VTuberの配信用PCは、一般的なゲーミングPCの基準だけで選ぶと動作の不安定さにつながりやすいです。
配信中のPCは、ゲームやモデルの描画と同時に、映像のエンコード処理を並行して行うためです。
まず配信するゲーム・モデル・解像度・fpsを決め、同時に動かすソフトの条件を確認します。この記事は2026年10月24日に公式情報を照合した選定ガイドで、掲載PCの配信実測ではありません。
対応するハードウェアエンコーダーは、CPU負荷を抑える有力な選択肢です。
OBS公式はNVENCに加えてAMD AMF、Intel QSV、Apple VideoToolboxも案内しています。対応機器・OS・配信先のコーデック条件で選び、NVIDIAだけを必須条件にはしません。
配信時にPCへかかる二重の負荷
配信中のPCは、主に次の2つの処理を同時に行っています。
- 動かす:ゲーム、Live2Dモデル、3Dモデルの描画
- 圧縮する:配信用に映像をリアルタイムでエンコード
ゲーム単体でも描画以外にCPU処理やメモリ使用があります。配信時にはOBSの画面合成・音声処理・エンコード・送信なども加わります。「二重」は説明上の分類で、負荷が必ず2倍になる意味ではありません。
このエンコード処理をどこに割り振るかが、配信用PC選びの重要な分岐点です。
エンコード方式と描画処理の負荷を分ける
OBS Studioなどの配信ソフトでは、映像エンコードを行うハードウェア方式を選択できます。
設定によって、CPUで圧縮するか、GPUの専用回路で圧縮するかの処理経路が分かれます。
| 方式 | 処理する場所 | 配信中の影響 |
|---|---|---|
| NVENC | NVIDIA GPUの専用回路 | エンコードに必要なCPU負荷を抑えやすい |
| x264 | CPU | 負荷は解像度・fps・プリセットに依存 |
x264を選ぶと、ゲームやモデルの計算とエンコード処理がCPUのリソースを取り合います。
その結果、ゲーム側のフレームレート低下や、配信映像のカクつき・音ズレが発生しやすくなります。
NVENCを選んでもOBSの画面合成やフィルターにはGPU資源を使います。CPU負荷もゼロにはなりません。ゲーム側でGPUを使い切ると配信映像が遅れる場合があります。
1台でゲームと配信を行う場合は、対応ハードウェアエンコーダーから試すとCPU負荷を抑えやすくなります。
x264は2台構成専用ではありません。CPUに余裕がある場合は1台でも候補になります。同じ出力条件で画質と処理落ちを比較してください。
これから配信を始める段階では、配線や設定が複雑になる2PC構成を無理に選ぶ必要はありません。
NVIDIA製GPUが有力な選択肢になる理由
NVENCはNVIDIA製GPUに搭載されている専用のハードウェアエンコーダー機能です。
配信の安定性を優先する場合は、GeForce搭載という名称だけで判断せず、GPU型番・対応エンコーダー・ドライバーを確認することが必要です。
着目すべきなのはNVENC対応エンコーダーを搭載していることであり、純粋な3D描画性能の高さだけではありません。
配信のエンコード目的だけであれば、必ずしも最上位クラスのGPUを選ぶ必要はありません。
Live2D・3D・ゲームを組み合わせて見積もる
モデルの複雑さ、テクスチャ、物理演算、背景、同時に動かすゲームで負荷が変わります。以下は選定時の確認表で、実測した最低・推奨スペックではありません。
| Live2D配信 | 3D配信 | |
|---|---|---|
| モデルの描画負荷 | モデル・物理演算・表示数による | モデル・シェーダー・背景による |
| GPUの選び方 | アプリとゲームの要求条件を確認 | 描画負荷とVRAM使用量を確認 |
| VRAM | 8GBで足りるとは一律に断定できない | モデル・ゲームの実使用量で判断 |
| メモリ | 同時起動時の使用量を確認 | 32GB等も候補だが動作保証ではない |
軽いモデルで雑談する場合と、高負荷ゲームを同時に動かす場合を分けて検討します。
Live2Dでも大きいテクスチャや複雑なモデル、エフェクトを使うと負荷が増えます。2Dか3Dかだけでは必要性能を決められません。
一方の3Dモデルは、トラッキングに合わせてリアルタイムで3Dグラフィックスを描画し続けます。
ビデオメモリ(VRAM)が不足するとテクスチャやポリゴンの展開が追いつかず、トラッキングの遅延やフレーム落ちにつながります。
ゲームの要求条件と同時起動時の余裕を確認する
見落としやすいポイントとして、ゲームの推奨動作環境は単体利用の目安で、OBSとモデルも動かしたときの余裕を確認する必要があります。
雑談でもモデルや背景によって負荷は変わるため、ゲームの有無だけで動作する構成を断定できません。
「アバター描画の負荷 + ゲーム本体の負荷 + エンコードの負荷」を同時に確認します。CPUやGPUの型番を足し算するものではありません。OBSの負荷対策ではゲームのfps制限、画質・出力解像度の調整、シーンの簡素化が案内されています。
負荷が高い場合は、ゲームのfps上限や画質を1項目ずつ下げ、同じ場面を録画して変化を比べます。
OBS側の調整は「設定」→「映像」で出力解像度やfpsを下げる方法があり、60fpsで処理が追いつかなければ30fpsも試します。
OBS公式の概要ガイドでは、出力解像度の変更と基本キャンバスの変更を区別しています。
基本キャンバスを変えるとソースの配置や大きさの調整が必要になるため、両方の解像度を一度に変更しないでください。
搭載メモリ容量の目安
| メモリ | 検討する用途 | 注意点 |
|---|---|---|
| 16GB | Live2D配信、軽いゲーム | 同時起動で不足しないか確認 |
| 32GB | 3D配信、重いゲームの配信 | 余裕を持たせる候補。必須ではない |
| 64GB | 大規模編集等で使用量が多い場合 | 編集するだけで64GB必須ではない |
配信時はブラウザ、OBS Studio、コメント表示ツール、トラッキングソフトなどを同時に起動します。
16GBで足りるかは同時起動するソフト次第です。タスクマネージャーなどで使用量を測り、容量不足とCPU/GPUの処理不足を区別します。
予算が許せば初期構成から32GBを選択しておくと、後から増設する手間を防げます。
ストレージ容量は録画時間から見積もる
配信のアーカイブやハイライトを高画質で録画保存する場合、ストレージ容量は急速に消費されます。
SSD 1TBは候補の一つで、配信するだけで必要になる最低容量ではありません。
録画の平均ビットレートが20Mbpsなら、1時間の映像データは計算上約9GBです。
これは20×3,600÷8で求めた十進単位の概算で、音声やファイルの付加情報を除きます。
画質を基準にする可変ビットレートの録画は容量が変わるため、試し録画のファイル容量も測って保存時間を見積もってください。
OS・アプリ・ゲームの使用分と空き容量を残し、保存する本数に合わせて内蔵SSDや外付けストレージの容量を選びます。
配信用PCを選ぶ際のチェックリスト
- 対応するハードウェアエンコーダーを確認する。
NVENC・AMF・QSVなどから環境に合うものを選びます - モデル・ゲーム・配信解像度とfpsを決める
- メモリ使用量と増設可否を確認する。
16GB・32GBなどの候補を実際の用途で比較します - 録画の容量と保存時間からSSD容量を選ぶ。
1TBを最低条件とせず、ゲームやアプリの使用分も含めて見積もります - ゲームとモデルを起動し、OBSの統計で描画遅延・エンコード遅延・通信ドロップを分けて確認する
配信環境では、PC本体と並んでマイク選びも重要です。
音声のノイズや聞き取りづらさは離脱要因になりやすいため、おすすめのマイク5選もあわせてご確認ください。
2026年10月24日にOBS・GPUメーカーの公式情報を照合しました。以下の商品カードは旧掲載情報で、現在の構成・在庫・価格は確認できていません。
掲載PCでのゲーム・モデル・OBS同時実行や長時間配信は、今回検証していません。
価格は変動するため、購入前に販売ページで最新の情報をご確認ください。
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旧掲載PCを比較するときの確認点
商品カードの名称や価格は過去の登録内容です。販売ページの実型番と構成を照合できるまでは、購入推奨や動作保証として扱わないでください。
Live2Dか3Dか、あるいはプレイするゲームの描画負荷に合わせて適した1台を選んでください。
① RTX 5060搭載表記のPC:ゲームとの同時負荷を確認
モデル方式だけで配信負荷の大小は決まりません。
NVENCが使えても安定性の保証にはなりません。モデル・ゲームを同時に動かし、録画した映像とOBSの統計を確認します。
② RTX 5060 Ti搭載表記のPC:8GB版と16GB版を区別
NVIDIA公式ではRTX 5060 Tiに8GB版と16GB版があります。GPU名だけで容量を判断せず、販売構成を確認してください。16GBでも将来の快適動作は保証できません。
今後の配信方針を模索中であれば、VRAM容量に余裕を持たせた構成を選ぶと買い替えのリスクを抑えられます。
③ CPU名に照合が必要な旧商品カード
重量級ゲームの配信では、ゲーム描画とアバター制御の負荷がCPU・GPU双方に重くのしかかります。
下の旧カードには「Ryzen 7 7800X」とありますが、実商品のCPU型番は今回確認できていません。AMD公式のRyzen 7 7800X3Dと同一と推測して購入しないでください。GPU・VRAM・冷却・電源も含めて販売元へ確認が必要です。
さらに多くの候補モデルを比較検討したい場合は、VTuber配信PC比較からスペック条件を絞り込んで比較できます。
よくある質問:VTuber配信PCの選び方
VTuberの配信用PCは、何を基準に選べばよいですか?
使うモデル・ゲーム・配信解像度・fpsを決め、各アプリを同時に動かせる余裕を確認します。エンコーダー、GPU描画、メモリ、ストレージ、上り回線を分けて検討してください。掲載PCの実測比較は行っていません。
NVENCとx264は何が違いますか?
NVENCはNVIDIA GPUの専用回路、x264はCPUで映像を圧縮します。NVENCでもOBSの合成処理にはGPU資源が必要です。AMD AMF、Intel QSVなども対応環境なら候補になります。
x264(ソフトウェアエンコード)が有効なのはどんなときですか?
CPUに余裕がある場合は1台構成でも候補です。2台構成に限りません。解像度・fps・プリセットによって負荷と画質が変わるため、他アプリと同時に試します。
Live2D配信と3D配信で、必要なGPUはどう違いますか?
2D・3Dの分類だけでは決まりません。モデルの複雑さ、背景、ゲームで必要な描画性能とVRAM量が変わります。RTX 5060 Tiにも8GB版と16GB版があるため、正確な製品仕様を確認します。
ゲーム配信をするときは、スペックをどう見積もりますか?
ゲーム単体の推奨環境を確認したうえで、モデルとOBSも起動して記録します。OBSの描画遅延・エンコード遅延・通信ドロップを分け、ゲームのfps上限や画質、配信の解像度を調整します。型番を数値として足す計算ではありません。
メモリは何GBにすればよいですか? ストレージは?
16GB・32GBなどを同時起動時の使用量で選びます。動画編集をするだけで64GB必須ではありません。録画容量はビットレートと時間で変わり、1TBは保存運用の候補であって配信の最低条件ではありません。
記事で紹介しているモデルや価格は、いつ時点の情報ですか?
2026年10月24日に一般的な選定条件を公式資料で再照合しましたが、旧商品カードの現行価格・在庫・実型番は未確認です。特に「Ryzen 7 7800X」表記は販売元で照合が必要です。カードの価格には表示された取得日時があり、現在価格の保証ではありません。
