Mayaのシーンファイルだけを別のPCへ渡すと、開いた先でテクスチャや参照が見つからなくなる。
シーンファイルは、素材そのものではなく素材の場所を記録しているためである。
ここでは、何を一緒に渡すのか、まとめて渡す方法、渡した先で繋ぎ直す方法を整理する。
内容は2026年9月20日にAutodeskの公開ヘルプを確認したもので、実機での再現は含まない。
プロジェクトという単位で考える
Mayaは、シーンと素材をまとめた入れ物としてプロジェクトという単位を持っている。
公式ヘルプでは、プロジェクトを設定するとサブフォルダーが自動で作られると説明されている。
| フォルダー | 入るもの |
|---|---|
| scenes | ロードされ、保存されたファイル |
| sourceimages | テクスチャ |
| movies | プレイブラスト |
| image | レンダーされたイメージ |
プロジェクトを設定するには、ファイル > プロジェクトの設定から保存先を指定する。
このとき、workspace.melというファイルもプロジェクトに追加される。
公式ヘルプによれば、このファイルがファイルパスのルールを定義している。
相対パスで解決されている
公式ヘルプには、プロジェクトは相対パスを使ってファイルを見つけると書かれている。
テクスチャを読み込むとき、Mayaはまずプロジェクトのsourceimagesフォルダーを探す。
そのため、同じフォルダー構成を持つ別のプロジェクトへ移しても、素材を見つけられる。
逆に、プロジェクトの外から読み込んだ素材は、そのPC固有の場所として記録される。
| 素材の置き場所 | 記録のされ方 | 別PCで開いたとき |
|---|---|---|
| プロジェクトのsourceimages | プロジェクトからの相対 | 同じ構成なら見つかる |
| デスクトップや別ドライブ | そのPCの場所 | 見つからない |
| 共有サーバー | そのPCから見た場所 | 同じ繋ぎ方なら見つかる |
つまり、別PCで切れるかどうかは、素材をプロジェクトの中に置いていたかで決まる。
移す方法は2つある
| 方法 | 渡すもの | 向いている場面 |
|---|---|---|
| プロジェクトのフォルダーごとコピーする | フォルダー一式 | 自分の別PCへ移す |
| シーンのアーカイブでZipにする | 1つのZip | 他人へ渡す、1シーンだけ渡す |
自分の環境をそのまま持っていくなら、フォルダーごとコピーするほうが早い。
1つのシーンだけを渡すなら、そのシーンが使っているものだけをまとめられる。
シーンのアーカイブでまとめる
公式ヘルプでは、現在のシーンに関係するファイルをZipにまとめる機能として説明されている。
- シーンを保存する
- ファイル > シーンのアーカイブ を選ぶ
- ファイルと従属がZipにまとめられ、現在のフォルダーに置かれる
Zipに入るものは公式ヘルプに一覧で挙げられている。
- ロードされた、およびアンロードされたファイルリファレンス
- ファイルテクスチャ
- イメージプレーン
- オーディオファイル
- レンダーレイヤのプリコンポジションテンプレート
- ディスクキャッシュ
- nCache
- アセット関連ファイル(ハイパーグラフのバックグラウンドイメージ、アイコン、テンプレート)
保存する前に実行すると、保存していない変更はZipに入らない。
手順の1番目が保存になっているのは、このためである。
読み込んでいないリファレンスを含める
作業中にアンロードしたリファレンスがある場合、関連するファイルの扱いを選べる。
公式ヘルプでは、シーンのアーカイブオプションで「ロードされていないリファレンスの外部ファイルを含める」をオンにすると説明されている。
渡した先でそのリファレンスを読み込む予定があるなら、オンにしておく。
移した先で切れていたら
開いたときに素材が当たっていない場合は、記録されている場所を繋ぎ直す。
公式ヘルプには、ファイルが別のフォルダーに移動されると未解決となり、無効になった元のパスで探そうとすると書かれている。
この一覧を見るには、ウィンドウ > 一般エディタ > ファイルパスエディタ を選ぶ。
ここに、シーンに含まれるリファレンス、テクスチャ、オーディオノード、イメージプレーンのパスが並ぶ。
繋ぎ直す手順
- ファイルパスエディタを開く
- 切れているパスを選び、ファイルの再パス設定をクリックする
- サブディレクトリを検索するオプションを見て、必要なら有効にする
- 参照をクリックして、素材のある場所へ移動する
- ファイルを指定して、再パス設定をクリックする
サブディレクトリを検索する設定を入れておくと、フォルダーの中を辿って見つけてくれる。
1つずつ直すのではなく、同じ場所に集めてからまとめて指定するほうが早い。
渡す前に確かめること
- 素材がプロジェクトのフォルダーの中にあるかを見る
- 外から読み込んだものがあれば、sourceimagesへ移して読み直す
- シーンを保存する
- シーンのアーカイブでZipにする
- 別の場所へZipを展開して、そこから開いてみる
最後の手順を飛ばすと、切れていることに気づくのは渡した相手になる。
同じPCでも、別の場所へ展開して開けば、相対パスで解決できているかを確かめられる。
まとめ
- Mayaのシーンは素材の場所を記録しているだけで、素材そのものを持っていない
- プロジェクトを設定すると、scenesやsourceimagesなどのフォルダーが作られる
- プロジェクトは相対パスで素材を探すため、同じ構成なら別の場所でも見つかる
- 1シーンを渡すなら、ファイル > シーンのアーカイブでZipにまとめる
- 切れていたら、ファイルパスエディタの再パス設定で繋ぎ直す
- 渡す前に、別の場所へ展開して開いて確かめる
この記事は2026年9月20日時点の公開ヘルプの記載に基づいている。
プロジェクトの設定はAutodesk公式のMayaでプロジェクトを設定するにある。
アーカイブの仕様はシーンのアーカイブにまとまっている。
繋ぎ直しはファイルパスエディタのページに載っている。
3DCGの操作は3DCGメソッドのまとめにも置いている。
