Live2Dで変形が崩れにくいモデルを作るには、アートメッシュの頂点の割り方と、デフォーマの親子関係の2つを整えます。
細かい形はメッシュの頂点で作り、まとまった動きはデフォーマに任せるのが基本の分担です。
- メッシュは、自動生成で全体を細かくしてから、まつ毛や口まわりを手動で割り直す
- 揺れ物や顔の向きはワープデフォーマ、首や腕のように回る動きは回転デフォーマ
- ワープデフォーマの変換の分割数は通常5×5、ベジェの分割数は2×2〜3×3
- 大きく回すと形が縮むので、回転デフォーマか拡張補間を使う
この記事は、Live2D Cubism Editorの公式マニュアル(2026年10月18日に確認)の記載に基づきます。
Cubism Editorでの操作の実機での再現は含みません。
画面の項目名はマニュアルの表記に合わせているため、お使いの版で表示が違う場合は公式マニュアルで確かめてください。
アートメッシュとデフォーマの役割
PSDを読み込むと、レイヤーごとにメッシュが割り当てられて、アートメッシュとして配置されます。
アートメッシュの頂点を動かすと、絵(テクスチャ)が変形します。
ただ、頂点を1つずつ動かして形を作るのは手間がかかるため、頂点をまとめて動かす道具としてデフォーマがあります。
| 部品 | 何をするか | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| アートメッシュ | 頂点を動かして絵を変形させる | まつ毛や口まわりなどの細かな形 |
| ワープデフォーマ | 中のオブジェクトをまとめて変形させる。大きさや不透明度も変えられる | 揺れ物の動き、顔の向きを変える動き |
| 回転デフォーマ | 角度を指定して中のオブジェクトを回転させる。大きさや不透明度も変えられる | 首や腕のように回る動き |
| 位置調整用デフォーマ | コピー&ペーストやパーツのインポート・エクスポートのときに、必要に応じて自動で入る | 一時的なもの。位置が決まったら削除する |
メッシュの作り方
メッシュの編集には、点の密度を指定して作る自動生成と、点を1つずつ打つ手動編集の2つがあります。
読み込んだ直後のアートメッシュは、データの容量を抑えるために最小限の頂点しかありません。
そのため、動かす前にメッシュを細かくしておきます。
自動生成でまとめて細かくする
公式マニュアルでは、PSDを読み込んだ直後に次の手順で全体を細かくする方法が紹介されています。
- Ctrl+Aで、すべてのアートメッシュを選択する
- ツールバーの[メッシュの自動生成]をクリックする(Ctrl+Shift+Aでも開く)
- [設定]のテキストボックスのどこかをクリックして、Enterキーを押す
プリセットは、標準、変形度合い(小)、変形度合い(大)の3つが最初から用意されています。
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| 点の間隔(外側) | 外側の頂点を作る間隔 |
| 点の間隔(内側) | 内側の頂点を作る間隔 |
| 境界のマージン(外側) | 絵のある部分と、それを囲む外周のメッシュとの間の余白 |
| 境界のマージン(内側) | 絵のある部分の境界から、内側のメッシュまでの間隔 |
| 境界の最小マージン | 角などでメッシュが絵に近づくときに、点を足して余白を確保する |
| 境界の最小点数 | 1つの領域を囲む点の最少数。3なら三角形、4なら四角形が最少 |
| 透明とみなすアルファ値 | 透明として扱う透明度(0〜255)。通常は0 |
マージンの値は、テクスチャの大きさが1024のときのピクセル数で表されています。
マニュアルの例では、10を指定してテクスチャが2048なら、実際のマージンは20になります。
自動生成は、パラメータを設定する前に済ませておきます。
公式マニュアルでは、パラメータを設定した後に自動生成すると形状が変わってしまうため、おすすめしないと書かれています。
キーフォームを変えた後に自動生成すると、変形がリセットされて元の形に戻ることがあるとも注意されています。
手動編集で動く部分を割り直す
公式マニュアルでは、まつ毛や口まわりなどの顔のパーツは、変形に合わせて手動でメッシュを編集することがすすめられています。
アートメッシュを選択して、ツールバーの[メッシュの手動編集]をクリックすると、メッシュ編集モードに切り替わります。
Ctrl+Eか、アートメッシュのダブルクリックでも切り替えられます。
編集を終えるときはもう一度Ctrl+E、取り消すときはEscキーです。
| ツール・ボタン | できること |
|---|---|
| 頂点の追加 | クリックで頂点を打つ。続けて打つと前の頂点とつながる |
| 自動接続(Ctrl+R) | つながっていない頂点を結んで、三角形のポリゴンを作る |
| エッジの外周を保つ | 自動接続のオプション。まつ毛や髪の毛のようないびつな形で余計な線を結ばない |
| 点を増やす | なぞった部分だけ頂点を細かく割り直す |
| 4分割 | 形を保ったまま、ポリゴンを4つに分ける |
| ミラー編集 | 軸を挟んで左右(または上下)対称に頂点を打つ |
| ストロークによるメッシュ割り(β) | ドラッグで引いた線に沿ってメッシュを作る |
メッシュは三角形のポリゴンの集まりなので、すべての頂点が線でつながり、最小の単位が三角形になっている必要があります。
つながっていない頂点は水色の線で示されるので、自動接続で結んでおきます。
形は変えずに動きだけを滑らかにしたいときは、4分割が向いています。
メッシュがうまく作れないとき
| 症状 | 公式マニュアルにある原因と対処 |
|---|---|
| 自動生成でメッシュが欠ける、分割がきれいにならない | PSDに不要な半透明部分(描いたときのゴミ)が残っている。透明とみなすアルファ値を0から少しずつ上げる |
| 自動生成の後に絵が消えた | 閉じていないメッシュができている。値を変えて自動生成し直すか、元に戻す |
| データが重くなった | メッシュを細かくしすぎると容量が増える。SDKを使わない動画作品なら気にしなくてよい |
マニュアルの例では、透明とみなすアルファ値を10にして、ゴミの部分を計算から外しています。
デフォーマの作り方
ワープデフォーマ
ツールバーの[ワープデフォーマの作成]をクリックすると、作成のダイアログが開きます。
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| 挿入先のパーツ | どのパーツに入れるか |
| 名前 | 新しいデフォーマの名前 |
| 追加先 | 選択中のオブジェクトの親にするか、選択中のデフォーマの子にするか、などを選ぶ |
| 変換の分割数 | 横×縦の分割数。多いほどデフォーマの形に沿って変形する |
| ベジェの分割数 | 編集できるコントロールポイントの分割数。多いほど細かく変形できる |
| 子要素のキーフォームを考慮 | 子の変形がはみ出さない大きさで作る |
| 中心を選択されたオブジェクトに合わせる | 選択中のオブジェクトの中心に作る |
変換の分割数は、多くすると計算が増えて動作が重くなることがあるため、通常は5×5にすると書かれています。
ベジェの分割数は、多いほど細かく変形できる代わりに調整の手間が増えるため、通常は2×2〜3×3を使うとされています。
作った後は、ビュー上でデフォーマの位置と大きさを、包みたいオブジェクトに合わせます。
中のアートメッシュを変形させずにデフォーマの大きさだけを変えたいときは、Ctrlを押しながらドラッグします(MacではCommand)。
編集レベルは3段階あり、既定は2です。
- 編集レベル1:分割点だけを動かす。細かい調整に使う
- 編集レベル2:コントロールポイントと分割点の両方を動かす(既定)
- 編集レベル3:外枠だけのコントロールポイントで大きく形を変える
回転デフォーマ
ツールバーの[回転デフォーマの作成]をクリックして、ダイアログから作ります。
作った後、回したいオブジェクトを選び、インスペクタパレットの[デフォーマ]で作った回転デフォーマを親に指定します。
親に設定した後で位置や角度を直すときはCtrl+ドラッグ、ハンドルの長さを変えるときはAlt+ドラッグです。
首の傾きなどに合わせて、ある角度を0度として扱いたいときは、インスペクタパレットの[基準角度を設定]を使います。
ドラッグするだけで回転デフォーマを作れる、回転デフォーマ作成ツールもあります。
ダイアログを開かずに親子関係と向き、長さまで作られますが、名前は後から付ける必要があります。
大きく回すと形が縮むとき
アートメッシュやワープデフォーマを大きく回転させると、途中の形が縮んで見えます。
頂点がそれぞれ直線の最短ルートで動くため、一度縮んだ形を通るからです。
公式マニュアルでは、形を変えずに回したい場合は回転デフォーマを使うように書かれています。
揺れ物などで回転デフォーマを使わない場合は、拡張補間で軌道を曲線にする方法もあります。
パラメータパレットのパレットメニューから[拡張補間]を開き、補間方式をだ円補間かSNS補間にします。
拡張補間の点数は、2つのパラメータを掛け合わせると掛け算で増えて編集画面が重くなるため、その場合は10点以下がすすめられています。
崩れにくい親子関係の作り方
デフォーマは、アートメッシュや別のデフォーマの親になれます。
親を動かしたり変形させたりすると子もついてきますが、子を変形させても親には影響しません。
この性質から、体の傾きのような大きな動きを上の階層に、髪の揺れのような部分の動きを下の階層に置くと、それぞれの動きを重ねても互いに壊しにくくなります。
この組み方は、公式の親子関係の説明をもとに編集部が整理したものです。
親子関係を設定する方法は、公式マニュアルでは3つ紹介されています。
| 方法 | 操作 |
|---|---|
| デフォーマを作るとき | 作成ダイアログの[追加先]で、選択されたオブジェクトの親に設定、選択されたデフォーマの子に設定、デフォーマを直接指定から選ぶ |
| インスペクタパレット | オブジェクトを選び、[デフォーマ]から親にするデフォーマを選ぶ |
| デフォーマパレット | オブジェクトをドラッグして、入れたいデフォーマの上でドロップする |
デフォーマパレットでは、ドラッグ中にデフォーマの上に乗せると、デフォーマの名前がオレンジ色に変わります。
古いモデルで見た目が変わったとき
ワープデフォーマの変形の計算は、版によって変わっています。
Cubism 3.3からは、台形にゆがませたときのひずみが少ない方式になりました。
Cubism 5.3からは、ベジェハンドルで変形したときの形が滑らかになる方式になりました。
古い版で作ったモデルを開いて形が変わった場合は、インスペクタパレットの[デフォーマ変換(3.2方式)]や[ベジェ変換(5.2方式)]にチェックを入れると、以前の方式で変形できます。
Cubism 5の新しい機能は、Live2D Cubism 5の新機能まとめで整理しています。
まとめ
- メッシュは、パラメータを付ける前に自動生成で細かくしておく
- まつ毛や口まわりは、手動編集で動きに合わせて割り直す
- 揺れ物や顔の向きはワープデフォーマ、回る動きは回転デフォーマ
- 大きな動きを親、部分の動きを子に置くと、動きを重ねても崩れにくい
Live2Dをこれから始める方は、Live2Dの始め方から読むと全体の流れがつかめます。
髪や服を揺らす設定は、Live2Dの物理演算設定で解説しています。
2つのアートメッシュをつなげて動かすグルーは、グルー機能の使い方をご覧ください。
参考:Live2D Cubism Editor マニュアル(デフォーマについて、ワープデフォーマ、回転デフォーマ、メッシュの自動生成、メッシュの手動編集、親子関係の設定、拡張補間について)。
