After Effectsのプロジェクトを整理するときは、フォルダを分けたいのか、重複・未使用素材を減らしたいのか、納品用に素材を集めたいのかを先に決めます。
以前紹介したProject CleanerとTidy Upは配布元で提供終了と表示されているため、現在の導入候補としてではなく旧ツールの記録として掲載しています。
目的に合わせて整理方法を選ぶ
| 目的 | 使う方法 | 確認すること |
|---|---|---|
| 素材を探しやすくする | フォルダ分類・素材の移動 | 分類と削除を分けて考える |
| 二重に読み込んだ素材を減らす | すべてのフッテージを統合 | フッテージの変換設定が同じか |
| 使わない素材を除く | 未使用のフッテージを削除 | 未使用コンポまで削除したいか |
| 特定のコンポだけ残す | プロジェクトの整理 | 別コンポを式で参照していないか |
| 素材をまとめて引き渡す | ファイルを収集 | 収集後のコピーで再度開けるか |
作業前に別名の.aepを保存し、整理後の状態を元のプロジェクトへ上書きしないようにします。
標準機能で重複・未使用素材を整理する
以下はAdobe公式ヘルプの整理機能に基づく手順です。
重複素材は「すべてのフッテージを統合」
「ファイル」→「依存関係」→「すべてのフッテージを統合」を選びます。
同じフッテージの変換設定を持つ重複アイテムが統合され、レイヤーの参照先が残ったアイテムへ更新されます。
名前が似ていることだけで同じ素材と判断せず、整理前後で素材の参照先と表示が変わっていないかを確認します。
未使用素材は「未使用のフッテージを削除」
「ファイル」→「依存関係」→「未使用のフッテージを削除」で、プロジェクト内の未使用フッテージを除きます。
不要なコンポジションまで一括で残す・削除する判断は、次の「プロジェクトの整理」と分けて行います。
必要なコンポだけ残す「プロジェクトの整理」
プロジェクトパネルで残すコンポジションを選び、同パネルをアクティブにして「ファイル」→「依存関係」→「プロジェクトの整理」を選びます。
選択したコンポとその内部にネストされたコンポが対象として残りますが、映像・音声スイッチを切ったレイヤーの素材も保持されます。
別コンポをエクスプレッションだけで参照する構成では、参照先が削除され、式が正常に評価できなくなる場合があります。
この構成では一括整理を保留し、残す必要のある依存先を調べます。Adobe公式では、式で参照しているコンポを参照元へレイヤーとして追加し、その映像・音声スイッチをオフにして残す方法を案内しています。下の練習例では映像スイッチをオフにした依存コンポを追加して比較しました。
整理後は最終コンポを開き、式のエラー、素材の欠落、主要フレームの表示と音声を整理前と比べます。
問題があれば直後の「編集」→「取り消し」で戻し、履歴が残っていなければ別名保存した整理前のプロジェクトを開き直します。
ここからは、練習用プロジェクトで「未使用のフッテージ」を整理した画面です。
整理前のプロジェクトパネルには、コンポジション「Cleanup17785」、「Unused17785.psd」、「Used17785.psd」の3つが並んでいました。
タイムラインのレイヤーは、「Used17785.psd」の1枚だけでした。

「ファイル」メニューの「依存関係」を開くと、「ファイルを収集」「すべてのフッテージを統合」「未使用のフッテージを削除」「プロジェクトの整理」の4つが表示されました。
その下には、「見つからないエフェクトを検索」「見つからないフォントを検索」「見つからないフッテージを検索」も並んでいました。

未使用のフッテージを削除したあとは、「Unused17785.psd」がなくなり、「Cleanup17785」と「Used17785.psd」が残りました。
コンポジションの表示は、削除前と同じオレンジ色の画面でした。

使っている素材が残っているかを、整理の前後で比べてください。
実機比較:式だけの参照先を整理すると表示が変わる
2026年10月15日、Windows 11 Pro(10.0.26200)・After Effects 26.5(Build 89)で追加検証しました。640×360・30fps・2秒のFinalコンポにNestedコンポを配置し、Nestedには同じ自作PNGを二重に読み込んだ素材と、映像スイッチをオフにした緑のPNGを置きました。さらに未使用PNG・未使用コンポと、式だけで参照するExpressionOnlyコンポを用意しました。
Final内のNestedレイヤーの不透明度を、ExpressionOnly内のスライダーの値50で制御しました。整理前は不透明度50%です。Finalだけを選んで標準の「プロジェクトの整理」コマンドを実行すると、5項目が削除された通知が表示されました。
| 操作・確認箇所 | 確認した結果 |
|---|---|
| Finalだけを残して整理 | Nestedと非表示の緑PNGは残り、未使用素材・未使用コンポ・ExpressionOnlyなど5項目が削除された。 |
| 式と描画 | 式の文字列は残ったが参照先欠落エラーとなり、不透明度が50%から100%へ変化した。 |
| 直後にCtrl+Z | 10項目へ戻り、式のエラーが消え、不透明度50%と整理前の0秒PNGを復元できた。 |
| 依存コンポをレイヤーとして追加 | 整理前コピーを開き直し、ExpressionOnlyをFinalへ追加して映像をオフにすると、整理後も不透明度50%・式エラーなし。0秒PNGは整理前と全画素一致した。 |

今回のAE26.5では、参照元の式そのものは消えず、参照先コンポがなくなったことでエラーになりました。式の文字列が残っていることだけで成功と判断せず、値と描画も比較してください。

練習データの作成・値の取得・PNG書き出しにはAEスクリプトを使用しました。整理は標準コマンドとreduceProject、依存先を追加した比較はreduceProjectで実行しています。比較したのは0秒の静止画で、音声・全フレーム・複雑な式の依存関係までは検証していません。
統合の追加確認:同じPNGを二重に読み込み、プロジェクト項目名をDuplicateAとDuplicateBにした例では、consolidateFootageによる統合は0件でした。整理前コピーで両方をSameNamePNGに揃えると1件が統合されました。これは今回のPNGの結果で、同名なら別ファイルも統合できるという意味ではありません。名前を参照する式がある場合は、統合のために機械的に改名せず、参照関係を先に確認します。
納品・移動は「ファイルを収集」で別コピーを作る
「ファイル」→「依存関係」→「ファイルを収集」を開き、渡す範囲に合わせてソースファイルの収集対象を選びます。
Adobe公式では、新しいプロジェクトのコピー、フッテージや指定されたプロキシのコピー、必要なエフェクト・フォントなどのレポートが作成されると説明しています。
「なし(プロジェクトのみ)」では素材を収集しないため、素材を含めて渡したい場合に選ばないようにします。
収集後に元のプロジェクトを編集しても収集済みコピーへは反映されないため、渡す版を確定してから収集します。
収集先の.aepを開いて素材の欠落と出力先を確認し、受け渡し先でも必要なエフェクト・フォントを使えるか確認します。
収集コマンドの対象とオプションは、Adobe:1か所でファイルを収集するで確認できます。
以前紹介した整理スクリプトの現在の配布状況
Project Cleaner:配布終了
2026年10月3日のProject Cleanerの配布元ページには、提供終了・入手不可の表示があります。
旧製品の説明では、重複・未使用の平面やフッテージ、空のコンポジションとフォルダの整理を扱っていました。
旧記事の「ヌルや調整レイヤーなどを同じ設定で統合できる」という範囲は配布元の説明だけでは確認できないため、今回の紹介から外しています。
互換表は旧CC~CS3の記載であり、現在のAE2026で使えることを示すものではありません。
Tidy Up:配布終了
2026年10月3日のTidy Upの配布元ページにも、提供終了・入手不可の表示があります。
旧製品はアイテムの種類ごとのフォルダ分類や、選択アイテムを含める・除外する整理などに対応していました。
旧製品の機能説明を現在のダウンロード案内として使わず、既存プロジェクトの運用履歴を調べるための参考情報として残します。
322_AddNameItemSize:旧版と作者の後続ツールを区別する
322_AddNameItemSizeは、平面などのアイテム名へ寸法を追記する旧スクリプトとして作者の2015年の記事で紹介されています。
名前へ寸法を足す処理は、同じ素材を統合したり不要コンポを削除したりする処理とは目的が異なります。
作者は同記事から後続の322_OrganizeSolidsを案内しており、こちらには2024年6月23日の式の参照に関する修正記録があります。
ただし、本記事では両ツールの現在の配布ファイルの実行や、AE2026での互換性は確認していません。
利用する場合は作者ページで配布物・説明・更新履歴を確認し、名前を参照する式があるデータも含めてコピー上で試します。
旧記事の参考資料
プロジェクトの構造を調べる参考として、コンポジゴクの2014年の記事を残しています。
AEエンジョイ勢の2016年の記事は、コンポをまたぐ式の参照と整理に関する当時の事例であり、今回の現行版実機結果ではありません。
旧記事にあったgooブログの参考先は今回接続できなかったため、履歴としてURLを記録しています。
http://blog.goo.ne.jp/3rdeyestudios/e/9288eaa52a075f090cbf0346b26eb6c0
フォルダ分類だけを自動化したい場合
素材を減らす必要がなければ、まず保存済みコピーでフォルダ分類だけを行い、統合・削除は必要になってから判断します。
ソース素材をフォルダへ移す自作JSXの説明と練習用データは、下の関連記事に掲載しています。
以下の素材移動スクリプトの記事にはAE26.5日本語版の平面・プリコンポなどによる検証結果がありますが、その結果を今回紹介した旧製品の互換性確認へ置き換えることはできません。
After Effectsの基本的な操作や効率化のテクニックは、まとめ記事で確認できます。

プロジェクト内の素材やフォルダを整理するスクリプトは、ほかにも紹介しています。




標準整理機能の追加検証日:2026年10月15日。旧ツールの配布状況は各項目に記した調査日時点の記録です。
「未使用のフッテージを削除」は2026年10月13日の実画面、統合・プロジェクト整理は10月15日の上記条件で確認しました。「ファイルを収集」と旧製品の動作は今回の実機検証に含めていません。
