オーディオレベルの左右の値へ同じ減衰量を足し、レイヤーの前後で音量を下げます。
元の左右差やキーはvalueから引き継ぎます。
実機確認日:2026年10月14日。Windows 11 Pro(10.0.26200)・After Effects 26.5(Build 89)。
本文の式をAEで評価し、ステレオ音声を書き出して前後の減衰と左右差を確認しました。スピーカーでの試聴とUndoの動作は今回の確認に含みません。
練習用の音声と貼付先
自分で用意した短い音声を練習コンポへ読み込み、音声レイヤーを選択します。
IN点を2秒、OUT点を4秒、オーディオレベルを左−6dB・右−12dBにします。
レイヤーの「オーディオ」→「オーディオレベル」のストップウォッチをAlt(MacはOption)を押しながらクリックして、次の式を貼ります。
左右の値へ減衰を加える式
var mode = "both"; // "in"・"out"・"both"
var fadeSeconds = 1;
var floorDB = -48; // 完全な無音ではなく減衰量
var duration = outPoint - inPoint;
var gain = 0;
if (duration > 0 && isFinite(fadeSeconds) && fadeSeconds > 0 &&
isFinite(floorDB) && floorDB <= 0) {
var f = Math.min(fadeSeconds, duration / 2);
var up = linear(time, inPoint, inPoint + f, floorDB, 0);
var down = linear(time, outPoint - f, outPoint, 0, floorDB);
if (mode == "in") gain = up;
else if (mode == "out") gain = down;
else if (mode == "both") gain = Math.min(up, down);
}
[value[0] + gain, value[1] + gain];
modeは”both”で前後、”in”で前だけ、”out”で後だけです。
fadeSecondsは秒、floorDBは元の値に加える減衰量です。
オーディオレベルは左・右の2要素で単位はdBです。
この式の−48は48dBの減衰であり、完全な無音や音源の波形振幅を表す値ではありません。
| 入力・条件 | 期待する結果 | 確認点 |
|---|---|---|
| IN点2秒/both | 左−54・右−60dB | 元の値に−48dB |
| 3秒/both | 左−6・右−12dB | 減衰0dBで元の値 |
| OUT点4秒の式の境界 | 左−54・右−60dB | OUT点から先はレイヤーの再生対象外 |
| 尺0.5秒/fadeSeconds=1 | 前後を各0.25秒へ制限 | 短尺で分岐を飛び越えない |
| fadeSeconds=0または負 | 元の左右値 | フェードを加えない |
本文の式をAEで確認した結果
左右同じ440Hzのテスト音(48kHz・16bit・ステレオ)を使い、IN点2秒・OUT点4秒、元のオーディオレベルを左−6dB・右−12dBにして本文の式を適用しました。both、fadeSeconds=1、floorDB=−48の条件です。
2秒では左−54・右−60dB、2.5秒では左−30・右−36dB、3秒では左−6・右−12dB、3.5秒では左−30・右−36dBになりました。4秒の式の値は左−54・右−60dBですが、OUT点ちょうどは再生範囲外です。左右の6dB差を保ちながら前後が減衰しました。

AIFFとして書き出した音声も確認しました。2.5秒付近の20ms区間で入力音に対する実効振幅の減衰は左約−29.92・右約−35.94dBでした。3.5秒付近もほぼ同じ値で、3秒付近では左約−6.15・右約−12.15dBでした。これは区間平均の測定値なので、画面に出る瞬間の設定値とはわずかに異なります。
OUT点を2.5秒にして尺を0.5秒へ縮めると、中央の2.25秒で左−6・右−12dB、両端で左−54・右−60dBになりました。modeをinにすると終端、outにすると開始側で元の値を維持しました。fadeSeconds=0、および式を無効にした場合も左−6・右−12dBへ戻りました。
この検証は一定音の数値評価と書き出し確認です。会話・音楽の聞こえ方、クリック音の解消、既存キーフレームを含む素材は個別にプレビューしてください。floorDBは完全な無音を保証する値ではありません。
旧式で撮影した参考例
撮影した練習例です。
3秒のWAV「StereoTone17768.wav」(48.000 kHz、16 bit、ステレオ)を音声レイヤーにして、「オーディオレベル」へ式を入れました。
この画面の式は、本文の式とは違います。
「fade」は0.5秒までで、前後の減衰は−48dBまで、左右へ同じ値([db, db])を入れる、簡単な式でした。
最初は、0:00:00:05(25fpsで0.2秒)の画面です。
オーディオレベルは「−28.80dB」でした。

0:00:01:12では、オーディオレベルは「+0.00dB」でした。

0:00:02:20(2.8秒)では、「−28.80dB」でした。

開始の付近と終了の付近で値が下がり、中央では0dBになっていました。
短い音声・音切れの切り分け
前後のフェードはそれぞれレイヤーの尺の半分までに制限します。
前後を併用する場合は2つの減衰量の小さい方を使い、重なる区間で値が飛ばないようにします。
音が出ない場合は音声スイッチ、プレビューの音声設定、音声のある素材かを確認します。
元のキーで既に音量を下げている場合は、その値にも減衰が加わります。
クリック音が残る場合はフェードを長くし、元音声の切断位置と波形、書き出した音声を確認します。
プリコンポーズだけで直るとは限らず、この式だけでノイズの解消を保証しません。
次は、短い音声の例です。
タイムラインの目盛りは10fまでで、25fpsなら0.4秒です。
再生位置は0:00:00:05で、オーディオレベルは「+0.00dB」でした。

短い音声では、前後のフェードが重なりやすくなります。
本文の式も、前後のフェードを、それぞれ尺の半分までに制限します。
戻し方
適用前にコンポを複製し、左右の設定値と既存キーを控えます。
戻すときは式を無効にして元のオーディオレベルを使い、練習で変更した値も元へ戻します。
既存の参考画像
以下は既存記事の参考画像で、今回の修正版をAE実機で撮影したものではありません。

関連する操作
参照資料
Adobeのエクスプレッション言語資料を参照しています。
旧版の参考コード・関連記事
既存の参考コードは旧版の可能性があるため、今回の手順では本文の式を使います。




よくある質問:After Effectsで音声のフェードイン・フェードアウトを式で付けるとき
この式は、何をしますか?
オーディオレベルの左右の値へ同じ減衰量を足し、レイヤーの前後で音量を下げます(フェード)。元の左右差やキーはvalueから引き継ぎます。
式は、どこに貼りますか?
自分で用意した短い音声を練習コンポへ読み込み、音声レイヤーを選択します。レイヤーの「オーディオ」→「オーディオレベル」のストップウォッチをAlt(MacはOption)を押しながらクリックして、式を貼ります。記事の練習では、IN点を2秒、OUT点を4秒、オーディオレベルを左−6dB・右−12dBにします。
modeとfadeSeconds、floorDBは、何ですか?
modeは”both”で前後、”in”で前だけ、”out”で後だけです。fadeSecondsは秒、floorDBは元の値に加える減衰量です。オーディオレベルは左・右の2要素で単位はdBです。
floorDBの−48は、無音になりますか?
なりません。この式の−48は48dBの減衰であり、完全な無音や音源の波形振幅を表す値ではありません。
期待する値の例を教えてください。
記事の例では、IN点2秒(both)で左−54・右−60dB(元の値に−48dB)、3秒で左−6・右−12dB(減衰0dBで元の値)、OUT点4秒の式の境界で左−54・右−60dBです。OUT点から先は、レイヤーの再生対象外になります。
短い音声でも、使えますか?
前後のフェードは、それぞれレイヤーの尺の半分までに制限します。前後を併用する場合は2つの減衰量の小さい方を使い、重なる区間で値が飛ばないようにします。記事の例では、尺0.5秒でfadeSecondsを1にしても、前後を各0.25秒へ制限します。fadeSecondsが0または負なら、元の左右値のままでフェードを加えません。
音が出ないときや、クリック音が残るときは?
音が出ない場合は、音声スイッチ、プレビューの音声設定、音声のある素材かを確認します。元のキーで既に音量を下げている場合は、その値にも減衰が加わります。クリック音が残る場合は、フェードを長くし、元音声の切断位置と波形、書き出した音声を確認します。
元に戻すには、また、確認範囲は?
適用前にコンポを複製し、左右の設定値と既存キーを控えます。戻すときは、式を無効にして元のオーディオレベルを使い、練習で変更した値も元へ戻します。2026年10月14日にAE 26.5で本文式の評価、AIFF出力、短尺、式の無効化を確認しました。スピーカーでの試聴・Undo・既存キーフレーム付き素材は未検証です。
