After Effectsが重いと感じたとき、多くの人がまずPCの買い替えを考えます。
ですが、買い替えずに解決することも少なくありません。
この記事では、いまのPCで足りているのか、それとも本当に買い替えるべきなのかを判断する材料をまとめます。
先に結論を書くと、メモリ不足が原因なら増設で済みます。
買い替えが必要なのは、そこから先の話です。
まず自分のPCのスペックを確認する
判断の前に、いまの構成を把握してください。
- Windows:タスクマネージャーを開き、「パフォーマンス」タブでCPU・メモリ・GPUを確認
- macOS:Appleメニューから「このMacについて」でチップとメモリを確認
確認する項目はCPUのコア数、メモリ容量、GPUのVRAM容量の3つです。
30秒でわかる診断チャート
上から順に当てはまる症状を確認してください。
| いまの症状 | 考えられる原因 | 対応 |
|---|---|---|
| RAMプレビューが数秒で止まる | メモリ不足 | メモリ増設(買い替え不要) |
| 作業中に他のアプリが固まる | メモリ不足 | メモリ増設 |
| 一度見たフレームの再生が遅い | キャッシュ用ストレージの速度不足 | 高速SSD追加(買い替え不要) |
| ディスクの空きがすぐ無くなる | ストレージ容量不足 | SSD追加 |
| 書き出し中にCPUが数コアしか動かない | MFRが効いていない | メモリ増設かプラグイン見直し |
| 3Dやパーティクルでエラーが出る | VRAM不足 | GPU交換か買い替え |
| すべてが全体的に遅い | CPU世代が古い | 買い替え |
上4つは買い替え不要です。
重いと感じる原因の多くは、実はメモリとストレージにあります。
メモリ容量別・いまの立ち位置
搭載メモリごとに、対応できる作業と限界を整理します。
| メモリ | できること | 判定 |
|---|---|---|
| 8GB以下 | AEの起動と簡単な操作のみ | 実務では厳しい |
| 16GB | フルHDの短いカット。すぐ止まる | 増設を強く推奨 |
| 32GB | フルHDの一般的な案件 | 多くの人はここで足りる |
| 64GB | 4Kや長尺、重いプラグインも現実的 | 実務の安心ライン |
| 96GB以上 | 16コア以上のCPUを活かしきれる | 本業で毎日使う人向け |
必要量の目安はCPUコア数×4GB+20GBです。
計算の根拠はAfter Effectsに必要なPCスペックにまとめました。
ここで注意してほしいのは、コア数が多いPCほど必要メモリも増えるという点です。
16コアのCPUを積んでいるのにメモリ32GBという構成は、CPUの性能を活かせていません。
買い替えずに解決できる3つのケース
ケース1:メモリが足りていない
最も多い原因です。
レンダリング中にタスクマネージャーを見て、メモリの空きがほとんど無い状態が続いていれば確定です。
デスクトップなら増設で解決します。
スロットの空きと対応規格(DDR4かDDR5か)を確認してから購入してください。
ノートPCとMacは増設できない機種があります。
その場合はこの手が使えないため、買い替えの検討に進んでください。
ケース2:キャッシュがOSと同じドライブにある
ディスクキャッシュがCドライブに置かれていると、読み書きが競合して遅くなります。
別の高速SSDに逃がすだけで、プレビューの戻りが変わります。
設定は「編集」→「環境設定」→「メディア&ディスクキャッシュ」から変更できます。
Adobe公式でも別ドライブの指定を推奨しています。
ケース3:非対応プラグインがMFRを止めている
マルチフレームレンダリングに対応していないプラグインが1つでも入っていると、そのコンポではCPUのコアを活かせません。
高性能なCPUを積んでいるのに数コアしか動かない場合は、これを疑ってください。
プラグインの見分け方はプラグイン別・要求スペックで解説しています。
買い替えを検討すべきサイン
次のどれかに当てはまるなら、増設では追いつきません。
- メモリを増設できない機種で、16GB以下。
ノートPCやMacで基板直付けの場合、打つ手がありません - CPUが4コア以下。
マルチフレームレンダリングの恩恵をほとんど受けられません - VRAMが4GB以下で、3Dやパーティクルを使う。
エラーで止まる、描画が破綻するといった症状が出ます - メモリを64GBにしても足りない。
ここまで来たら構成そのものを見直す段階です
買い替えるとき、どこまで出すべきか
作業内容から逆算してください。
必要以上に高い構成を買っても、After Effectsでは体感が変わらない部分があります。
| いまの作業 | 予算の目安 | 重視するもの |
|---|---|---|
| フルHD中心・学習や副業 | 20万円台 | メモリ32GB、SSD 1TB |
| フルHD中心・本業 | 30〜40万円 | メモリ64GB |
| 4Kや3Dを多用 | 50万円以上 | メモリ64GB以上+VRAM 16GB |
20万円台の選択肢は20万円台でAfter Effectsは動く?、全体の比較はAfter Effects向けPC比較にまとめています。
判断する前に、一度測ってください
感覚で「重い」と判断すると、原因を取り違えることがあります。
買い替えの前に、いまの環境で実際に測ってみてください。
- キャッシュを消す(「編集」→「キャッシュの消去」→「すべてのメモリ&ディスクキャッシュ」)
- 同じプロジェクトで書き出し時間を測る
- RAMプレビューが何秒で止まるか数える
- レンダリング中のメモリ使用量とCPU使用率を見る
詳しい手順はレンダリング時間を正しく測る方法にまとめました。
ここで原因が特定できれば、数万円の増設で済むことがよくあります。
まとめ
After Effectsが重いとき、いきなり買い替えを考える必要はありません。
- まず測る。
感覚ではなく数字で原因を見る - メモリを疑う。
増設できるなら、これで解決することが多い - キャッシュの置き場所を見直す。
設定変更だけで改善する場合もある - それでも足りなければ買い替える。
作業内容から予算を逆算する
周辺機器での改善は作業が速くなる周辺機器にまとめています。
※本記事に掲載した価格・仕様は2026年9月3日時点の調査に基づきます。
最終調査日:2026年9月3日。
価格は変動するため、購入前に販売ページで最新の情報をご確認ください。
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増設と買い替えの費用を比べる
不足する部分を確認できたら、増設の上限、取付費用、保証も含めて、今のPCを使う場合と買い替える場合を比較してください。
運営メディア「デザノマ」の制作PCの構成・増設の比較で確認できます。
