テロップやロゴのアニメーションを、背景を透明にしたまま書き出して、別の動画に重ねたいことがあります。
透明を保つには、透明の情報(アルファチャンネル)を持てる形式で、チャンネルに「アルファ」を含めて書き出します。
- 動画で書き出す:QuickTime(.mov)で、コーデックを Apple ProRes 4444 にする
- 連番で書き出す:PNG か TIFF
- 出力モジュールの「チャンネル」を「RGB + アルファ」にする
- MP4(H.264)では透明を保てない
この記事は、Adobe公式ヘルプ「Supported file formats」(2026年3月27日更新、2026年9月29日に確認)と、出力モジュールの一般的な設定にもとづいています。
After Effectsの画面での再現は含みません。
3秒の素材で透明を確かめる練習
2026年10月3日に公開資料と設定の意味を確認しました。
以下は読者が試せる練習手順で、今回の更新ではAfter Effects・Media Encoder本体の操作や出力結果を再確認していません。
練習用プロジェクトを別名保存し、640×360ピクセル・30fps・3秒のコンポジションに赤い図形を置きます。
背景の平面レイヤーを置かず、透明グリッドで図形の外側を確認します。
透明グリッドをオンにするだけで背景レイヤーが透明になるわけではありません。
レンダーキューへ追加し、範囲をコンポジション全体、出力モジュールをQuickTime・Apple ProRes 4444・RGB + アルファ・ストレートにします。
出力先は未使用のファイル名にし、練習用以外のキュー項目が意図せず有効でないことを確認してレンダリングします。
PNGで試す場合はPNGシーケンス・RGB + アルファを選び、新しく作った空のフォルダーへ書き出します。
完成した素材をAEへ読み戻し、白い背景と青い背景の上へ順に重ねます。
図形の外側に背景が見え、輪郭に黒や白の縁が出ないか確認します。
PNG連番はシーケンスとして読み込み、30fpsとして解釈したうえで3秒になるか確認します。
枚数と欠番の確認はPNG連番の書き出しで説明します。
| 症状 | 結果の見方 | 切り分け |
|---|---|---|
| プレーヤーだけで黒い | AEで背景に重ねると背景が見える | プレーヤーの透明表示を確認 |
| AEで重ねても黒い四角が残る | アルファがない、または背景が焼き込まれた可能性 | RGB + アルファ・形式・背景レイヤーを確認 |
| 黒や白の縁が出る | アルファの解釈が合わない可能性 | 出力と読み込みのストレート/プリマルチプライを合わせる |
練習を戻すには書き出し前に保存したプロジェクトを開き直します。
出力ファイルを削除しなくても元のレイヤーとキュー設定へ戻せます。
形式と出力設定の根拠はAdobeの対応形式とレンダリングの説明です。
透明を保てる形式
| 形式 | 書き出し | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| QuickTime(.mov)+ Apple ProRes 4444 | できる | 動画ファイル1つで渡したい。編集ソフトに読み込みやすい |
| PNG の連番 | できる(16bpcまで) | 画質を落とさずに渡したい。1フレームずつ直せる |
| TIFF の連番 | できる(8・16bpc) | 印刷や静止画の処理にも回したい |
| OpenEXR の連番 | できる(32bpc) | CGの合成など、明るさの情報を広く残したい |
| MP4(H.264) | 透明は保てない | 透明のない完成品の書き出し |
WebMは、After Effectsの標準で書き出せる形式の一覧に入っていません。
ProRes 4444で書き出す手順
- コンポジションを選び、「ファイル」→「書き出し」→「レンダーキューに追加」
- レンダーキューの「出力モジュール」を開く
- 「形式」を QuickTime にする
- 「形式オプション」で、ビデオコーデックを Apple ProRes 4444 にする
- 「チャンネル」を「RGB + アルファ」にする
- OKで閉じて、レンダリングする
ProRes 422 など「4444」の付かない ProRes は、透明の情報を持てません。
ストレートとプリマルチプライ
「チャンネル」を「RGB + アルファ」にすると、「カラー」でストレートかプリマルチプライ(合成)かを選べます。
重ねる先のソフトで縁が黒や白ににじむときは、この設定と、読み込む側の解釈を合わせます。
迷ったらストレートにして、読み込む側でも「ストレート」として読むのが無難です。
PNGの連番で書き出す手順
- 出力モジュールの「形式」を「PNG シーケンス」にする
- 「チャンネル」を「RGB + アルファ」にする
- 出力先は、空のフォルダーを1つ作って指定する(1フレームごとにファイルができるため)
音声は連番に入らないので、必要なら別に書き出します。
連番と音声を分けて書き出す手順は、After Effectsの連番と音声を分けて効率良くレンダリングする方法で紹介しています。
書き出したのに背景が黒くなるとき
- 「チャンネル」が「RGB」のままになっていないかを見る(アルファを含めていない)
- 形式が MP4(H.264)など、透明を保てない形式になっていないかを見る
- コンポジションの一番下に、平面(背景色のレイヤー)が残っていないかを見る
- 再生するソフトが透明に対応しているかを見る(多くの動画プレーヤーは透明を黒で表示する)
コンポジションパネルの下にある「透明グリッド」のボタンを押すと、透明になっている部分がチェック柄で表示されるので、書き出す前に確かめられます。
透明のない完成品をMP4で書き出す方法は、After EffectsでMP4(H.264)を書き出す方法で紹介しています。
まとめ
- 透明を保つには、アルファを持てる形式で「RGB + アルファ」にして書き出す
- 動画なら ProRes 4444、連番なら PNG か TIFF
- MP4(H.264)と WebM は、After Effectsの標準では透明の書き出しに使えない
- 黒くなるときは、チャンネル・形式・背景のレイヤー・再生ソフトを順に見る
参考:Adobe「Supported file formats」(2026年9月29日に確認)。
