Mayaのヒストリ削除は、モデルを作る過程で追加された入力ノードなどを整理する操作です。単純なモデリング途中の履歴を確定する場面では役立ちますが、スキンやブレンドシェイプなど必要な変形まで含めて消すと、動きが失われる可能性があります。
「重いから全部消す」と決める前に、何が接続されているかを確認します。ここでは静止モデルの基本操作と、変形を残したい場合の考え方を説明します。
ヒストリはUndoの履歴とは別
メッシュを作成したノード、押し出し、ベベルなどが接続されている場合、Mayaはそれらの入力から結果の形状を計算します。Channel BoxのInputsやAttribute Editorで入力ノードを確認できます。
これは、操作をCtrl+Zで戻すための履歴と同じ意味ではありません。ヒストリを消すと、以前のベベル幅などを入力ノードから調整する手段が失われるため、後から変更したい段階では残す判断も必要です。
静止モデルのヒストリを削除する手順
- 元のシーンを別名で保存します。
- アニメーションやスキンのない練習用メッシュを選びます。
- Inputsで接続されているモデリングノードを確認します。
- Edit→Delete by Type→Historyを実行します。
- 現在の形状を保ち、対象の入力が整理されたか確認します。
基本のメニューと用途はDelete by Typeの公式ヘルプで確認できます。Delete All by Typeのように広い範囲を対象とする操作と取り違えず、最初は一つのモデルで試してください。
HistoryとNon-Deformer Historyを使い分ける
| 項目 | 主な考え方 | 実行前の確認 |
|---|---|---|
| History | 選択対象の構築ヒストリを整理する | 残すべき変形や入力がないか |
| Non-Deformer History | デフォーマを残しつつ、そのほかのヒストリを整理する | どの範囲を処理する設定か、変形結果が保たれるか |
Non-Deformer Historyは、どんなデータでも無条件に安全な削除ボタンではありません。オプションやノードの順序により処理対象が変わるため、作業用コピーで結果を確認します。
設定の説明はデフォーマ以外のヒストリの公式オプションにあります。スキンがあるモデルでは、静止姿勢だけでなく動かした状態も確認してください。
削除前に残すべきものを調べる
skinCluster、blendShapeなどの変形ノードがある場合は、そのモデルがどのように動くのかを確認します。作成者が別にいるリグなら、想定されている整理方法を先に確認したほうが確実です。
同じ見た目の2つのモデルでも、一方は単純な静止メッシュ、もう一方は変形で形を作っている場合があります。画面に見える形だけで同じ処理をしてよいとは判断できません。
頂点カラーのアニメーションなども、ヒストリ削除の影響を受ける例があります。Autodeskは頂点カラーのアニメーションの説明で、この点に触れています。
「軽くなったか」は同じ条件で比較する
削除前後で、同じフレーム、同じ選択対象、同じ表示状態を使って操作や再生を比較します。重さの原因がテクスチャ容量、表示ポリゴン数、シミュレーションなどにある場合、ヒストリ整理だけでは改善しないことがあります。
例として、ベベル操作を何度も重ねた静止モデル一つをコピーし、片方だけヒストリを整理して比較します。結果が変わらないなら、シーン全体へ同じ操作を広げる前に別の原因を調べます。
削除した後に動かなくなった場合
まずその状態を元ファイルへ上書きしないでください。操作直後ならUndoで戻し、難しい場合は保存しておいたコピーへ戻ります。見た目だけを直そうとして接続をさらに変更すると、元の構成を追いにくくなります。
スキンが外れたのか、ブレンドシェイプが失われたのか、別の入力が消えたのかを確認します。どの処理をしたか分かるよう、対象、メニュー名、選んだオプションを記録すると復旧や相談がしやすくなります。
フリーズトランスフォームとは目的が違う
フリーズは移動・回転・スケールの基準を整理する操作で、ヒストリ削除とは別です。モデルを渡す前のチェック項目に両方が書かれていても、どちらが必要なのかはデータの用途で判断します。
出力のために整理する場合は、元の編集用シーンを保管し、必要な整理をした受け渡し用コピーを作ります。形状、UV、マテリアル、変形、代表的なアニメーションを確認し、保存して開き直した後も結果が保たれることを確かめましょう。
