After Effectsの作業効率は、PC本体だけで決まるわけではありません。
メモリの増設と左手デバイスは、体感で分かるほど作業が変わります。
費用対効果の高い順に、おすすめの周辺機器を整理しました。
あわせて、導入しても思ったほど効果を感じにくい機器についても解説します。
優先度① メモリ増設|最も効果が分かりやすい
After EffectsはRAMプレビューにメモリを使うため、容量の大きさがプレビュー可能な秒数に直結します。
メモリ容量が不足していると、数秒再生しただけでプレビューが停止します。
搭載容量の目安はCPUのコア数×4GB+20GBです。
計算上、8コアなら52GB、16コアなら84GBのメモリが必要になります。
計算式の詳細な根拠はAfter Effectsに必要なPCスペックで解説しています。
| 現在のメモリ | 起きること | 対応 |
|---|---|---|
| 16GB | 数秒でプレビューが止まる | 最優先で増設 |
| 32GB | 短いカットなら足りる。長尺で詰まる | 64GBへの増設を推奨 |
| 64GB | 多くの案件で足りる | 16コア以上なら96GBを検討 |
価格重視で64GBにする
DDR5-4800の32GB×2枚組です。
After Effectsではメモリの速度より容量が作業の安定性に直結するため、動作クロックを抑えて容量を確保する選択も合理的です。
速度も確保する
DDR5-6400のオーバークロック対応品です。
予算に余裕があり、他の用途でも高速動作を重視する場合はこちらが候補になります。
増設前の確認事項
- スロットの空き:4スロット中2つが空いている構成なら追加できます。
2スロットがすべて埋まっている場合は差し替えが必要です - 対応規格:DDR4とDDR5に互換性はありません。
事前にマザーボードの仕様を確認してください - ノートPCの可否:メモリがオンボード直付けで増設できない機種があります
優先度② 左手デバイス|作業テンポが変わる
After Effectsはショートカットを多用するため、左手の移動距離の短縮がダイレクトに作業速度へ反映されます。
左手デバイスは、頻繁に使う操作を手元のダイヤルや物理ボタンに割り当てられる入力機器です。
特に以下の操作で効果を実感しやすくなります。
- タイムラインの移動(1フレーム送り・戻し)
- ズームイン・アウト
- レイヤーの表示切り替え、プレビュー再生
- 元に戻す・やり直し
ダイヤルで時間軸をスムーズに行き来できるようになると、プレビューの確認頻度が増えます。
細かなタイミング調整を詰める作業ほど、スピードと精度の差が現れます。
TourBox Elite|ダイヤルとノブが充実
ダイヤル、ノブ、スクロールを組み合わせて直感的に操作できます。
Bluetooth接続に対応し、回転時の触覚フィードバックも備えています。
After Effects用プリセットが標準で用意されているため、導入後すぐに使い始められます。
TourBox Lite|まず試すなら
1万円台で購入できるエントリーモデルです。
左手デバイスが自身のワークフローに合うか確かめたい段階なら、手頃な本機から試すのが確実です。
XPPen ショートカットリモート|ペンタブと組み合わせる
ペンタブレットとの併用を想定した左手デバイスです。
ダイヤルと物理ボタンを備え、ワイヤレス接続で省スペースに配置できます。
優先度③ キャッシュ用SSD|プレビューの戻りが変わる
After Effectsはディスクキャッシュに計算結果を書き出し、次回以降のフレーム再計算を省略します。
Adobe公式でも、ディスクキャッシュ用には独立した高速ドライブを割り当てることを推奨しています。
ストレージは2基以上の構成が理想的です。
1基目にOSとアプリケーション、2基目に作業素材とディスクキャッシュを配置します。
キャッシュ用ストレージは容量以上に読み書きの速度が影響するため、PCIe Gen4以上のNVMe SSDを選択してください。
外付けSSDという選択肢
PCケース内部の増設が難しい場合や、内蔵ドライブを拡張できないノートPCでは外付けSSDでも効果を得られます。
制作素材の持ち出し用ドライブとしても流用できるため、1台用意しておくと重宝します。
優先度④ モニター|色と作業領域
After Effectsはタイムライン、エフェクトコントロール、プロジェクトパネルなど表示項目が多く、画面解像度が低いとパネルの開閉や配置調整に手間取ります。
WQHD(2560×1440)以上の広さがあれば、主要パネルを一覧表示したまま快適に作業できます。
カラーコレクションなど色を扱う業務では、色域の仕様(sRGBカバー率など)も確認してください。
プレビュー表示が納品環境の色基準とずれていると、納品後の色補正や手戻りの原因になります。
優先度⑤ ペンタブレット|ロトスコープをするなら
マスクの手動パス切り、ロトスコープ、ペイント作業の比率が高い用途ではペンタブレットが威力を発揮します。
パス描画やペイントの頻度が低い作業スタイルなら、導入の優先度は控えめになります。
普段の作業内容や案件の内訳を振り返ったうえで導入を判断してください。
思ったほど効かないもの
限られた予算を配分する前に、投資対効果が出にくい要素も把握しておきましょう。
- 最上位のGPU:After EffectsでGPU性能が直接恩恵をもたらす処理は限定的です。
同等の予算があるなら、メモリ増設へ充てたほうが作業快適度の向上につながります - 高リフレッシュレートのゲーミングモニター:映像編集用途では、フレームレートよりも画面解像度と正確な色再現性が重視されます
- 高性能なCPUクーラー:長時間の連続レンダリング時には安定化に寄与しますが、作業効率化における優先順位は上位機器より下がります
優先順位のまとめ
| 優先度 | 対象 | 目安予算 | 効果 |
|---|---|---|---|
| 1 | メモリを64GB以上に | 9〜13万円 | プレビューが途中で止まらなくなる |
| 2 | 左手デバイス | 1.5〜3.2万円 | 操作の手数が減りテンポが上がる |
| 3 | キャッシュ用SSD | 3.5〜5万円 | キャッシュ再読み込みが高速化する |
| 4 | WQHD以上のモニター | 2.6万円〜 | 一覧性が上がりパネル操作が減る |
| 5 | ペンタブレット | 6.2万円〜 | マスク・ロトスコープ作業を効率化 |
メモリの増設と左手デバイスの2点は、多くの制作者にとって投資対効果が明確です。
その他の周辺機器は作業フローや案件の特性に応じて費用対効果が分かれるため、自身の制作環境に合わせて段階的に検討してください。
PC本体の構成自体をまだ決めていない場合は、After Effects向けPC比較をあわせて参考にしてください。
※本記事に掲載した価格・仕様は2026年9月3日時点の調査に基づきます。
最終調査日:2026年9月3日。
価格は変動するため、購入前に販売ページで最新の情報をご確認ください。
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動画・制作向け左手デバイスの選び方
頻出ショートカットや数値調整を外部機器へ割り当てたい場合は、対象アプリとコンパニオンソフトの対応状況を事前に確認します。
運営メディア「デザノマ」の動画・制作向け左手デバイスの選び方でも詳しい選び方を解説しています。
