After Effectsでレンダリングできない場合は、開始できない、毎回同じ位置で止まる、止まる位置が変わるの3つに分けて確認します。長いコンポジションを何度も最初から書き出すより、失敗した場所を含む短い区間で比較すると原因を絞りやすくなります。
作業前にプロジェクトを別名で保存し、エラーの全文と停止した時刻を記録してください。以下は原因を調べる手順であり、すべての環境で同じ設定が解決策になるわけではありません。
レンダーキューの状態を確認する
| 状態や症状 | 先に確認すること |
|---|---|
| 出力先が未設定 | 保存先フォルダーとファイル名 |
| キューにあるが開始しない | レンダリング対象として有効か、設定が揃っているか |
| 失敗と表示される | エラー文とレンダーログ |
| 同じフレームで止まる | その時刻の素材、エフェクト、式 |
| 毎回違う場所で止まる | メモリ、保存先、外部処理など共通の条件 |
| Media Encoderだけ失敗する | 連携、バージョン、AE側のレンダーキューとの比較 |
各状態の意味とログの確認方法は、Adobeのレンダリングと書き出しの基本に掲載されています。「失敗」の表示だけで判断せず、ログがある場合は具体的な理由を読みましょう。
1.出力先と空き容量を確認する
出力先が存在するか、書き込み権限があるか、ドライブに空き容量があるか確認します。外付けドライブやネットワーク上のフォルダーを使っている場合は、接続が切れていないかも確認してください。
比較用に、書き込み可能なローカルフォルダーへ短い区間を別名で出力します。そこで成功するなら、元の保存先やファイル名、同期・接続の条件を優先して調べられます。元の納品ファイルを上書きせず、テスト用の出力先を作ってください。
連番画像ではファイル数が増え、高品質な中間形式では容量が大きくなる場合があります。元の素材の容量だけから、書き出しに必要な空き容量を決めないようにしましょう。
2.止まる時刻の前後だけを試す
毎回同じ時刻で失敗する場合は、その前後にワークエリアを絞り、短い区間をレンダリングします。レンダー設定の時間範囲も確認し、実際に短い区間だけが対象になっていることを確かめてください。
失敗する時刻では、新しいレイヤーの開始、エフェクトの切り替わり、画像の差し替え、外部素材の読み込みなどが起きていないか確認します。次の順に条件を減らすと、原因を追いやすくなります。
- 複製したコンポジションで、疑わしいレイヤーを一つ無効にする。
- 同じ短い区間を出力する。
- 成功したら、そのレイヤー内のエフェクトや素材を分けて調べる。
- 変更を記録し、必要な処理を一つずつ戻す。
映像が出力できても、必要なレイヤーを消したままでは修復完了ではありません。原因を特定するためのテストと、納品する状態を分けて管理してください。
3.素材とエクスプレッションを確認する
不足した素材や読み込めないファイルがないか確認します。大きな静止画や複雑な外部データを使う場合は、必要な解像度や内容にしたコピーで比較すると、素材の影響を調べられます。
式のエラーが表示されている場合は、プロパティ名、レイヤー参照、配列の次元などを確認します。数値が特定の時刻だけ不正になる式もあるため、プレビューが一部動くことだけでは判断できません。詳しくはエクスプレッションエラーの確認方法を参照してください。
4.メモリエラーなら負荷とキャッシュを調べる
「Unable to allocate memory」などの表示がある場合は、不要なアプリを閉じ、メモリ設定とキャッシュを確認します。Adobeはメモリを割り当てられない場合の対処として、メモリの配分やキャッシュの消去などを案内しています。
キャッシュを消す場合は、アプリの機能から対象を確認して実行します。プロジェクトや元の素材を削除しないでください。消去後は再計算が必要になり、次のプレビューが一時的に遅くなることがあります。
一度に多数の設定を変えると効果が分かりにくくなります。解像度、重いエフェクト、素材のサイズなどを一つずつ比較し、どの条件で失敗するかを記録しましょう。
5.出力形式とアプリ連携を分けて確認する
Media Encoderへ送る方法だけが失敗する場合は、After Effects自身のレンダーキューで短い区間を出力して比較します。対応する中間形式や連番で正常に出せるなら、合成処理と最終形式への圧縮を分けて調べられます。
この比較は、Media Encoderが必ず原因だと断定するためのものではありません。アプリのバージョンや連携状態、使用する形式の設定も確認します。連番で音声を別に出した場合は、後から結合するときのフレームレート、開始位置、音声の同期に注意してください。
更新直後から発生した場合は、Adobeの既知の問題で、使用バージョンと症状が一致するか確認します。進行中の案件では、バックアップを残してから更新やバージョン変更を検討しましょう。
短いテストが成功したら全体を確認する
原因に対応した後は、元の解像度、必要なレイヤー、出力範囲に戻し、全体をレンダリングします。完了表示だけでなく、出力ファイルを開いて長さ、映像、音声、透過の有無を確認してください。
処理速度の問題も調べたい場合は、レンダリング時間を測る手順を使い、同じ条件で比較します。成功した設定と変更点を残しておくと、次の修正や再出力でも迷いにくくなります。
