Blenderのブーリアンは、二つの形の重なりを使い、穴を開ける・合体する・重なった部分だけ残す処理です。穴あけなら、加工される側へブーリアンを追加し、差分の対象となる別のメッシュを指定します。
設定しても穴が見えないときは、処理そのものの失敗だけでなく、穴あけ用のオブジェクトが重なって表示されている場合もあります。まずは立方体と円柱のような単純な形で、設定と表示を分けて確認しましょう。
Difference・Union・Intersectの違い
| 演算 | 結果 | 用途の例 |
|---|---|---|
| Difference(差分) | 相手の形と重なる部分を取り除く | 穴、切り欠き、溝 |
| Union(合成) | 形を合わせて内部の不要な面を処理する | 複数の立体を一体化 |
| Intersect(交差) | 共通する体積を残す | 重なり部分だけの切り出し |
例えば立方体に円柱を重ねた場合、差分なら円柱の形をくり抜きます。交差を選ぶと重なり部分だけになり、思ったより大きく形が消えることがあります。演算の違いはBlender公式のブーリアン解説を参考にしてください。
立方体に円柱の穴を開ける手順
- 加工する立方体と、穴の形になる円柱を別々のオブジェクトで用意する。
- 円柱を移動・拡縮し、立方体を貫通するように配置する。
- 立方体を選び、ブーリアンモディファイアーを追加する。
- 演算をDifference、対象を円柱に設定する。
- 円柱の表示をワイヤーなどに変え、立方体側の穴を確認する。
- 円柱を少し動かし、穴の位置が追従するか確かめる。
モディファイアーは立方体側へ追加します。円柱側に追加すると、円柱から立方体を引く逆の処理になります。対象が増える場合は、「Body」「Cutter_Hole」など役割の分かる名前を付けると選択ミスを減らせます。
円柱が立方体の表面に触れるだけでは、期待する貫通穴になりません。最初は円柱を十分に長くして、上下とも立方体から突き出た状態で試します。
穴が見えないときは、カッターの表示を確認する
穴あけに使った円柱を通常表示したままだと、処理後の穴を円柱自身が埋めているように見えます。オブジェクトのビューポート表示をワイヤーやバウンドなどへ変えて、加工された形を見やすくします。
ビューポートで見えないことと、レンダーへ出ないことは別です。完成画像にカッターが残らないよう、レンダー側の表示設定も確認してください。表示を切り替えるたびに、ブーリアンの結果が維持されているかも確かめます。
形が崩れる場合は、ソルバーとメッシュを分けて調べる
ソルバーはブーリアンの計算方法です。Exactは重なる形を扱える一方、計算が重くなる場合があります。通常の設定で結果が不安定ならExactを比較しますが、すべての問題を解決する設定ではありません。
比較的新しいバージョンにはManifoldもあります。使用条件があるため、名前や速度だけで選ばないようにします。現行系の説明はBlender 5.2の公式マニュアルを参照してください。バージョンによってFloat・Fastなどの表記が異なる場合があります。
形状側では、不要な重複面、内部面、自己交差、極端に薄い部分などを確認します。境界が複雑なメッシュでは、ソルバーを変える前後の結果を保存して比較すると、改善した場所と残る問題を区別できます。
一度に変えず、次の順で原因を絞る
- 演算がDifferenceになっているか。
- 対象のオブジェクトを正しく指定しているか。
- 二つの形が実際に交差しているか。
- カッターが表示され、穴を隠していないか。
- 別のソルバーで結果が変わるか。
- 面の重複や法線の向きに問題がないか。
- 前後のモディファイアーを含めた順番が意図どおりか。
新しい立方体と円柱では動くのに、制作中のモデルでだけ失敗するなら、モデルの構造やモディファイアーの構成を優先して調べます。反対に単純な組み合わせでも変化がなければ、対象指定と表示状態へ戻ります。
適用前に、戻せる状態とトポロジーを確認する
ブーリアンを残した状態なら、カッターを動かして穴の位置を変更できます。形を確定する必要がある段階で適用し、適用前のファイルも保管します。適用していない状態でカッターを削除すると、参照先がなくなるため注意してください。
ブーリアン後の面は、変形や細分化に適した並びになるとは限りません。関節のあるモデルやSubdivision Surfaceを使うモデルでは、穴が開いたことに加えて、辺の流れや変形時の形も確認します。
最後にカッターを含めた表示、陰影、レンダー結果を確認してください。見た目の陰影だけが不自然なら、形状の穴あけと法線・スムーズ処理を分けて調べると、不要なやり直しを減らせます。
