After Effectsのタイムリマップは、タイムライン上のある時点に、素材のどの時点を表示するかを指定する機能です。途中だけスローにする、同じフレームで止める、逆向きに再生するといった調整に使います。
理解の鍵は、キーフレームの横の位置と、プロパティの時間の値を分けることです。位置は「コンポジションのいつ」、値は「素材のどこ」を表します。
キーフレームの位置と値の関係
| 設定の例 | 区間の結果 |
|---|---|
| コンポの0〜2秒で、素材の0〜2秒を表示 | 線形補間なら通常速度 |
| コンポの0〜4秒で、素材の0〜2秒を表示 | 線形補間なら半分の速度 |
| コンポの2秒と3秒で、素材の同じ2秒を表示 | 線形補間ならその区間で停止 |
これは2つの点の関係を説明する例です。実際のレイヤーでは前後のキーフレームも含めて確認します。途中の1点だけ動かすと、その前の区間が遅くなる一方、後ろの区間が速くなることがあります。
タイムリマップを有効にする
- 動画素材をコンポジションへ置き、対象レイヤーを選びます。
- 「レイヤー」→「時間」→「タイムリマップ使用可能」を実行します。
- タイムリマップのプロパティと、作成されたキーフレームを確認します。
- まず値を変えずにキーフレームの間隔を調整し、再生速度の変化を見ます。
基本操作と速度変更の考え方はAdobe公式のタイムストレッチ・タイムリマップ解説で確認できます。動画全体を一定の比率で伸ばすだけなら、タイムストレッチで足りる場面もあります。
レイヤーを遅くした後は、レイヤーのアウトポイントとコンポジションの長さも確認します。キーフレームを後ろへ動かしても、表示する区間が元のままなら途中で切れて見える場合があります。
途中のフレームで1秒止める
通常速度の動画を途中で止め、その後は元の速度で続ける例です。作業前にレイヤーを複製して比較できる状態にすると、停止以外の区間まで変化していないか確認しやすくなります。
- 停止させたいフレームへ移動し、タイムリマップのキーフレームを追加します。
- そのキーフレームと、それより後ろのキーフレームをまとめて1秒後ろへ移動します。
- 移動した停止用キーフレームをコピーし、元の停止開始位置へ貼り付けます。
- 停止開始と終了の2点が、同じ素材時間を指しているか確認します。
- まず線形補間で、停止区間と再開後の速度を確認します。
素材時間が同じ2点の間では、同じフレームを表示します。後ろのキーフレームも一緒にずらすことで、再開後の区間が意図せず短くなるのを避けます。補間方法の違いはAdobe公式のキーフレーム補間解説を参照できます。
イージーイーズを付ける前に一定速度で確認する
キーフレームにイージングを付けると、区間内の再生速度が変化します。速度変化をなめらかにしたい場面では便利ですが、まず線形補間で素材時間とコンポジション時間の対応を確認してから調整します。
グラフを編集した結果、素材時間が一瞬逆方向へ進むと、映像もその区間で逆再生になります。止めたつもりの部分が揺れるように見える場合は、値と補間を確認してください。
最後が黒くなる・1フレーム抜けるとき
レイヤーの終端と、素材の最後に見えるフレームは同じ時点とは限りません。最後のキーフレーム付近で映像が消える場合は、コマ送りして、実際に映像が残っているフレームを確認します。
停止用の値には、その表示できる素材時間を使います。元の終端キーが残っていると、停止キーから再び終端へ進んでしまうため、最後の数フレームのキー構成を確認してください。素材尺、フレームレート、レイヤーのアウトポイントも合わせて見直します。
スローでカクつくときは補間を比較する
素材を遅くすると、同じフレームが表示される時間が長くなります。フレームブレンドのFrame MixやPixel Motionを比較すると改善する場合がありますが、動きの境界や重なり部分に不自然な形が出ることもあります。
補間の有無を数秒だけ書き出して比べ、人物の輪郭や細い物が崩れていないか確認します。常にPixel Motionを選べば正解というわけではありません。元の撮影フレームレートや動きの速さに応じて判断します。
映像と音声を別々に確認する
映像のタイミングを変更すると、音の位置や聞こえ方も確認が必要です。口の動きと声を合わせる必要がある素材では、映像の見た目だけで完了と判断しないようにします。
最終確認は、変更開始の直前から終了後まで続けて再生します。速度の境目、一時停止の長さ、最後のフレーム、音声のつながりを順に確認すると、タイムリマップの調整漏れを見つけやすくなります。
