UV展開は、立体の表面を切り開いて平らにし、テクスチャ(画像)のどこを貼るかを決める作業です。
Blender では、切れ目(シーム)を入れてから「展開」するのが基本です。
- 切れ目を入れる:編集モードで辺を選び、「辺」メニュー(Ctrl+E)→「シームをマーク」
- 展開する:面を全部選び、「UV」メニュー(U)→「アングルベースで展開」
- 切れ目を入れずに展開すると、平らにできない形では大きくゆがむ
- 手早く済ませたいときは「スマートUV投影」。ただし細かく切り分けられる
この記事の画像と数値は、2026年9月29日に Blender 5.2.1 LTS で、円柱と猿の頭(Suzanne)を展開し、格子の画像を貼って描画した結果です。
操作の名前は、Blender の日本語の表示に合わせています。
UV展開の流れ
- オブジェクトを選び、Tab で編集モードにする
- 辺選択(キーボードの 2)で、切れ目にしたい辺を選ぶ
- 「辺」メニュー → 「シームをマーク」で切れ目にする(赤い線で表示される)
- A で全部選び、「UV」メニュー → 「アングルベースで展開」
- 画面上のタブ「UV Editing」で、展開した形を確かめる
展開の結果は、UVエディターに平らな形(アイランド)として並びます。
切れ目の入れ方
切れ目は、服の縫い目のように、平らに広げるために切り開く場所です。
円柱なら、上と下のふちをぐるりと1周ずつと、側面の縦の辺を1本切ると、側面の帯と、上下の丸の3つに分かれます。

格子の画像を貼ると、ます目の形と大きさがそろっているかで、ゆがみを確かめられます。
切れ目を入れる場所の目安
- 目立たない場所(裏側、髪の下、服の内側)
- もともと形が折れ曲がっている場所
- 袖口や首まわりのような、筒の端
切れ目を入れずに展開するとどうなるか
猿の頭に切れ目を入れずに「展開」すると、頭全体が1枚の円に押し広げられました。

顔のあたりの面が小さく押しつぶされ、ます目が見えないほどゆがんでいます。
スマートUV投影
「スマートUV投影」は、面の向きの変わり目で自動的に切り分けて展開します。

ます目の大きさはそろいましたが、展開した形は小さな破片に細かく分かれました。
破片が多いと、テクスチャを手で描くときにつなぎ目が増えます。
小物や、ベイクした画像を貼るだけのものには向いていますが、キャラクターの顔のように手で描くものは、自分で切れ目を入れるほうが扱いやすくなります。
ゆがみを数字で比べた
それぞれの面について、立体での面積の割合と、UVでの面積の割合を比べました(1ならちょうど、1より大きいとUVで大きく、小さいとUVで小さく割り当てられている)。
| 展開のしかた | いちばん小さい面 | いちばん大きい面 | ばらつき(標準偏差) |
|---|---|---|---|
| 円柱・切れ目あり(展開) | 1.00 | 1.00 | 0.00 |
| 猿・切れ目なし(展開) | 0.00 | 145.66 | 19.09 |
| 猿・スマートUV投影 | 0.66 | 1.21 | 0.12 |
切れ目なしの猿では、ほとんど0の大きさにつぶれた面と、本来の145倍に広げられた面が出ました。
展開の方法の違い
| 方法 | 向いているもの |
|---|---|
| 展開 | 切れ目を自分で入れたもの。キャラクター・服 |
| スマートUV投影 | 硬い形の小物。ベイク用 |
| キューブ投影 | 箱のような形 |
| 円筒状投影 | 筒の形 |
| 球状投影 | 球に近い形 |
| ビューから投影 | いま見ている向きから、そのまま写す |
Blender 5.2 LTSには「アングルベース」「等角」「最小ストレッチ」の3つの展開方式があります。
| 展開方式 | 選ぶときの目安 |
|---|---|
| アングルベース | まず形のゆがみを確認するために使う方式。この記事の円柱と猿の比較は、この方式で計算しています。 |
| 等角 | 単純な形で比較する候補。アングルベースと同じシームで試し、格子の形を見比べます。 |
| 最小ストレッチ | 面積と角度のゆがみを抑える方式。反復回数を指定できますが、シーム不足を自動で解消する機能ではありません。 |
同じ形とシームのまま方式を変えて比べ、格子の形・細かさ・継ぎ目から選びます。
最小ストレッチはBlender 5.2.1 LTSの背景実行でも横長の平面に適用できましたが、すべてのモデルで他の方式より良い結果になるとは限りません。
スケールを適用してから展開し直す
オブジェクトモードで横方向だけを3倍にした平面では、元のUVが正方形のままなので、貼った格子が横に伸びました。
「スケールを適用」はUV座標を変更しないため、適用するだけではこの格子は戻りません。

3つの平面の実際の寸法は同じ3対1です。
1と2のUV座標は同一で、3では展開後のUVの幅と高さも3対1になり、同じ格子が正方形に見えます。
- 練習用コピーを保存し、オブジェクトモードで対象メッシュを選びます。
- Ctrl+Aから「スケール」を適用します。
- Tabで編集モードに入り、Aで対象の面を全選択します。
- Uから「アングルベースで展開」を選び、格子の比率を確認します。
すでに描き込んだ画像に合わせたUVを展開し直すと、画像の位置関係が変わるため、元のUVと素材を残したコピーで試してください。
スケール適用と再展開の比較データをダウンロード(ZIP・約91KB)
ZIPの3つの平面は同じシーンにあり、外部画像や埋め込みスクリプトは不要です。
保存後の開き直しとUV座標を背景実行で検証しており、上記の手動操作は今回の実機検証には含めていません。
練習用の展開結果でやり直す
Blender練習用データをダウンロード(ZIP・約2.1MB)
ZIPを別フォルダーへ展開してから開き、元のファイルを上書きせずコピーで試してください。
Blender 5.2.1 LTSで生成し、背景実行でデータと処理を検証したものです。
GUIのクリック操作とUnityへの取り込みは、今回の検証には含みません。
- uv/cyl_seam.blend を開き、円柱を選んでTabで編集モードにする
- 辺選択で上下のふちと側面の縦1辺の赤いシームを確認する
- Aで全選択し、Uから「展開」を選ぶ
- UVエディターで側面の帯と上下の丸を確認する
- uv/monkey_noseam.blend と uv/monkey_smart.blend の格子とUVを比較する
2026年10月2日に Blender 5.2.1 LTSの背景実行で再検証しました。
シームあり円柱の面積比は約1.00で揃い、猿のシームなしのばらつき19.091に対し、スマートUV投影は0.121でした。
この数値は面積の割り当ての比較であり、角度のゆがみや継ぎ目の目立ち方までは表しません。
UVが動かないときは、対象メッシュと面の選択、UVエディターに表示しているUVマップを確認します。
うまく展開できなければ直後にCtrl+Zで戻し、保存後なら未編集の練習用ファイルを開き直します。
展開したあとに整える
- 「アイランドの大きさを平均化」で、破片ごとの大きさの比率をそろえる
- 「アイランドを梱包」で、破片を重ならないように四角の中に詰める。「余白」で間をあける
- UVエディターのオーバーレイの「ストレッチを表示」で、ゆがみの大きい場所を色で見る
ゲームエンジンに持っていくときは、破片の間の余白を少しあけておくと、縮小したときに隣の色がにじみにくくなります。
Unity に書き出す設定は、BlenderのFBXをUnityに書き出す設定で紹介しています。
格子とUVストレッチで確認する
格子の形が長方形や斜めに崩れる場合は、UVストレッチの「角度」で形のゆがみを確認します。
場所によって格子の細かさが違う場合は、「面積」で3Dの面積に対するUVの割り当てを確認します。
面積の数値がそろっていても角度のゆがみが残る場合があるため、この2つを別々に見ます。
格子を見る向きもそろえ、平面は正面から、曲面は対象の面に対する視点を変えて、遠近による見え方とUVのゆがみを区別してください。
マテリアルの格子がUV変更に反応しない場合は、テクスチャの座標入力がUVマップを参照しているかを確認します。
確認が終わったら、元のマテリアルへ戻します。
まとめ
- 辺を選んで「シームをマーク」で切れ目を入れ、面を全部選んで「展開」
- 切れ目がないと、平らにできない形は大きくゆがむ
- スマートUV投影はゆがみが少ないが、細かく切り分けられる
- 格子の画像を貼って、ます目の形と大きさで確かめる
参考:Blender 5.2.1 LTS での展開と描画の結果(2026年9月29日)。
追加確認:Blender公式のUV展開、UVストレッチの表示(2026年10月3日確認)と、本文で区別した背景実行の結果。
