り、説明は「Automatic rigging from building-block components.」、「ビルトイン」、バージョンは0.6.10でした。
メタリグの種類
有効にすると、Shift+A →「アーマチュア」のメニューにメタリグが増えます。
| メタリグ | メタリグのボーン | 生成したリグのボーン | うち変形用(DEF) | 顔 |
|---|---|---|---|---|
| 基本の人体 | 29 | 222 | 35 | なし |
| 人体 | 159 | 706 | 160 | あり |
| 基本の四肢動物 | 34 | 283 | 46 | なし |
| 猫 | 174 | 760 | 181 | あり |
| 狼 | 190 | 823 | 197 | あり |
| 馬 | 70 | 454 | 80 | なし |
| 鳥類 | 75 | 357 | 79 | なし |
| 鮫 | 35 | 157 | 32 | なし |
マニュアルでは、「基本の人体」は顔と指を含まないと説明されています。
顔の表情をシェイプキーで作るなら、顔のボーンの無い「基本の人体」から始めると、合わせるボーンが少なくて済みます。
9月29日の記録では人体メタリグの生成に約6秒かかりました。これは当時の環境での1例で、今回測り直した時間でも、ほかのPCの所要時間の目安でもありません。
メタリグを体に合わせる
マニュアルによると、Rigify は 1単位を1mとして扱い、人はおよそ2単位の高さを想定しています。
キャラクターの大きさが違うときは、作業用コピーで大きさを合わせ、生成前にオブジェクトのスケールも確認します。すでにアニメーションや他のオブジェクトとの関係があるファイルへ、無条件にスケールやレストポーズの適用を行わないでください。
合わせるときのコツ(マニュアルより)
- 脚と背骨は、正面から見てできるだけまっすぐにする
- ひざとひじは少し曲げておく(曲がる向きを Rigify が知るため)
- 背骨の一番上は頭、その下の2本は首として扱われる
- 顔のボーンが不要なら、Faceコレクションのボーンを選び、メタリグの編集モードでボーン自体を削除する。コレクションの項目だけを削除する操作とは区別する
編集モードとポーズモード
| 方法 | やり方 |
|---|---|
| 編集モード | ボーンの付け根と先を直接動かす。オブジェクトのプロパティでボーンを最前面に出し、ワイヤーで表示すると見やすい |
| ポーズモード | ボーンを回転・拡大して合わせ、「適用」→「レストポーズとして適用」で確定する |
人体のメタリグを置いた画面です。
アーマチュアのデータプロパティに「Rigify」の欄があり、「リグを生成」のボタンがあります。

この画面では、メタリグの寸法は1.58 m・0.285 m・1.98 mでした。
Rigifyの欄には、古いフェイスリグを使っているという案内と、「フェイスリグをアップグレード」のボタンも出ていました。公式説明では、アップグレードはスキニングの互換性を保つ一方、既存のポーズやアニメーションは互換性を失う可能性があります。使用中のデータではコピーで比較してから採用してください。
リグを生成する
- オブジェクトモードに戻り、メタリグを選ぶ
- プロパティのアーマチュアのタブを開く
- Rigify の欄の「リグを生成」を押す
今回のmetarigからは、別のアーマチュアrigが生成されました。名前は元のメタリグ名やRig Name設定によって変わります。
あわせて、コントローラーの形に使うWGT-で始まるオブジェクトが作られます(今回の人体の記録では220個)。
生成したリグのボーンは、次のボーンコレクションに分かれていました(人体の場合)。
| コレクション | 中身 |
|---|---|
| Face・Face (Primary)・Face (Secondary) | 顔のコントローラー |
| Torso・Torso (Tweak) | 胴体 |
| Fingers・Fingers (Detail) | 指 |
| Arm.L (IK)・Arm.L (FK)・Arm.L (Tweak) など | 腕と脚の IK・FK・微調整(左右それぞれ) |
| Root | 全体を動かす根元 |
| ORG・MCH・DEF | 元のボーン・仕組み用・変形用(ふだんは隠す) |
作り直すとき
元のファイルを別名で残してから、メタリグを直して再生成します。今回の基本人体のGUI検証では、初回生成後のボタンは「リグを再生成」と表示され、既存のrigへ変更が反映されました。複数リグがあるファイルでは、AdvancedのTarget Rigで再生成の対象を確認してください。未指定なら、同名のrigが存在していても新しいリグが作られます。
マニュアルは、モディファイアーやコンストレイントはできるだけ残ると説明しています。
上書きするには、リグとメタリグの両方が表示されている必要があります。
マニュアルは、生成したあともメタリグを消さずに残しておくことを勧めています。
「リグを生成」を押すと、メタリグとは別の、コントローラーつきのリグができました。

Nパネルの「アイテム」タブに、「Rig Layers」が追加され、Face・Torso・Fingers・Arm.L (IK)・Leg.L (IK)・Rootなどのボタンが並びます。
ここで、見たい部分の表示を切り替えられます。
この画面では、寸法は3.16 m・3.16 m・1.99 mでした。
基本人体の練習用メタリグで生成を試す
Blender練習用データ第2セット(ZIP・約1.9MB)
ZIPを別フォルダーに展開し、元のファイルを上書きせずコピーで試してください。
2026年10月2日に Blender 5.2.1 LTSで生成し、背景実行で確認したデータです。
10月12日は付属Rigifyの有効化と人体リグ生成の実画面を確認しています。10月15日は別の基本人体で次節の生成・再生成を実操作しました。この練習用データの数値は10月2日の背景検査であり、Unityへの取り込みとCyclesのGPUレンダーは検証していません。
- Rigifyを有効にし、rigify-basic-meta.blendを開く。メタリグのみ29ボーンの入力
- 元ファイルを別名で保存し、編集モードでボーン位置を調整する
- ポーズモードで調整した場合は、生成前に「適用」から「レストポーズとして適用」を実行する
- オブジェクトモードでmetarigを選び、Generate Rigを実行する
- metarigを残し、調整後の再生成は両方を表示したコピー上で試す
10月2日の背景処理では、腕のポーズだけを変えてもレスト状態の先端座標は変わらず、レストポーズへの適用で更新されました。
基本人体を元の入力から生成すると222ボーン・変形用35ボーンとなり、再生成では既存のrigが更新されました。
配布するblendには生成後のUIスクリプトを入れていないため、利用者側でRigifyを有効にして生成する構成です。
Generate Rigが出ないときはRigifyの有効化とメタリグの選択を確認し、失敗した場合はエラーに出るボーン名、骨の長さとつながりを元のファイルと比較します。
メッシュが動かない場合は、生成先のrigへ親子付けしたか、DEF用の頂点グループとアーマチュアモディファイアーを確認します。
再生成は保存済みのアニメーションを含むコピーで試し、やり直すときは保存前のファイルを開き直してください。
Windowsで基本人体を生成し再生成を確認する
2026年10月15日、Windows 11 Pro(10.0.26200)・Blender 5.2.1 LTS・付属Rigify 0.6.10で確認しました。専用の新規ファイルに、スクリプトで初期形状の基本人体メタリグ(29ボーン)だけを用意しています。キャラクターメッシュ、スキニング、アニメーションは含めていません。
- 既存のRigifyを有効にし、オブジェクトモードで生成元のmetarigを選ぶ。アーマチュアのデータプロパティのRigify欄で「リグを生成」を押す。
- コントローラーが現れ、アウトライナーにmetarigとは別のrigができたことを確認して保存する。今回の保存データではrigは222ボーン、うちDEF-で始まる変形用ボーンは35本だった。
- 変更が反映されるか調べるため、専用ファイルのmetarigを編集モードにし、全ボーンを選択して1.1倍に拡大した。これは再生成の比較用入力で、実キャラクターを合わせる手順ではない。
- オブジェクトモードへ戻り、metarigとrigの両方を表示したままmetarigを選ぶ。「リグを再生成」を押し、完了後の表示を確認して保存する。

生成前後の保存ファイルを読み直して確認すると、アーマチュアはmetarigとrigの2つのままで、rig.001のような追加リグはありませんでした。再生成後もrigは222ボーン・DEF35本で、DEF35本すべてのレスト状態の長さは再生成前の約1.1倍(比率1.099998〜1.100001)でした。メタリグのオブジェクトスケールは1のままで、編集モードの変更がリグへ反映されたことを確認しています。
この結果で確認できたのは、初期の基本人体を生成し、メタリグの形を変えて再生成した場合の骨組みです。既存のスキニング、手作業で追加した制約、ポーズ、アニメーションを保持できるかは検証していません。制作中のファイルでは、それらを含むコピー上で再生成し、同じポーズやフレームを比較してから採用してください。
ボタンが出ない場合は、Rigifyが有効か、生成済みrigではなく元のmetarigを選んでいるかを確認します。生成中は完了まで待ち、失敗した場合はエラーに出るボーン名と接続・長さを元のメタリグと比べます。再生成しても別のrigができた場合は、対象の指定と両方の表示状態を確認し、元ファイルへ戻って試してください。
メッシュをリグにつなぐ
Rigify は、リグを作るところまでで、メッシュへのつなぎ込み(スキニング)はしません。
マニュアルでは、変形に使うボーンはすべて DEF のボーンコレクションに入っていて、ボーンを正しく置いていれば「自動のウェイトで」でたいていうまくいくと説明されています。
メッシュ→生成したrigの順に選び、Ctrl+P→「自動のウェイトで」を選びます。調整済みの同名頂点グループは上書きされるため、先にコピーを保存してください。旧フェイスリグの目と歯は変形用ボーンではなく、公式ではChild Of制約で結び付ける構成が案内されています。すべての部品を自動ウェイトだけで接続できるとは限りません。
ウェイトの確かめ方と直し方は、Blenderのウェイトペイントと自動ウェイトの直し方で紹介しています。
ゲームエンジンに持っていくとき
今回の初期人体メタリグから生成した記録では706本のうち160本が変形用(DEF)でした。リグの種類・版・設定で本数は変わります。
FBX の「Only Deform Bones」は変形用ボーンを中心に書き出す設定ですが、階層維持に必要な親ボーンも残る場合があります。
書き出しの設定は、BlenderのFBXをUnityに書き出す設定で紹介しています。
まとめ
- プリファレンスのアドオンで Rigify を有効にする
- Shift+A → アーマチュア からメタリグを置き、体に合わせる
- アーマチュアのプロパティの「リグを生成」でリグができる。メタリグは消さない
- メッシュは Ctrl+P の「自動のウェイトで」で、DEF のボーンにつなぐ
参考:Blender Manual「Rigify: Introduction」「Basic Usage」(2026年9月29日に確認)と、Blender 5.2.1 での生成結果。
手順の確認:Blender公式マニュアル「Rigify Basic Usage」(2026年10月23日再照合)。
