OBSで配信と録画を同時に行うには、[配信開始]と[録画開始]の両方を押します。
特別な機能を入れる必要はありませんが、録画の画質を配信と同じにするか分けるかで、パソコンの負荷が変わります。
- 追加の映像エンコード負荷を抑えるなら、録画品質を[配信と同じ]にする
- 録画を高画質で残したいなら、録画用に別のエンコーダを使う(その分だけ負荷が増える)
- 音声を分けて編集したいなら、録画の音声トラックを複数選び、音ごとに入れるトラックを決める
- 録画形式はMKVやHybrid MP4を検討し、編集ソフトの対応を確認する
この記事は、OBS Studioの公式ナレッジベース(2026年10月24日に再確認)の記載に基づきます。
以下の画像と練習録画は2026年10月20日の既存記録です。
今回、実機録画や同時配信の再検証は行っていません。
画面はOBS Studio 32.2.2(Windows 11)で撮影し、本人の設定とは別の練習用プロファイルで、設定の変更と20秒ほどの録画を試しました。
録画した練習ファイルの音声トラックの中身と、MP4への再多重化の結果も確かめています。
配信は開始していないため、配信と録画を同時に行ったときの負荷の大きさは、お使いのパソコンで確かめてください。
配信と録画を同時に始める手順
- [ファイル]メニューの[設定]を開き、[出力]で録画ファイルのパス、録画フォーマット、録画品質を決める
- メイン画面の[コントロール]で[配信開始]を押す
- 続けて[録画開始]を押す
毎回押し忘れないようにしたい場合は、設定の[一般]にある[配信時に自動的に録画する]を使います。
同じ場所に[配信が停止しても録画を継続する]もあり、配信を切った後も録画を続けたいときに使えます。

OBS Studio 32.2.2では、この2つは[一般]の「出力」という欄にあります。
[配信が停止しても録画を継続する]は、[配信時に自動的に録画する]にチェックを入れるまで灰色で選べません。
[録画開始]を押すと、ボタンの表示が[録画終了]に変わり、画面右下に録画の経過時間が出ます。
録画品質の選び方と負荷
出力モードが[基本]の場合、録画の画質は[録画品質]で選びます。
| 録画品質 | 公式の説明 | 注意点 |
|---|---|---|
| 配信と同じ | 配信用のエンコーダの設定をそのまま使い、配信と同じ画質で録画する | 録画の一時停止ができない |
| 高品質、ファイルサイズ中 | 高画質で、ファイルサイズは中くらい | 配信とは別にエンコードするため負荷が増える |
| 超高品質、ファイルサイズ大 | さらに高画質だが、ファイルが大きい | エンコーダによっては、古い機種や性能の低い機種で負荷が出る |
| 無損失品質、ファイルサイズ特大 | 劣化のない画質 | 公式の容量例は1分あたり約7GB。実際の容量は映像条件による。CPUでエンコードする |
公式ナレッジベースでは、[配信と同じ]以外を選ぶと、パソコンの資源を余分に使うと書かれています。
OBSの画面にも、配信と違う品質をソフトウェアエンコーダで録画すると、さらにCPUを使うという警告が出ます。
配信が重いと感じているときは、まず[配信と同じ]で録ってみるのが無難です。

OBS Studio 32.2.2で新しく作ったプロファイルでは、録画品質の初期値が[配信と同じ]、録画フォーマットの初期値が「Hybrid MP4 (.mp4)」でした。
[配信と同じ]のときは音声トラックが1つに固定され、録画を一時停止できないという警告が画面の下に出ます。
[高品質、ファイルサイズ中]に切り替えると、録画用の映像エンコーダと音声エンコーダの欄が現れ、音声トラックも複数選べるようになりました。
映像エンコーダの一覧は、AMDのGPUを内蔵したこのパソコンでは、ソフトウェア (x264) のほかに、ハードウェア (AMD, H.264) とハードウェア (AMD, HEVC) が出ました。
詳細モードで録画のエンコーダを分ける
出力モードを[詳細]にすると、[配信]と[録画]のタブに分かれ、録画側の設定を細かく決められます。
録画タブの映像エンコーダで[(配信エンコーダを使用)]を選ぶと、配信の映像エンコードを録画でも共有します。
録画の音声トラックやファイル形式は別に選択するため、基本モードの設定すべてが同じになるわけではありません。
別のエンコーダを選ぶと、ビットレート、画質のプリセット、キーフレーム間隔を録画用に設定でき、解像度を変えて録ることもできます。
その代わり、配信用と録画用の2つのエンコーダが同時に動くため、負荷が増えます。

OBS Studio 32.2.2の詳細モードでは、[配信][録画][音声][リプレイバッファ]の4つのタブが並びました。
録画タブの映像エンコーダの初期値は[(配信エンコーダを使用)]で、このままだと録画を一時停止できないという警告が出ます。
x264を選ぶと[出力をリスケールする]と[エンコーダ設定]の欄が現れ、レート制御の初期値はCBR、ビットレートは6000 Kbpsでした。
下表は公式の詳細録画ガイドの基準値です。
対応するレート制御へ切り替え、同時配信時の余力と録画品質を確認します。
全機種・全コーデック共通の最適値ではありません。
| エンコーダ | 公式ナレッジベースの推奨値(録画用) |
|---|---|
| x264(CPU) | CRF 16〜23、CPUプリセットveryfast、キーフレーム2秒、プロファイルhigh |
| NVENC(NVIDIA) | Constant QP 16〜23、P5、High Quality、2パス(1/4解像度)、プロファイルhigh、Bフレーム2。詳細項目は公式参照 |
| QuickSync(Intel) | ICQ 16〜23、Target Usage TU4、プロファイルhigh、キーフレーム2秒、Latency normal、Bフレーム3 |
表のCRF・Constant QP・ICQは、それぞれ値を小さくすると高画質・大容量になる方向です。
方式をまたいで同じ数字が同じ画質になるわけではありません。
公式ナレッジベースでは、CPUで動くx264よりも、GPUに組み込まれたハードウェアエンコーダのほうが、一般に性能面ですすめられています。
NVIDIAならNVENC、AMDならAMF、対応するIntel GPUならQuick Syncが候補です。
macOSではApple VideoToolboxもあります。
使えるコーデックや同時エンコード数はGPU・OS・ドライバーによるため、実際の選択欄と負荷を確認してください。
AMDの公式基準値はCQP 16〜23です。
音声トラックを分けて録画する
通常のライブ配信では選択した音声トラックを送り、録画は対応する形式で最大6トラックを保存できます。
配信サービスのVOD用音声などは別設定です。
マイクとゲーム音を別々に録っておくと、後から編集ソフトで音量を個別に直せます。
公式の複数音声トラックの考え方を使うと、例えば次のように分けられます。
入力段階で混ざったゲーム音と通話音は、トラックの指定だけでは分離できません。
| トラック | 入れる音 |
|---|---|
| トラック 1 | すべての音(配信の既定のトラック) |
| トラック 2 | 通話(Discordなど)だけ |
| トラック 3 | ゲームの音だけ |
| トラック 4 | マイクだけ |
どの音をどのトラックに入れるかは、[オーディオの詳細プロパティ]で決めます。
OBS Studio 32.2.2では、音声ミキサーの下にある歯車のボタンから開けました。
録画タブでは、録画に含めるトラックにチェックを入れます。
出力モードが[基本]でも、録画品質が[配信と同じ]以外なら、録画の音声トラックを複数選べます。

試しに、高さの違う信号音を2つ用意し、ゲーム役の音をトラック1と3に、通話役の音をトラック1と2に割り当てました。
ソースを追加した直後は、どちらの音もトラック1〜6のすべてにチェックが入っていたため、要らないトラックのチェックを外しています。
録画タブでトラック1〜3を選んで録ると、MKVファイルに音声が3本入りました。
中身を調べると、トラック1には両方の音、トラック2には通話役の音だけ、トラック3にはゲーム役の音だけが入っていました。
複数トラックに対応しない録画フォーマットもあるため、公式ではMKVで録ることがすすめられています。
トラックの分け方とテストの手順は、OBSの音声を分ける方法で詳しく解説しています。
録画形式はMKVとHybrid MP4を使い分ける
公式ナレッジベースでは、録画フォーマットにMKVがすすめられています。
MKVは録画が正常終了しなかったときに回復しやすい形式です。
ただし保存先の故障や空き容量不足まで防げるわけではありません。
容量と書き込み速度にも余裕を確保します。
Hybrid MP4も、異常終了時の回復性と編集ソフトとの互換性を両立する選択肢です。
OBS 32.0以降の新規設定ではWindows/LinuxはHybrid MP4、macOSはHybrid MOVが既定です。
通常のMP4とは区別し、必要な音声トラックを含めて編集ソフトで試してください。
編集ソフトやSNSがMKVを扱えずMP4が必要な場合は、[ファイル]→[録画の再多重化]を使います。
再多重化は映像の再圧縮ではないため、HEVCなどのコーデック自体が未対応の編集ソフトで必ず開けるようになるわけではありません。
設定の[詳細設定]で、録画を止めたときに自動で再多重化するようにもできます。
OBS Studio 32.2.2では、[詳細設定]の「録画」の欄にある[自動的に mp4 に再多重化する]がこの設定です。
練習で録ったMKVを[録画の再多重化]でMP4に変えると、同じフォルダーにMP4ができ、3本の音声トラックもそのまま残りました。
同時に行うと重いときの確認
エンコードが追いつかないと、OBSに「エンコードが高負荷です!」という警告が出ます。
OBSの[統計]では、エンコードラグによりスキップされたフレームと、レンダリングラグにより逃したフレームの数を確かめられます。
設定の[一般]で[起動時に統計ダイアログを開く]にしておくと、毎回すぐに確かめられます。
統計は[表示]メニューの[統計]からも開けます。

下の表には、配信と録画の状態とビットレートが出ます。
色と文字だけの軽いシーンをx264で録画した例では、エンコードラグによりスキップされたフレームは0でした。
配信も同時に行う場合は、本番の前に同じ設定で統計を開き、この数字を確かめておくと安心です。
公式ナレッジベースで紹介されている対処は、次のとおりです。
- 録画品質を[配信と同じ]にして、エンコーダを1つにする
- 設定の[映像]で、出力 (スケーリング) 解像度を下げる
- フレームレートを60から30に下げる
- ゲームのフレームレートをモニターのリフレッシュレートに合わせて制限する
- ゲームの画質設定を下げる
- GPUを使うほかのソフトを閉じる
- Windowsでは、OBSを管理者として実行する
- ブラウザソースやフィルターを減らし、シーンを軽くする
VTuberの配信では、モデルを動かすソフトもGPUを使うため、ゲームと合わせて3つの処理が重なります。
パソコンの選び方は、VTuber配信PCの選び方で解説しています。
まとめ
- 配信と録画は、[配信開始]と[録画開始]を両方押せば同時にできる
- 負荷を抑えるなら録画品質は[配信と同じ]
- 高画質で残すなら録画用のエンコーダを分けるが、その分だけ重くなる
- 音声を分けるなら録画の音声トラックを複数選び、音ごとにトラックを割り当ててMKVで録る
- 重いときは統計で、エンコードとレンダリングのどちらが遅れているかを見る
YouTubeで配信する設定は、OBSでYouTube配信する方法をご覧ください。
配信せずに録画だけ行う場合は、OBSでPC画面を無料録画する方法で解説しています。
参考:OBS公式の録画出力、録画品質、詳細録画設定、複数音声トラック、ハードウェアエンコード、処理負荷、既定録画形式の変更。
