3DCGを始める際に、どの程度のPC性能が必要なのか迷う方も多いはずです。
検索すると50万〜70万円の高額な構成が目立ちますが、学習目的であればより安価なPCでも十分に始められます。
結論からお伝えします。
Blenderで学ぶなら、18万円台のPCから始められます。
Blenderはソフト代が無料なため、予算をすべてPC本体に充てられるのも利点です。
予算別・できることの境界線
| 予算 | できること | 我慢すること |
|---|---|---|
| 18万円台 | Blenderの学習、モデリング | VRAM 8GB。テクスチャを増やすと頭打ち |
| 23〜31万円 | 実用的な制作。4Kテクスチャも扱える | 大規模シーンは苦しい |
| 50万円台 | 業務レベルの制作 | — |
| 60万円以上 | CPUレンダリング、大規模シミュレーション | — |
重要なのは「学習段階と実務・業務で求められるスペックが異なる」点です。
基礎的なチュートリアルを進めるだけなら安価な構成で足りますが、高解像度テクスチャやオブジェクト数が増えるにつれてVRAMとメモリの容量が動作に直結してきます。
18万円台:Blenderで学び始める
無料で利用できるBlenderなら、18万円台のPCでも基礎的な操作を十分に学べます。
モデリング、アニメーション、レンダリングまでの一連のワークフローを一通り体験できます。
搭載VRAMが8GBの場合、高解像度テクスチャを増やしていくと早い段階で容量不足になりやすい点には注意が必要です。
ただし、入門や基礎学習の段階で扱う軽量なシーンであれば問題なく動作します。
Blender向けPCの具体的な選び方はBlender用PCの選び方に詳しくまとめています。
おすすめの入門書も紹介しているため、学習環境を整える際の参考にしてください。
23〜31万円:VRAM 16GBを確保する
この価格帯における最大の目標は、VRAM 16GBを確保することです。
4Kテクスチャを複数枚配置するようなシーンでも、GPUのメモリ不足によるレンダリングの破綻を防げます。
約23.6万円:Radeon RX 9060 XT 16GB|VRAM 16GBを最も安く
16GBのVRAMを比較的安価に確保できるのが大きな利点です。
Blender 5.1以降であればAMD製GPUでもレイトレーシングアクセラレーションに対応するため、以前ほどNVIDIA製GPU一択にこだわる必要は薄れています。
約28.4万円:RTX 5060 Ti 16GB|NVIDIAで揃えるなら
OptiXによる高速処理を使いたい場合や、トラブルシューティング情報が豊富なNVIDIA製GPUを選びたい場合はこちらが適しています。
MayaのArnoldやRedshiftなど他の3DCGソフトやレンダラーも併用する予定があるなら、NVIDIA製GPUを選んでおくのが無難です。
約31.1万円:Radeon RX 9070 XT|性能も確保
VRAM 16GBを維持したまま、レンダリング処理速度をさらに高められます。
高速なSSDを2TB備えているため、プロジェクトファイルやアセットが増加しても容量に余裕を持って運用できます。
50万円台:業務レベル
約54.6万円:RTX 5070 Ti+Ryzen 7 9800X3D
GPUレンダリングの処理速度が大幅に向上するだけでなく、高クロック動作のCPUによりZBrushなどCPU負荷の高いスカルプト作業でも快適に動作します。
複数のDCCツールを同時に起動して行き来する本格的な制作ワークフローに適しています。
60万円以上:CPUレンダリングや大規模シーン
この価格帯以上の構成は、業務上での明確な用途が決まっているプロ向けの選択肢です。
約62.1万円:メモリ64GB搭載機
メインメモリ64GBが必要となるのは、物理シミュレーションや頂点数の多い大規模シーンを扱う場面です。
流体やクロス(布)のベイクキャッシュはメインメモリを大量に消費します。
約70万円:16コアCPU|CPUレンダリング向け
ArnoldなどのCPUベースのレンダラーをメインで使用する場合、CPUの物理コア数がレンダリング時間に直結します。
一方でGPUレンダラーのみを使用する場合は、ここまでのマルチコアCPUを用意する必要はありません。
この価格帯で外してはいけない2つ
① メモリ32GB以上
3DCG制作はデジタルコンテンツ制作の中でも特にメインメモリを消費しやすい分野にあたります。
テクスチャデータ、ポリゴンメッシュ、各種シミュレーションキャッシュのすべてがメインメモリ上に展開されるためです。
デスクトップPCであればメモリは後から増設が可能です。
初期費用を抑えてまずは32GBから導入し、制作規模が大きくなってから64GBへ増設する手順も合理的です。
② VRAMは後から増やせない
メインメモリとは異なり、GPUのビデオメモリ(VRAM)は後から増設できません。
容量を増やすにはグラフィックボード自体の買い替えが必要になるため、購入時に必要なVRAM容量を慎重に見極めてください。
予算に限りがある場合は、CPUのグレードを一段下げてでもVRAM容量を優先して確保したほうが後悔しにくくなります。
買ったあとに伸ばす
- メモリを64GBに増設する。
デスクトップPCなら空きスロットへの追加で手軽に強化できます - 3Dマウスを追加する。
ビューポート操作が直感的になり、視点移動の手数を削減できます - 外付けSSDで保存容量を確保する。
完了したプロジェクトや重いアセットデータを外部ドライブへ退避できます
周辺機器の導入優先順位については作業が速くなる周辺機器にまとめています。
まとめ
Blenderで3DCGの学習を始めるだけなら、18万円台のPCから導入できます。
将来的に本格的な作品制作まで見据えるなら、VRAM 16GBを確保できる23〜31万円前後の構成が現実的な目安となります。
50万円以上のハイエンド機が必要になるのは、商業案件の実務で使う場合や、CPUレンダリング・大規模シミュレーションを頻繁に行うケースに限られます。
詳細なパーツスペックの考え方は3DCG用PCの選び方を、具体的なおすすめ機種の比較は3DCG用PC比較をご確認ください。
※本記事に掲載した価格・仕様は2026年9月3日時点の調査に基づきます。
最終調査日:2026年9月3日。
価格は変動するため、購入前に販売ページで最新の情報をご確認ください。
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制作PCの構成と増設の選び方
候補機種を比較検討する際は、行いたい作業に必要なパーツ要件と、将来的に増設できる拡張性の範囲をあらかじめ確認してください。
運営メディア「デザノマ」の制作PCの構成と増設の選び方でも詳しく解説しています。
