After Effectsのロトブラシは、動画の中の人物などを、ブラシでなぞって切り抜く機能です。
Adobe公式ヘルプの手順と、精度を上げる操作をまとめました。
- 現行は「次世代ロトブラシ(ロトブラシ 3)」。エフェクトの「バージョン」で 3.0 を選ぶ
- ロトブラシツールはレイヤーパネルで使う。ショートカットは Alt+W(Macは Option+W)
- 被写体をなぞると緑の前景ストロークになり、スペースバーで後ろのフレームへ伝播する
- 崩れたら、崩れ始めたフレームで背景ストロークを足す
- 仕上がったら「フリーズ」で固定する
After Effectsの画面での再現は含まず、Adobe公式ヘルプ(日本語版)の記載(2026年9月30日に確認)に基づきます。
バージョンによって、画面や機能が変わることがあります。
短い映像で補正の方向とフリーズを確認する
自分の手など、背景と見分けやすい被写体を3秒ほど撮影した所有動画を用意します。
動画からコンポジションを作ってfpsを合わせ、別名保存します。
レイヤーをダブルクリックしてレイヤーパネルを開き、フル解像度で被写体が隠れていないフレームを選びます。
ロトブラシで被写体の内側をなぞり、前景・背景の境界を確認してから1フレームずつ先へ進めます。
最初に境界が崩れるフレームで、はみ出した背景をAlt/Optionを押しながらなぞって補正します。
スパンの矢印が右向きなら補正は先のフレームへ、左向きなら手前のフレームへ伝わります。
ベースフレームの両側を確認し、補正前のフレームまで一律に変わると判断しないようにします。
コンポジションへ戻って明るい背景・暗い背景の上で再生し、指先の欠け、背景の残り、輪郭のちらつきを確認します。
確認した対象スパンをフリーズし、再度選択範囲を直す場合は同じボタンで解除してから補正・再伝播します。
フリーズ中でもマットの仕上げ調整は別に扱えるため、伝播の固定とすべての設定の固定を混同しません。
作業後は元コピーを開き、練習ZIPのverification-log.csvへ使用版と確認フレームを記録します。
2026年10月3日にAdobeの仕様を照合しましたが、この練習の切り抜き精度・処理時間はAE実機未検証です。
| 確認すること | 期待する結果 | 違ったとき |
|---|---|---|
| 描けない | レイヤーパネルで前景ストロークを描ける | パネル・ツール・フリーズ状態を確認 |
| 途中で崩れる | 指先と背景を区別できる | 最初に崩れたフレームで補正 |
| 補正が反映しない | 矢印方向へ再伝播する | フリーズ解除と対象スパンを確認 |
バージョンの違い
| 名前 | エフェクトのバージョン | 公式の説明 |
|---|---|---|
| ロトブラシ 1 | 1.0 | 古いプロジェクトを開くと、自動でこれになる(v17.1.4以前) |
| ロトブラシ 2 | 2.0 | Adobe Sensei を搭載 |
| 次世代ロトブラシ(ロトブラシ 3) | 3.0 | 新しいAIモデル。重なる手足や髪、透明な部分に強いと説明されている |
公式は、次世代ロトブラシが、既定のロトスコーピングのオプションになると書いています。
ヘルプには、最新のベータ版で、ツールバーのロトブラシが「オブジェクトマットツール」に置き換わるという注記もあります。
お使いの版によって、ツールバーの表示が変わる可能性があります。
基本の手順
- ツールバーで「ロトブラシツール」を選ぶ
- コンポジションパネルで、切り抜くレイヤーをダブルクリックして、レイヤーパネルを開く
- 被写体が他のものに隠れていないフレームを選ぶ
- エフェクトコントロールの「ロトブラシとエッジを調整」で、バージョンが 3.0 か確認する
- 被写体の上をなぞる。緑のストロークが引かれ、選択範囲がマゼンタで表示される
- はみ出した所は、Alt(Macは Option)を押しながらなぞって削除する
- 1フレームずつ進めて選択範囲を伝播させ、崩れた最初のフレームで補正する
- 仕上がったら、レイヤーパネルの下にある「フリーズ」を押して固定する
ロトブラシは、レイヤーパネルでしか使えません。
コンポジションパネルでは、なぞれないので、注意してください。
精度を上げる操作
- ブラシの太さは、Ctrl(Macは Command)を押しながら左右にドラッグして変える。「硬さ」はロトブラシには影響しない
- 最初のストロークの前に、太さを決めておくのがよいとされている。最初は太く、細かい所は細く
- 輪郭をなぞらず、腕なら中心の骨に沿って描く。エッジを越えて描かない
- 崩れ始めた最初のフレームで、背景ストロークか、新しい前景ストロークを足す
- 髪などの細かいエッジは、「エッジを調整ツール」を使う。ロトブラシツールを選んだまま Alt+W で切り替わる
エフェクトコントロールの「ロトブラシマット」にある「エッジのガタつきを軽減」も、公式が改善に挙げている項目です。
髪のような柔らかいエッジには、「エッジマットを調整」の「モーションブラーを使用」と「エッジカラーを除去」が挙げられています。
スパンを理解する
最初にストロークを描いたフレームが「ベースフレーム」で、その影響が及ぶ範囲が「ロトブラシスパン」です。
スパンの外で描くと、新しいベースフレームとスパンができます。
補正のストロークは、スパン内の矢印が示す方向へ伝播します。
スパンの長さは、端をドラッグして変えられます。
作業のコツ
- 解像度は、フルで作業する。適応解像度などの高速プレビューは向かない
- コンポジションのフレームレートを、素材に合わせる。合っていないと警告が出る
- 表示は、アルファ(Alt+4)、アルファ境界線(Alt+5)、アルファオーバーレイ(Alt+6)で切り替えて確認する
ロトブラシ以外で作ったマットにも、「マットを調整」エフェクトが使えます。
実際の切り抜きの精度や、処理にかかる時間は、この記事では試していません。
まとめ
- 現行はバージョン 3.0 の次世代ロトブラシ
- レイヤーパネルで被写体をなぞり、フレームを進めて伝播と補正を確認する
- 崩れたフレームで、ストロークを足して直す
- 仕上げは「フリーズ」で固定する
参考:Adobe ヘルプ「ロトブラシとエッジを調整」(2026年9月30日確認)。
