MayaのモデルをFBXで渡すときは、FileのExport Selectionから対象を選んで書き出します。形状だけなのか、スキンやアニメーションも含めるのかで必要な設定が変わるため、最初に受け渡す内容を決めることが大切です。
FBXはMayaのシーンを完全に再現する保存形式ではありません。元の.maや.mbを残し、FBXは他のソフトへ渡すための別ファイルとして作ります。ここではメニューから書き出し、読み込み先で確認するまでの流れを整理します。
書き出し前に渡す内容を決める
| 用途 | 主に確認するもの |
|---|---|
| 静止した小物モデル | 形状、UV、法線、寸法、原点 |
| キャラクターモデル | メッシュ、ジョイント階層、スキン、ブレンドシェイプ |
| 動くキャラクター | 上記に加えてフレーム範囲、fps、ベイク |
| 別ソフトでの見た目確認 | テクスチャ一式、マテリアルの再設定条件 |
受け手が必要とするFBXのバージョンや軸、単位が決まっている場合は、その仕様を優先します。出力先のソフトが分からないまま設定を固定するより、小さいテストデータを先に一往復させるほうが問題を見つけやすくなります。
Export SelectionからFBXを保存する
- Mayaの元シーンを保存します。
- Outlinerで書き出したいモデルや必要な階層を選択します。
- File→Export Selectionを開きます。シーン全体を渡す場合はExport Allを検討します。
- Files of typeでFBX exportを選びます。
- 保存先と名前を決め、右側のFBX設定を確認して書き出します。
基本操作はAutodesk公式のFBX書き出し手順にあります。メニュー表記や設定項目はMayaとFBXプラグインのバージョンで異なります。
形式一覧にFBXがない場合は、Plug-in Managerでfbxmayaが読み込まれているか確認します。何も選択していない状態でExport Selectionを続けず、Outlinerに戻って対象を確かめます。
静止モデルは形状と寸法を先に確認する
形状だけを渡すテストでは、モデル名、オブジェクト数、寸法、向きを控えます。読み込み先で100倍や100分の1になった場合は、Mayaの作業単位、FBXの単位変換、読み込み側のスケール設定を順に確認してください。
モデルの数値だけを大きくして帳尻を合わせると、別のモデルやアニメーションで再びずれることがあります。例として「Mayaで高さ100cmの確認用オブジェクト」を一緒に渡し、読み込み先で1m相当になるか確かめると比較しやすくなります。
法線やエッジの見た目は、書き出しと読み込みの両方の設定に影響されます。Smoothing Groupsなどの項目を必要に応じて確認し、受け手が法線を再計算するのか、ファイルの値を使うのかも揃えましょう。
アニメーションはベイク範囲を確認する
コントローラーやコンストレイントで動かしているリグは、仕組みまで同じように移るとは限りません。FBXのAnimation設定とBake Animationを確認し、受け渡す動きが必要なジョイントなどへ記録される条件を整えます。
開始・終了フレームとフレームレートは、尺を決める情報です。たとえば1~120フレームを渡す予定なのに終了が60になっていれば、必要な動きが欠けます。静止した先頭フレームだけで確認を終えず、開始・中間・終了と全体再生を見ます。
SkinやBlend Shapesなどの項目も、使用している変形に合わせて確認します。詳細はFBX Export optionsの公式リファレンスを参照してください。
テクスチャはファイル一式を管理する
FBXへテクスチャを埋め込むEmbed Mediaという選択肢がありますが、埋め込みさえ有効ならマテリアルが完全に再現されるわけではありません。Arnoldなどの複雑なシェーダーネットワークは、読み込み先のマテリアルへ置き換える必要がある場合があります。
テクスチャを別添えする運用なら、FBXと画像のフォルダー構成を決め、受け手へまとめて渡します。元のPCの絶対パスだけに依存していないか確認してください。Mayaのプロジェクトごと移す用途なら、Mayaのプロジェクトを別PCへ移す方法も参考になります。
読み込み直して5項目を照合する
- 必要なオブジェクトが揃い、不要なものが入っていないか。
- 寸法、向き、原点が受け渡し仕様と合っているか。
- UVとテクスチャの対応が保たれているか。
- 陰影、法線、スキンの変形に違和感がないか。
- アニメーションの範囲とタイミングが合っているか。
再読み込みは元シーンへ重ねず、別のテストシーンで行います。さらに最終的な使用先でも確認し、Mayaに戻せたことだけを合格条件にしないでください。
問題が出たときは設定を一度に変えず、単位・形状・アニメーション・マテリアルの順に切り分けます。確認できた設定をプリセットや作業メモに残すと、同じ受け渡し先への次回の書き出しを揃えやすくなります。
