Blenderは無料で使えるため、3DCGを始める人の入口になっています。
ソフト代がかからないぶん、PCに予算を回せるのも利点です。
要点をまとめます。
BlenderはGPU性能で快適さが決まります。
とくにVRAM容量が扱えるシーンの上限を左右します。
そして2026年現在、GPUの選択肢はNVIDIA一択ではなくなりました。
Blenderの2大レンダラー:CyclesとEEVEEの違い
Blenderには描画の仕組みが異なるレンダラーが2つ搭載されています。
どちらを使うかで、PCに求められる性能が変わります。
| Cycles | EEVEE | |
|---|---|---|
| 仕組み | 物理ベースのパストレーシング | リアルタイムのラスタライズ |
| 速度 | レンダリングに時間がかかる | 高速に描画できる |
| 画質 | 光や陰影が写実的 | 設定次第(質感表現に得手不得手がある) |
| 主な用途 | 写実的な静止画、最終出力 | 作業プレビュー、アニメーション、ゲーム向け |
Cyclesで最終レンダリングを行うなら、GPUの計算性能とVRAM容量が直接影響します。
EEVEE中心なら必要スペックは下がりますが、ビューポート表示を滑らかに動かすためにも独立したGPUが必要です。
VRAM容量がシーンの上限を決める
CyclesをGPUで動かす場合、シーン全体のデータをVRAMに収める必要があります。
高解像度テクスチャや大量のポリゴンによってVRAM容量を超えると、極端に動作が遅くなるかエラーで描画できなくなります。
| VRAM | 扱えるシーンの目安 | 該当GPU |
|---|---|---|
| 8GB | 最低ライン。小規模なシーン、1〜2カット | RTX 5060 |
| 16GB | 快適。4Kテクスチャを複数枚使える | RTX 5060 Ti 16GB / RX 9060 XT 16GB |
| 24GB以上 | 大規模なシーン、長尺のアニメーション | RTX 5090クラス |
長く使うならVRAM 16GBを目標にするのがおすすめです。
8GBでも学習や入門には使えますが、テクスチャを多用すると早い段階で容量不足に直面します。
2026年の変化:AMD製GPUも選択肢に入った
以前のBlenderは、GPUレンダリングで実質NVIDIA一択でした。
しかしBlender 5.1でAMDのレイトレーシング加速機能が標準で有効になり、NVIDIAとAMDの二択に変わっています。
選択肢が広がったとはいえ、実際の描画性能はモデルごとに確認が必要です。
同じVRAM容量ならAMDのほうが安価な場合があるため、予算重視なら比較する価値があります。
NVIDIAを使うならOptiXを選ぶ
NVIDIAのGPUを使う場合、Blenderの「編集」→「プリファレンス」→「システム」でOptiXを選んでください。
レンダリング方式の選択肢にCUDAとOptiXが並びますが、OptiXのほうがレイトレーシング専用コアを活用するため高速になります。
設定を変更するだけなので、追加の費用はかかりません。
初期設定のままCUDAになっていないか、一度確認してみてください。
CPUとメモリはどれくらい必要か
BlenderはGPUが主役ですが、全体のボトルネックにならないようCPUとメモリもバランスよく確保する必要があります。
| パーツ | 目安 | 理由 |
|---|---|---|
| CPU | 8コアクラス | モデリング操作、シミュレーション、CPUレンダリング時 |
| メモリ | 32GB | シーンデータとテクスチャを保持する |
| ストレージ | SSD 1TB以上 | アセットやレンダリング結果の保存で容量を消費するため |
CPUレンダリングも併用するなら、コア数の多いCPUが効果を発揮します。
ただしGPUレンダリングのほうが圧倒的に高速なため、多くの用途ではGPUを優先すれば十分です。
押さえておきたい最新仕様と注意点
2026年10月12日に、Blender 5.2.1 LTSの日本語表示で設定画面を確認しました。
プリファレンスの「アドオン」にある「Cycles Render Engine」の「プリファレンス」欄に、「なし」「CUDA」「OptiX」「HIP」「oneAPI」が並んでいました。

メニューの場所は版で変わることがあります。
見つからないときは、この画面も確認してください。
- GPUで描く場合は、ここで機器の種類を選び、レンダーのDeviceもGPU Computeにする
- NVIDIAならOptiX、AMDならHIPが対応する項目になる
- 初期状態は「なし」だったので、GPUを使うには選び直す必要がある
- VRAMの目標は16GB。8GBは入門向け
注文の前に、GPUのVRAM容量と、搭載メモリ・SSDの容量を、仕様表で確認してください。
おすすめのPC構成
約18.8万円:RTX 5060搭載機|学習・入門に
VRAM 8GBを備え、Blenderの基本操作やチュートリアルを進めるには十分な構成です。
メインメモリ32GBとSSD 1TBを確保している点も扱いやすいポイントです。
シーン内のテクスチャやオブジェクトを増やすと、VRAM容量が不足しやすくなります。
約23.6万円:Radeon RX 9060 XT 16GB|VRAM 16GBを安く
VRAM 16GBをこの価格帯で確保できる点が大きな魅力です。
Blender 5.1以降ならAMD製GPUでもレイトレーシング加速が利用できます。
同じVRAM容量を持つNVIDIA搭載機と比べて安価に導入できるのが強みです。
約28.4万円:RTX 5060 Ti 16GB|NVIDIAで16GB
OptiXによる高速レンダリングを使いたい場合や、トラブルシューティング情報の多いNVIDIA環境で揃えたい場合はこちらが適しています。
VRAM 16GBを搭載しており、4Kテクスチャを複数枚使うようなシーンにも対応できます。
約31.1万円:Radeon RX 9070 XT|性能重視
VRAMは16GBを維持しつつ、レンダリング処理性能を一段引き上げた構成です。
高速SSDを2TB備えているため、素材アセットや出力データが増えても余裕を持って作業できます。
Blenderを学ぶのにおすすめの書籍
Blenderは多機能なぶん、独学では操作手順でつまずきやすいソフトです。
体系的にまとまった書籍を1冊手元に置いておくと、操作に迷ったときスムーズに振り返れます。
モデリングを集中的に学びたい場合は、専門に特化した書籍を選ぶのも有効です。
完全な未経験者であれば、全体の流れを網羅した入門書から始めるのが確実です。
あなたはどっち?利用環境に合わせた最適プラン判定フロー
使い方に近いものを選ぶと、検討する構成が決まります。
| 使い方 | 検討する構成 |
|---|---|
| Blenderの基本操作を学ぶ | VRAM 8GBのRTX 5060搭載機 |
| 予算を抑えて、VRAM 16GBがほしい | Radeon RX 9060 XT 16GB |
| NVIDIAのOptiXや、情報の多い環境で揃えたい | RTX 5060 Ti 16GB |
| レンダリング性能を上げたい | Radeon RX 9070 XT |
価格は2026年9月3日時点の調査です。
購入前に販売ページで確認してください。
よくある質問:Blender PC 選び方で迷ったときのチェックリスト
VRAMは何GBあればよいですか?
長く使うなら16GBを目標にします。
8GBでも入門には使えますが、テクスチャを多用すると容量が足りなくなります。
NVIDIAでないと、Blenderは使えませんか?
使えます。
Blender 5.1以降は、AMDのレイトレーシング加速機能も利用できます。
買う前に、Blenderで確認できることはありますか?
今使っているパソコンで、Blenderを起動して、3DビューポートのNパネルを開いてみてください。
「アイテム」タブの「トランスフォーム」に、位置・回転・スケール・寸法が出ます。

標準のCubeを動かして、ビューポートが滑らかに動くかを確かめると、今のパソコンの余裕が見えてきます。
チェックリスト:
- Cycles中心か、EEVEE中心かを決めた
- VRAMの目標を決めた(16GBが目安)
- メモリは32GB、SSDは1TB以上を確認した
- NVIDIAなら、OptiXを選ぶ設定を確認した
- 価格と在庫は、購入前に販売ページで確認した
まとめ
- Blender用PCはGPU性能で決まる。
とくにVRAM容量が扱えるシーンの上限になります。 - 実用的な目標はVRAM 16GB。
8GBでも入門は可能ですが、早い段階で容量不足になりやすいです。 - NVIDIA一択ではなくなった。
同じVRAM容量ならAMD製のほうが安価な選択肢があります。 - NVIDIAならOptiXを選ぶ。
システム設定を切り替えるだけでレンダリングが速くなります。 - メモリ32GB、SSD 1TB以上を目安に確保する
他の3Dソフトも含めたPCスペックの考え方は3DCG用PCの選び方、モデルごとの実機比較は3DCG用PC比較にまとめました。
作業効率を高める周辺機器については作業が速くなる周辺機器をご覧ください。
※本記事に掲載した価格・仕様は2026年9月3日時点の調査に基づきます。
最終調査日:2026年9月3日。
価格は変動するため、購入前に販売ページで最新の情報をご確認ください。
記事内のリンクにはアフィリエイトリンクを含みます。
Blenderのレンダラーを基準に比較する
CPUとGPUのどちらでレンダリングするかや、使用するBlenderバージョンの対応条件を確認して、構成と費用を整理できます。
運営メディア「デザノマ」の制作PCの構成・増設の選び方でも詳しい選び方を確認できます。
