同じプリコンポを、色や文字だけ変えて何度も使いたいとき、複製しなくてもよい方法があります。
かつて「マスタープロパティ」と呼ばれていた機能で、現行のヘルプでは「エッセンシャルプロパティ」という名前です。
- プリコンポの中のプロパティを、外側のレイヤーから変えられる
- エッセンシャルグラフィックスパネルで、公開するプロパティを選ぶ
- 変えた値は、そのインスタンスだけに効く。同じコンポで、値が違うものを並べられる
- 「プッシュ」で、変更を元のコンポに反映できる
2026年10月3日にAdobe公式「Work with Essential Properties」「Create Motion Graphics templates」の本文を確認しました。After Effects本体での再現は未検証です。
バージョンによって、画面や機能が変わることがあります。
名前の変更について
2023年のAdobeのチュートリアルでは「マスタープロパティ」と書かれています。
現行のヘルプでは「エッセンシャルプロパティ」で、同じ機能を指しています。
旧「マスター」のコンポジションも、現行では「プライマリコンポジション」と呼ばれています。
公開する手順
- エッセンシャルグラフィックスのワークスペースに切り替える
- パネル上部で、対象のコンポジションを選ぶ
- 「サポートするプロパティのみ」を押して、対応するプロパティだけを表示する
- タイムラインから、公開したいプロパティを、パネルへドラッグする
- 必要なら、名前を分かりやすく変える
- そのコンポを、別のコンポジションの中に入れる(ネストする)
ネストすると、親側のタイムラインで、そのプリコンポレイヤーの下に「エッセンシャルプロパティ」のグループが出ます。
そこで値を変えると、そのインスタンスだけ、見た目が変わります。
変更したあとの動き
- 値を変えると、元の値とのリンクが外れる。名前が太字になり、プルとプッシュが使えるようになる
- プル:そのインスタンスの値・キー・式の変更を捨て、ソースの状態へ再リンクする
- プッシュ:変更した値・キー・式をソースへ適用して再リンクする。同じプロパティがソースにリンクした他のインスタンスも更新される。別途上書きされた他のインスタンスには、その上書きが残る
- エクスプレッションも、上書きできる
同じコンポを何個も置いて、色や文字だけ変えたいときに向いています。
制限
- ソーステキストは、親のコンポジション側で、文字ツールでは直接編集できない。右クリックの「値を編集」か、エクスプレッションで指定する
- フォントのコントロールは、ネストされたコンポのプライマリプロパティとしては使えない
- CSV/TSVのデータコントロールも、同じく使えない
- 公式本文で確認できる対応項目はチェックボックス、色、単一数値のスライダー、ソーステキスト、2Dポイント、2Dスケール、角度など。選んだ項目が追加できるかは「サポートするプロパティのみ」で確認する
関連記事:コンポ名を変数にして複製するスクリプト
2つのインスタンスでプルとプッシュを区別する練習
本番とは別に保存した練習プロジェクトで、文字または図形を含む「元コンポ」を作ります。
そのレイヤーの不透明度100%をエッセンシャルグラフィックスへ追加します。
別の「確認コンポ」へ元コンポを2回配置し、インスタンスA・Bとして区別します。
エッセンシャルグラフィックス側のコントロール変更はソース変更です。
ここでは確認コンポのタイムラインで、各プリコンポ下のエッセンシャルプロパティを操作します。
| 操作 | 確認する値 | リンクの条件 |
|---|---|---|
| Aだけ50%へ変更 | ソース100%、A50%、B100% | Aだけ上書き |
| Aの不透明度をプル | A100%、B100% | Aの変更を捨てて再リンク |
| Aを25%へ変更してプッシュ | ソース25%、A25%、B25% | Bがリンク中の場合 |
| Bを70%へ上書き後、Aを40%でプッシュ | ソース40%、A40%、B70% | Bの独立した上書きは残る |
プルは単なるUndoではなく、現在のソースへ合わせる操作です。
変更を残す必要がある場合はプル前に値・キー・式を保存します。
グループ全体のプッシュは複数項目を変更するため、この練習は不透明度1項目だけで行います。
戻すときは元コンポの不透明度を100%に戻し、A・Bの不透明度をプルして再リンクします。
元の状態に戻らない場合は練習前の別名ファイルを開きます。
AE本体での画面操作は未検証です。
まとめ
- 旧マスタープロパティは、現行ではエッセンシャルプロパティ
- エッセンシャルグラフィックスで公開し、プリコンポをネストして使う
- プルとプッシュで、変更の扱いを選べる
- テキストとフォントには制限がある
参考:Adobe ヘルプ「エッセンシャルプロパティ」(最終更新2026年5月、2026年9月30日確認)。
