イラスト制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)」には、PC版だけでなくiPad版も提供されています。
iPad版を活用すれば、外出先など場所を選ばずに本格的な作画環境を整えられます。
iPad版クリスタの特徴やメリット・デメリット、必要な動作環境を解説します。
場所を選ばず、寝転んで絵を書くこともできるので、iPad+クリスタを使いこなすと最強です。
そもそもクリスタとは
CLIP STUDIO PAINT(通称クリスタ)は、多くのクリエイターに利用されている定番ペイントソフトです。
2012年にPC版が登場し、2017年11月にはiPad版がリリースされました。
製品グレードは「DEBUT」「PRO」「EX」の3種類が用意されています。
- DEBUT:pixivプレミアム会員などに提供されるエントリー版
- PRO:イラスト制作に必要な標準機能を網羅した標準版
- EX:複数ページのマンガ制作やアニメーション機能に対応した上位版
DEBUTは特典などでの提供が中心で、アプリ単体での一般販売は行われていません。
個別に契約して利用する場合はPROかEXを選択します。
EXはより高度な機能を備えるぶん、利用料金が高くなります。

iPad版クリスタのメリット
操作画面の構成はPC版とほぼ同等です。
PC版クリスタ

iPad版クリスタ

UIの配置がPC版と共通しているため、PC版での作業に慣れている方でもスムーズに移行できます。
ツールパレットやショートカットなどのワークスペースも、自分の描き方に合わせてカスタマイズ可能です。
クラウドや連携でPCとデータ共有できる
クラウドを介した作品データの同期に対応しているほか、iPadをPCのサブディスプレイ・液タブのように連携させて描画することも可能です。
※PCと連携させて液タブ化する場合は、PC側でもソフトや連携設定が必要です。

場所を選ばずどこでも描ける
据え置きの液晶タブレットはPCとの接続が必須ですが、iPadであれば本体とペンだけでどこへでも持ち運んで作業できます。
端末の向きを変えるだけで縦向き・横向きの表示を瞬時に切り替えられる点も扱いやすいポイントです。
年額払い(年額利用プラン)がお得
料金プランは月額払いと年額払いから選択でき、年額払いを選ぶと月額換算で割安になります。
- PRO:月額480円に対し、年額払いなら月額換算約233円
- EX:月額980円に対し、年額払いなら月額換算約650円
1年を通して継続利用することが決まっている場合は、年額プランを選択するとコストを大幅に抑えられます。
iPad版クリスタのデメリット
導入前に把握しておきたいデメリットや注意点を解説します。
iPad版には買い切り(一括払い)プランがない

iPad版は月額または年額のサブスクリプション契約のみとなっており、永続ライセンスの買い切り型は用意されていません。
利用を続ける限り継続的な費用が発生します。
参考としてPC向けの一括払い(無期限版)はPROが5,000円、EXが23,000円です。
- PRO月額480円の場合:約11ヶ月で5,000円相当
- EX月額980円の場合:約24ヶ月で23,000円相当
短期間だけ集中して使う場合は月額プランが手軽ですが、長期間利用する場合は総支払額の差を考慮する必要があります。
OSや環境による機能制限がある
iPad版では、PC版で利用可能な一部の連携機能に対応していません。
制限される機能の主な例は以下のとおりです。
- TWAIN規格等のスキャナからの直接画像取り込み
- OS標準以外の専用プリンタドライバ連携印刷
- 特定印刷プラグインや連携サービス
紙原稿のスキャンや特殊な印刷連携を主用途とする場合は事前の確認が必要です。
スタイラスペンとペンタブレットの筆圧・描き味の違い
一般的なイラスト制作においてApple Pencilの筆圧追従性は実用上十分ですが、専用ペンタブレットとは仕様や描き味が異なります。
専用ペンタブレット(PC環境)の特徴

Apple Pencil(iPad環境)の特徴

PC向けのペンタブレットは筆圧感知が2048〜8192段階のものが多いのに対し、Apple Pencilは1024程度とされています。
極めて細い抜きや繊細な筆圧表現に強くこだわる場合は、描き味の差を事前に確認しておくことをおすすめします。
大型液晶タブレットと比べると作業領域が限られる
PC用の大型ディスプレイや大画面液タブと比べると、iPadは画面サイズがコンパクトなため描画領域が狭く感じられることがあります。
パレット類の表示によってキャンバスが狭くなる場合は、パレットの収納やピンチ操作による拡大・縮小をこまめに行う工夫が必要です。
画面タッチによる誤操作
描画中に画面へ触れた手のひらをタッチ操作として誤認識してしまう場合があります。
タッチジェスチャーの設定を見直すか、2本指グローブ(誤動作防止手袋)を併用すると快適に作業できます。
iPad版クリスタの推奨環境と利用料金
導入に必要な端末スペックと利用プランの料金体系を確認しましょう。
対応OS
- iPadOS 13
- iPadOS 14
本体・メモリ仕様
- 2GB以上のメモリ(4GB以上推奨)
- 10.5インチ以上のディスプレイサイズ推奨
対応ペン
- Apple Pencil
- Wacom Bamboo Sketch(iPad用)
- Wacom Bamboo Fineline 3(iPad用)
料金プラン比較
CLIP STUDIO PAINTの主な料金プラン一覧です。
| ソフト名 | プラン名 | 価格(月額) | 価格(年額) |
|---|---|---|---|
| CLIP STUDIO PAINT PRO | 1デバイスプラン | 480円 | 2,800円(234円/月) |
| 2デバイスプラン | 800円 | 4,800円(400円/月) | |
| プレミアムプラン | 980円 | 5,900円(492円/月) |
| ソフト名 | プラン名 | 価格(月額) | 価格(年額) |
|---|---|---|---|
| CLIP STUDIO PAINT EX | 1デバイスプラン | 980円 | 7,800円(650円/月) |
| 2デバイスプラン | 1,380円 | 10,800円(900円/月) | |
| プレミアムプラン | 1,600円 | 12,800円(1067円/月) |
イラストのお仕事で使うのであれば、最大年間1.28万円なので、そこまで高くないと思います。
無料体験期間
初回申込み時は最大3ヶ月間の無料体験が利用可能です。
おすすめの周辺機器
iPadで本格的に作画を行うには、専用スタイラスペンの用意が必須となります。
Apple Pencil
iPadでのイラスト制作において、追従性や視差の少なさの観点から最もおすすめできるスタイラスペンです。
使用するiPadのモデルによって対応するApple Pencilの世代(第1世代・第2世代など)が異なるため、必ず互換性を確認してください。
MEKOスタイラスタッチペン
導入コストを抑えたい方向けの汎用スタイラスペンです。
導電繊維タイプと透明ディスクタイプの2種類のペン先を用途に合わせて使い分けられます。
ペン先が摩耗した際に交換用の替え芯を別途購入できるのも利点です。
買い切り版クリスタを持ち歩く別の選択肢
iPad版のサブスクリプション契約を避けたい場合は、Windows搭載タブレットPCの導入も選択肢に入ります。
Windows向けの一括払い(無期限版)クリスタを導入すれば、毎月のソフトウェア維持費を抑えられます。
タブレットPCで持ち運んで運用した場合の構成やコスト面を比較します。
WindowsタブレットPCを選択する場合
Windowsを搭載したタブレットPCであれば、PC向け買い切り版(無期限ライセンス)のクリスタをインストールして運用できます。
持ち運び用の機器を選ぶ際は、使用するOSとCLIP STUDIO PAINTの対応プランも確認してください。
端末本体を含めた費用感の目安は以下のとおりです。
- iPad構成:年額2,800円(PRO 1デバイス)+ iPad本体代
- iPad本体(目安):約120,000円
端末代と長期利用時のソフト費用を合算して比較します。
- 高性能タブレットPC本体(目安):約229,900円
そのため、初期導入費用を抑えて手軽に始めるならiPad環境が有利といえます。
タブレットPCは初期費用が高くなりやすい反面、出先でも完全なPC版OS環境や既存のPC用制作フローをそのまま使いたいクリエイターに適しています。
手軽に持ち歩くならiPhone版の活用も選択肢
外出先でネームや簡単なラフを確認・作成したい場合は、iPhone版クリスタを併用する方法もあります。
iPhone版は1日1時間まで無料で全機能を利用できます。
1時間を超えて利用する場合も、スマートフォン向けプラン(PRO月額100円・EX月額300円)が安価に用意されています。
スマートフォン画面での作業領域が手狭に感じる場合は、外部モバイルディスプレイへの出力機能を組み合わせる運用も検討できます。
イラストを描く環境の記事は、ほかにもあります。




まとめ:iPad+クリスタで快適なモバイル作画環境を構築しよう
本記事では、iPadとCLIP STUDIO PAINTを組み合わせたイラスト制作環境の構築手順や特徴をまとめました。
改めて主なメリットと注意点を整理します。
iPad版クリスタの主なメリット
- PC版とほぼ同等の豊富な作画機能
- クラウドを介したPC版とのシームレスな作品データ共有
- エッジキーボードやジェスチャーによる快適な操作性
- PCと連携させて液タブ感覚で描画できる柔軟性
- 本体とペンだけで場所を選ばずどこでも作画可能
- 年額利用プランによる手頃な維持コスト
iPad版クリスタの注意点・デメリット
- 買い切りプランがなくサブスクリプション契約のみ
- スキャナ直接接続など一部のPC向け機能が非対応
- 専用ペンタブレットとは筆圧追従性や描き味の特性が異なる
- 大画面液晶タブレットに比べるとキャンバス表示領域が限られる
- 手や指の接触による意図しないタッチ誤動作への対策が必要
iPad版クリスタは買い切りプランがないものの、PC版と同等の本格的な描画機能を場所を選ばずに扱える大きな強みがあります。
初回申込み時は最大3ヶ月間の無料体験が利用できるため、実際の描き心地や操作感を試してみるのがおすすめです。
やっぱりPC+買い切り版クリスタを検討される方は、下記の記事も参考にしてください。

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iPad用ペンの互換性と選び方
iPadで描画するペンを購入・交換する場合は、機種の世代と筆圧の必要性を先に確認します。
運営メディア「デザノマ」のiPad用ペンの互換性と選び方で確認できます。

