Unityの新機能を調べるときは、機能名と追加された版だけでなく、自分のプロジェクトの設定やコードが影響を受けるかを確認します。たとえばUnity 6.6では、新規プロジェクトのPlayモード設定が変わり、再生のたびに初期化されることを前提にしたコードの見直しが必要になります。
この記事はUnity 2023.2から6.6までの正式版の履歴と、UI・2D・スクリプト・ビルドに関わる主な変更を整理したものです。Unity 6.3は6000.3、6.6は6000.6というEditor番号に対応します。確認日は2026年10月3日です。
資料はUnity公式の新機能ページとリリースノートです。以下は資料に基づく説明と移行前の確認手順であり、本記事での実機測定や動作保証ではありません。各パッチの修正・既知の問題は、使用するEditorのリリースノートを別途確認してください。
Unityの正式リリース日とEditor番号
日付は、リンク先のリリースノートに表示される「Released on」です。告知記事の公開日や日本時間への換算日とは区別しています。また、表のEditor番号は履歴を確認するための初期ビルドで、今からインストールするパッチの推奨ではありません。
| 版・初期ビルド | 公開日・主な変更 |
|---|---|
| Unity 6.6 6000.6.0f1 | 2026年8月31日 Playモードの既定値、Dictionary、SafeArea、選択履歴 |
| Unity 6.5 6000.5.0f1 | 2026年6月15日 2D Profiler、サンプル一覧、廃止APIの解析 |
| Unity 6.4 6000.4.0f1 | 2026年3月18日 Project Auditorの組み込み、SpriteAtlas、URP移行 |
| Unity 6.3 LTS 6000.3.0f1 | 2025年12月3日 低レベル2D物理、UI Toolkit、Build Profiles |
| Unity 6.2 6000.2.0f1 | 2025年8月12日 Mesh LOD、Unity Test Framework |
| Unity 6.1 6000.1.0f1 | 2025年4月23日 URP Deferred+、ビルドごとの設定 |
| Unity 6.0 LTS 6000.0.23f1 | 2024年10月16日 Build Profiles、GPU Resident Drawer |
| Unity 2023.2 2023.2.0f1 | 2023年11月14日 Unity 6より前のEditor・UI Toolkitの履歴 |
Unity 6.0には正式なLTS公開より前のPreviewがあります。「6000.0」という番号だけでLTS公開日を判断せず、ビルド番号まで確認します。
Unity 6.6:Playモード・Dictionary・uGUIの変更
| 変更 | 内容・確認する対象 |
|---|---|
| Playモード | 新規プロジェクトはReload Scene only。Domain Reloadを行わない設定が既定になりました。 確認対象:static変数・イベント登録を使うコード |
| 辞書の保存 | 対応するキー・値の型を使ったDictionaryフィールドを、SerializeFieldで保存・Inspector編集できます。 確認対象:独自の辞書保存処理、既存のデータ |
| SafeArea | 端末のScreen.safeAreaに合わせ、付属先のRectTransformのアンカーを調整します。 確認対象:ノッチ・角丸・画面回転があるUI |
| 選択履歴 | 直前・次の選択へ移動できます。WindowsはCtrl+Shift+[/]、macOSはCmd+Shift+[/]です。 確認対象:複数オブジェクトを行き来する編集 |
出典:New in Unity 6.6。Dictionaryの型制限を無視して、すべての辞書が保存できると解釈しないでください。
Playモードで先に確認すること:検証用のプロジェクトで再生・停止・再生を繰り返し、スコアなどのstatic値と、イベントを受け取る回数が意図どおりかを確認します。2回目だけ値が残る、同じ処理が複数回走る場合は、初期化と登録解除のコードを確認します。設定の意味はEnter Play Mode Optionsの解説を参照してください。
UIで先に確認すること:操作ボタンやテキストをSafeAreaのコンテナー内、画面全体に広げたい背景を外に置き、縦横の回転時に重要なUIが欠けないかを確認します。配置の前提はCanvasとアンカーの設定で確認できます。既存のセーフエリア用スクリプトと同じRectTransformを同時に制御しない構成にします。
Unity 6.5:2Dの計測とパッケージのサンプルを探しやすく
| 変更 | 内容 |
|---|---|
| 2D Profiler | フレームごとのSprite数と使用中のSprite Atlasを調べられます。 |
| All Samples | プロジェクトにインストール済みのパッケージのサンプルを、まとめて確認できます。 |
| Project Auditorの廃止API解析 | Editorの版をまたいで廃止されるUnity APIと代替を調べる機能が追加されています。 |
| シリアライズの解析 | 対応しない型などのシリアライズ規則の問題を、コンパイル時の警告で確認できます。 |
出典:New in Unity 6.5。Project Auditor自体のEditorへの組み込みは6.4です。6.5で初めて標準搭載されたわけではありません。
2Dの最適化では、同じシーン・同じカメラ・同じ端末で変更前後を比較します。Sprite数やAtlasの表示だけで高速化したと判断せず、CPU/GPUのフレーム時間やメモリーも確認します。サンプルを導入するときは、使用するパッケージの版も記録します。
Unity 6.4:Project Auditorの組み込みとURPの移行点
| 変更 | 内容 |
|---|---|
| Project Auditor | Editorに既定で組み込まれました。6.3以前で使う場合は、対応するパッケージを確認します。 |
| Runtime SpriteAtlas | SpriteAtlasManager.CreateSpriteAtlasで、実行時にSprite Atlasを作成できます。 |
| URP Compatibility Modeの削除 | カスタムレンダーパスはRender Graphへ移行する必要があります。 |
| Input SystemのOnMouseイベント | Input System環境でもOnMouseDown・OnMouseDrag・OnMouseUpを利用できます。 |
出典:New in Unity 6.4。URPの独自Renderer Featureや外部アセットがあるプロジェクトは、Editorを更新する前にRender Graphへの対応状況を確認します。古い仕組みを有効に戻すだけでは対応できない変更です。
Unity 6.3 LTS:2D物理・UI Toolkit・Build Profiles
| 変更 | 内容 |
|---|---|
| 低レベル2D物理API | Box2D v3を統合したAPIが追加されています。従来のRigidbody2D・Collider2Dを使う手順とは区別します。 |
| UI Toolkitの表現 | USSのaspect-ratioやフィルターによる表現を利用できます。CanvasのuGUI設定とは別のUIシステムです。 |
| Build Profiles | プロファイルで設定する項目をAdd Settingsから選び、Scene・Player・Qualityなどの設定を管理できます。 |
| デスクトップのアクセシビリティ | スクリーンリーダー対応APIがWindows・macOSへ拡張されています。 |
出典:New in Unity 6.3 LTS。UI Toolkitに機能が増えたことを理由に、既存のuGUIを一律に置き換える必要はありません。使うUIシステムを先に決めて、対応する資料とコンポーネントを参照します。
Unity 6.2:Mesh LODとテストの基盤
Mesh LODは、インポート時に詳細度の異なるメッシュを生成する機能です。高ポリゴンのモデルを対象に、カメラからの距離ごとの見え方を確認します。生成できることと、対象端末で性能が向上することは別なので、輪郭の変化とフレーム時間の両方を比較します。
Unity Test FrameworkはCore packageになり、説明もEditorのマニュアルに統合されています。既存のテストを移行するときは、テストコードがコンパイルできるかと実行結果を確認します。出典:New in Unity 6.2。
Unity 6.1:URP Deferred+とビルドごとの設定
URPにDeferred+レンダリングパスが追加されました。透明オブジェクトなどのパスでForward+を使用します。名称だけで切り替えず、プロジェクトのシェーダーと対象端末で描画結果を確認します。
Build Profilesでは、グラフィックスと品質のグローバル設定をビルドごとに上書きできます。複数プラットフォーム向けの構成を作るときは、どの設定が共通で、どれがプロファイル固有かを記録します。出典:New in Unity 6.1。
Unity 6.0 LTS:Build ProfilesとGPU Resident Drawer
Unity 6.0系では、Build Settingsに代わるBuild Profilesでビルド構成を管理します。GPU Resident Drawerなどの描画機能も含まれますが、使用条件はレンダーパイプラインや設定に依存します。有効化しただけで必ず高速になるとは限りません。
公式の6.0 LTS新機能ページには、Preview・2023.2・2023.1から引き継いだ変更も含まれます。掲載項目がすべて2024年10月16日に初めて追加された、と読み替えないでください。出典:New in Unity 6.0 LTS。
Unity 2023.2:旧プロジェクトの変更履歴を確認する
2023.2のリリースノートには、UI ToolkitのデータバインディングをEditorへ追加した変更などが記録されています。旧版の教材やEditor拡張を保守する際の参照先です。新しいプロジェクトの推奨版を示すものではありません。出典:Unity 2023.2.0f1のリリースノート。
既存プロジェクトを更新する前の確認手順
- 現状を記録する:Editorの完全な番号、パッケージの版、URP/HDRP/Built-inの区別、ビルド対象、正常に動く代表シーンを記録します。
- 複製で開く:元のプロジェクトを保存し、複製または専用ブランチで移行します。変換されたプロジェクトを古いEditorへ戻すことを復元手段にしません。
- 移行ガイドを読む:移行先の新機能ページからUpgradeガイドを開き、独自の描画処理・プラグイン・シリアライズの変更を確認します。
- まずエラーを解消する:Consoleのコンパイルエラー、パッケージの不足、非対応APIを切り分けます。シェーダーのエラーはレンダーパイプラインとアセットの対応版を確認します。
- 再生とビルドを確認する:代表シーンで再生・停止を繰り返し、UI・入力・保存データ・描画を確認します。その後、対象プラットフォームのビルドを作り、実機で確認します。
期待する結果は、必要な機能を使えることに加え、既存の操作とデータが維持されることです。差異が出た場合は、Editor・パッケージ・設定を一度に変えたまま原因を推測せず、記録した移行前の状態と比較します。
LTSとUpdateの選び方は用途で分ける
公式は、制作の終盤やライブ運用で版を固定する用途にはLTS、新規制作や制作途中で新機能・プラットフォーム対応を取り込みたい用途にはUpdateを案内しています。どちらも本番制作に対応するリリースです。LTSだから新規制作で常に最適、Updateだから不安定、とは判断しません。
2026年10月3日の公式表示では、Unity 6.3 LTSのサポートは2027年12月まで、6.0 LTSは2026年10月までです。Updateのサポート期間は次のリリースまでという方針です。期限と使用アセットの対応版を合わせて確認してください。出典:Unity 6のリリースとサポート方針。
プロジェクトごとの判断はUnityのバージョン選定ガイド、基本操作の入口はUnityの使い方ガイドにまとめています。本ページは新機能の履歴と影響確認、選定ガイドは採用する版の判断に使います。
