Live2Dモデルを依頼するときは、使用ソフト、顔や体の動き、納品データ、利用予定を先に整理しましょう。
イラストの見た目に加えて、どの環境で動かすかが決まると、制作を相談する際の条件を揃えられます。
たとえば「笑顔にしたい」という希望にも、顔の動きに合わせて笑顔になる方法と、キーを押して特定の表情に切り替える方法があります。
希望する場面と操作まで書くと、必要な機能を伝えやすくなります。
この記事は、依頼先へ相談するための技術仕様メモです。
公式資料の確認日は2026年10月5日(日本時間)です。
実機での再現、モデル制作の発注、納品検証の実体験は含みません。
表と記入例は編集部が相談項目を整理したもので、特定の制作者の標準サービスや契約条件ではありません。
最初に、依頼する範囲と受け取る物をそろえる
| 先に決めること | 相談時に残す内容 |
|---|---|
| どこで動かすか | アプリ名・版、OS、入力機器 |
| 何を作ってもらうか | イラスト、パーツ分け、モデリング、アプリ設定の担当 |
| どんな動きが必要か | 顔入力、表情切替、着脱、揺れを分けた希望 |
| 何を受け取るか | 使用用データ、編集用データ、設定・説明書の内訳 |
| どこまで使う予定か | 配信、収益化、動画、グッズ、後日の改変などの相談事項 |
決まっていない欄は「未定」と書き、依頼先の回答と確認日を残します。
空欄を、含まれている・許可されているという意味にしないでください。
使うソフトとカメラを記入する
まず、モデルを動かすソフト、PCのOS、顔を読み取る機器を記入します。
まだ決めていない欄は「未定」として相談できます。
この記事の納品形式の例は、VTube Studioで使うLive2Dモデルを対象にしています。
3Dモデルや別アプリを使う場合は、同じファイル構成が使えると決めず、使用先の仕様から確認します。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| モデルの用途 | 自宅からの雑談配信、ゲーム配信 |
| 使用ソフト | VTube Studio、OBS Studio |
| PC | Windows。詳しいOSの版は確認して追記 |
| 顔の入力 | 手持ちのWebカメラ。型番を追記 |
| 画面に映す範囲 | 普段は胸から上。全身を映す場面も予定 |
| 将来の変更 | iPhoneの利用を検討。対応機種は未定 |
これは仕様を伝えるための記入例です。
この構成での動作や性能を実測した例ではありません。
どの工程から依頼するかを決める
手元にある素材によって、相談する作業が変わります。
キャラクターの案だけがある場合と、パーツ分け済みのイラストがある場合を分けて伝えましょう。
| 手元の状態 | 相談する作業 |
|---|---|
| 文章や参考イメージだけ | キャラクターデザイン、イラスト、パーツ分け、モデリング |
| 完成した1枚のイラストがある | 使用できる素材かの確認、必要な描き足し・パーツ分け、モデリング |
| パーツ分けしたPSDがある | PSDの構造確認、必要な修正、モデリング |
| 動くモデルがある | 希望する変更点と、編集に必要なデータの確認 |
素材を持ち込む場合は、依頼先が編集やモデリングを行える条件か、元の制作者への確認も済ませておきます。
提供するデータの範囲は依頼先ごとに異なります。
使用するための書き出しデータと、後で制作内容を編集するための元データは、別項目として納品範囲を確認します。
表情や動きを、使う場面と一緒に伝える
必要な動きは、普段の配信で使うものから整理します。
標準で含まれる項目か、追加制作が必要かは、依頼先に確認してください。
| 使う場面 | 希望する動作 | 相談時に確認すること |
|---|---|---|
| 普段の会話 | まばたき、口の開閉、顔の向き | カメラ入力に応じて動く範囲 |
| 笑ったとき | 笑顔の目と口 | 顔入力で変化させるか、キーで切り替えるか |
| 驚いたとき | 指定した表情を表示 | 切替キーと元の表情へ戻す方法 |
| 衣装を変えて見せたいとき | 上着や小物の着脱 | 変更するパーツと組合せ |
| 体を動かしたとき | 髪や服の揺れ | 希望する揺れの大きさと見せたい箇所 |
表情や着脱は「切り替えた後に何が残るか」「どう解除するか」も書きます。
VTube Studioの公式資料は、表情ファイルとホットキーによる有効化・解除を説明しています。
参考動画を示す場合は、「動画全体の雰囲気」だけでなく、時刻と該当する動きを添えます。
参考作品の見た目をそのまま再現する指定にならないよう、自分のモデルで求める動作を文章でも説明しましょう。
納品データと確認方法を相談する
納品後に必要なのは、モデルを使うためのデータと、設定の説明です。
あとから自分や別の制作者がモデルを編集する予定があるなら、そのために必要なデータと利用条件も別に相談します。
Live2D公式のnizima解説も、使用するトラッキングソフト、描画・可動範囲、納品形式を相談項目にしています。
同記事は2024年5月17日時点の機能の説明です。
現在の画面操作を再現した記録としては扱わず、相談事項の根拠として参照しています。
VTube Studio向けの納品物を分けて確認する
「モデル一式」という名前だけでなく、次の区分ごとに、含む物・含まない物・設定する人を書いてもらいます。
| 区分 | ファイル・内容の例 | 依頼時に確認すること |
|---|---|---|
| モデルを動かす基本データ | .model3.json、.moc3、テクスチャ画像 | 参照関係を保ったフォルダー一式か。使用予定のアプリで読む条件は何か |
| 希望する動作のデータ | 揺れの.physics3.json、表情の.exp3.json、動きの.motion3.json | 依頼した機能に必要なデータが含まれるか。すべてのモデルに同じ追加ファイルが必要とは限らない |
| アプリ側の設定と説明 | VTube Studioの設定、表情・着脱の操作一覧 | 設定済みで渡すのか、自分で設定するのか。キーの変更や解除を説明してもらえるか |
| 後で制作内容を編集する元データ | Cubismの編集用データ、元イラストなど | 提供する範囲、開くソフトと版、追加費用、改変を相談できる相手 |
Live2D公式は、.moc3を使用用のモデルデータ、.model3.jsonをモデルやテクスチャを結び付ける情報として説明しています。
VTube Studioの設定ファイル.vtube.jsonは、アプリがモデルを認識した際に作る設定情報です。
最初から納品に含めるか、受け取った人が設定して作るかを相談します。
.moc3だけを受け取れば設定や画像もそろう、という意味ではありません。
書き出し時のSDKの版も記録してもらい、使うアプリの対応と照合します。
公式マニュアルはベータSDKが未対応の場合があると注意しています。
「最新版で書き出す」だけで互換性を保証しないでください。
スマートフォンを顔入力に使うだけなのか、スマートフォン上でモデルも表示するのかを分けます。
VTube Studio公式は、顔入力だけならスマートフォン側にモデルを置く必要はないと説明しています。
モデルを端末に表示する場合の負荷は、別に確認する項目です。
受け取り時の確認方法も先に相談する
受け取り時の確認項目は、先に決めた仕様と対応させます。
「モデルが動いた」で終えず、依頼した表情や着脱をひとつずつ確認できる表にしておきましょう。
| 確認項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 指定ソフトで読み込めるか | ソフトの版、モデル名、エラーの有無 |
| 目・口・顔が想定どおり動くか | 確認した動き、気になる場面 |
| 表情と着脱が使えるか | キー操作、有効化と解除の結果 |
| 配信画面に取り込めるか | OBSの方式と設定、透過した表示 |
| 問題を伝えられるか | 操作手順、画像や短い動画、発生した条件 |
この表は確認の準備用です。
今回、この手順による納品モデルの検証は行っていません。
OBSへの取り込み方法は、使用OSと取り込み方式を分けて確認します。
利用予定と追加対応は、技術仕様と別に確認する
以下は契約先に確認するための一般的な質問です。
著作権の帰属、譲渡の成立、個別の利用可否をこの記事で判断するものではありません。
データを受け取れることと、希望する用途で使えることは別々に回答をもらいます。
| 確認する項目 | 依頼先に伝える・質問する内容 |
|---|---|
| 配信と動画 | 収益化、広告、投げ銭、切り抜き、動画投稿を予定しているか |
| モデル以外への利用 | 画像のサムネイル利用、グッズ、ロゴなどは相談範囲に含まれるか |
| 元素材と後日の変更 | 持込素材の編集、衣装追加、自分や別の制作者による改変を予定しているか |
| 表記と公開 | 制作者名の表記方法、制作実績としての公開、公開可能な時期 |
| 修正と追加制作 | ラフ・動き確認の時期、含まれる修正、仕様追加時の費用と日程の確認方法 |
| 受取後の連絡 | 問題を報告する窓口と期間、対応する環境、アプリ更新後の相談範囲 |
Live2D公式の依頼解説でも、商用利用予定と著作権譲渡の希望は別項目です。
サービスの説明や個別の見積もり・合意内容を確認し、判断できない条件は質問として残してください。
表に回答を記入しただけで、契約や権利処理が完了したとは扱いません。
相談前に記入できる技術仕様メモ
以下を埋めておくと、決まっていることと相談したいことを分けて伝えられます。
使用するトラッキングソフト:
PCのOS・使用端末:
顔を読み取る機器と型番:
配信・録画ソフト:
配信でモデルを映す範囲:
提供できる素材と編集条件:
制作を依頼したい工程:
普段の顔入力で動かしたい箇所:
キーで切り替えたい表情・着脱:
納品後に自分で編集する予定:
希望する納品データと設定説明:
編集用元データの提供範囲・対応ソフト:
配信・収益化・動画・グッズ等の利用予定:
改変・クレジット・実績公開についての質問:
含まれる修正と追加制作の確認方法:
希望納期・確認日・受取後の連絡先:
動作確認に使う環境:
未定・相談したい点:予算とスケジュールを相談する際は、このメモを添え、どの工程・動作が見積もりに含まれるかを確認します。
依頼先の選定や発注条件の整理へ進む前に、技術面で決める項目を残しておけば、相談中の変更点も確認できます。
必要な費用を整理するときは、VTuberの初期費用でモデル制作と配信機材を分けて予算を組めます。
モデル制作一式の見積もりに含まれる工程を、別費目として二重に加えないようにしてください。
自作も候補ならLive2Dの制作工程とFREE・PROの制限と保存条件を確認できます。
制作工程の記事には旧FaceRig環境の記録が含まれるため、現在使用するアプリと区別してください。
依頼前メモができたら、利用するサービスの相談フォームに合わせて項目を移します。
ここでは依頼の送信や購入操作は行っていません。
