OBSの録画や配信で口の動きと声がずれるときは、音が先なのか、映像が先なのか、時間とともにズレが増えるのかを確認します。一定の遅れなら補正しやすい一方、ズレが増え続ける場合は、固定のオフセットだけでは解決しません。
この記事では、短いテスト録画でズレを測り、音声の同期オフセットと映像側の遅延を使い分ける方法を説明します。
まず「どの映像」と「どの音」を合わせるか決める
配信には、カメラとマイク、ゲーム映像とゲーム音、アバターと変換後の声など、複数の組み合わせがあります。全体がずれているように聞こえても、原因は1つの入力経路だけかもしれません。
| 合わせたい組み合わせ | 主な確認対象 |
|---|---|
| カメラ映像とマイク | カメラ・キャプチャー機器の遅延、マイク入力 |
| ゲーム映像とゲーム音 | キャプチャー機器、映像と音声の別経路 |
| アバターの口と声 | トラッキング、アバター描画、ボイスチェンジャー |
| 自分のヘッドホンと録画 | モニタリング経路と実際の出力の違い |
自分のヘッドホンで聞こえる音だけを基準にせず、録画ファイルを再生して判断します。モニタリングと録画への出力が、同じタイミングとは限らないためです。
1.手をたたくテストを録画する
- カメラとマイクだけのシンプルなシーンを用意する。
- カメラに手が映る状態で、数回ゆっくり手をたたく。
- 短いローカル録画を保存する。
- 録画を再生し、手が合う瞬間と音の位置を比較する。
- どちらが先かと、おおよその差を記録する。
テスト音は大きすぎないようにし、普段と同じ入力経路で記録します。ゲームやアバターの場合も、映像と音の対応が分かる動作を選びます。
動画編集アプリで1フレームずつ確認できると、差を数値にしやすくなります。30fpsなら1フレームは約33.3ms、60fpsなら約16.7msです。たとえば30fpsで音が3フレーム先なら、約100msの差を目安にできます。
2.音が先に出るなら、音声を遅らせる
声や手をたたく音が映像より先なら、対象の音声へ遅延を加える方法を試します。OBSの音声ミキサーから音声の詳細プロパティを開き、対象ソースの同期オフセットを確認します。
たとえば約100ms先に音が出ている場合、100msを出発点にして再録画し、差が小さくなるかを確認します。この数値は説明用であり、どの機器でも100msが正しいわけではありません。
同期オフセットはミリ秒単位の設定です。OBSの公式ソースコードの音声詳細設定でも、この単位で扱われています。数値を大きく変えるより、測った差を基準に少しずつ調整します。
3.音が遅いなら、映像側へ遅延を加える方法を検討する
映像が先に表示され、声が後から聞こえる場合は、先に届く映像を遅らせると揃えられることがあります。OBSには、映像ソースの表示を遅らせるRender Delayフィルターがあります。OBS公式:Render Delayフィルター
対象の映像ソースのフィルターへ追加し、必要な遅延を設定して再録画します。ほかのカメラや画面にまで不要な遅延を加えないよう、どのソースを調整しているか確認してください。
遅延を加えると、視聴者へ届くまでの待ち時間も増えます。大きな遅れがある場合は、補正だけで合わせる前に、ボイスチェンジャー、キャプチャー機器、無線機器などの経路を簡単にできないか検討します。
4.時間とともにズレが増える場合
開始直後は合っているのに、10分後、30分後と差が大きくなる場合は、固定の遅延とは分けて調べます。開始時点へ合わせた数値が、終了時点では合わなくなるためです。
使っている音声機器とOBSのサンプルレート、キャプチャー機器の設定、USB接続、ドライバー、処理負荷を確認します。サンプルレートが違えば必ず音ズレするという意味ではなく、経路と変換条件を揃えて比較するための確認です。
ゲーム、カメラ、ボイスチェンジャーなどを1つずつ減らした構成で長めに録画し、どの機器や処理を加えるとズレるかを調べます。再起動で一時的に直る場合も、その事実だけで解決とせず、同じ長さで再現するか確認してください。
二重音を音ズレと取り違えない
同じマイクが2つのソースから入っている、モニター音をデスクトップ音声が拾っている、といった場合は、エコーや重なりとして聞こえます。
片方のソースをミュートしたときに解消するなら、同期補正の前に音声経路を整理します。OBS公式も、同じ機器をグローバル音声設定と音声キャプチャソースの両方で使うと、重複が起きる点を案内しています。OBS公式:音声ソース
ボイスチェンジャーを使う場合は、変換前と変換後の声を同時に入れていないか確認します。経路の整理にはVB-CABLEでOBSへ音を送る方法も参考になります。
アバターの口だけが遅れる場合
マイクの音は正常でも、アバターの口の動きが遅れる場合は、トラッキングから描画までの処理が関係している可能性があります。アバターソフト単体の表示と、OBSに取り込んだ表示を比べます。
映像側が大きく遅れている状態で、マイクを何度も別機器へ変更しても原因が変わらない場合があります。アバターの負荷、カメラの設定、取り込み方法を確認し、補正値を決める前に動作を安定させます。
最終確認は短い録画と長い録画の両方で行う
- 短い録画で、映像と音の固定差が小さくなっている。
- 実際の配信に近い長さでも、ズレが増えていない。
- シーンを切り替えても、必要な組み合わせが合っている。
- マイク・ゲーム音・通話音が二重になっていない。
- 変更したソース名と補正値を記録した。
機器やフィルターを変えると遅延も変わる場合があります。以前の補正値をそのまま正解とせず、構成を変えた後は短い録画で確認し直しましょう。
