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Oculus Debug Toolの設定|Quest Linkの画質・ASW・性能表示と戻し方

Oculus Debug Toolは、Windows PCに入っているMetaの診断・調整ツールです。Quest LinkやAir Linkで使う描画密度、映像エンコード、ASW、性能表示などを扱います。画質を上げる目的でも、まずPCアプリの標準設定と安定した接続を確認し、変更前の値を記録してから使いましょう。

この記事では、項目ごとの役割と調整・復元の順番を説明します。Virtual DesktopやSteam Linkの設定を変更するツールではありません。Quest単体アプリのApplication Spacewarpと、PC側のASWも別の機能です。接続前の準備は有線Quest Link、無線はAir Linkを参照してください。

テクニカルアーティスト(デザイナー×エンジニア)として映像・ゲーム・WEB業界で技術的なことをお仕事にしています。VRは趣味です。
書籍:Unityデザイナーズ・バイブル
Unityゲーム プログラミング・バイブル 2nd Generation

目次

まずPCアプリのグラフィック設定を確認する

最初の画質調整は、MetaのPCアプリで行います。Devices(デバイス)から使用するヘッドセットを選び、Graphics Preferences(グラフィック設定)を開きます。リフレッシュレートと描画解像度を確認し、現在の値を控えてください。

高いリフレッシュレートは、短い時間で次のフレームを作る必要があるため、同じ解像度でもPCへの要求が変わります。解像度も同時に上げず、まず一項目だけ変えて同じアプリの同じ場面で確認します。

Metaは2024年にQuest 3のLinkで120Hzを案内していますが、すべてのQuestや接続条件に同じ選択肢が出るとは限りません。機種を問わず「120Hz・最大解像度が正解」とせず、実際に選べる項目と動作を基準にしてください。SteamVRも使う場合は全体とアプリ別の描画解像度を確認し、複数の倍率を重ねて上げていないか調べます。

Oculus Debug Toolを開く場所

Metaの現行公式資料が示す場所は、標準のインストールで次のパスです。インストール先を変更している場合は、実際のMetaアプリのフォルダーを確認します。

C:\Program Files\Meta Horizon\Support\oculus-diagnostics\OculusDebugTool.exe

管理者アカウントで、インストールされている実行ファイルを開きます。公式資料はツールとランタイムの版を合わせるため、別の場所へコピーした実行ファイルを使わないよう案内しています。ファイルが見つからない場合は、無関係な配布サイトから同名ファイルを入手せず、PCアプリの導入先と更新状態を確認してください。

描画・エンコード・転送の項目を分ける

2026年9月28日更新のMeta公式Debug Tool資料は、エンコード解像度やビットレートなどの役割を説明しています。次の項目を区別して、症状に関係する設定から確認してください。

項目 何を変える・確認するか
Pixels Per Display Pixel Override 描画密度を上書きする項目。PCアプリやSteamVRの解像度も記録し、どの段階で負荷を増やしたか分かるようにする。
Encode Resolution Width Linkで映像をエンコードする幅。PCがゲームを描く解像度とは別の段階を扱う。
Encode Bitrate (Mbps) エンコードした映像のビットレート。高すぎると不安定になる場合があり、通信経路の状態も確認する。
Encode Dynamic Bitrate 動的にビットレートを調整する設定。固定値を試す前に、現在の動的設定と関連項目を控える。
Visible HUD / Performance HUD Mode 性能や遅延などを画面に表示する診断項目。画質そのものを上げる設定ではない。
Asynchronous Spacewarp PC側のフレーム補間に関する設定。描画解像度や通信速度を増やす項目ではない。

解像度、描画密度、ビットレートを同時に上げると、PCの描画・映像の処理・転送のどこに余裕がなくなったか判断しにくくなります。数値欄に入力できる最大値を、そのまま推奨値と扱わないでください。

Performance HUDで変更前後を比較する

Visible HUDをPerformanceにし、Performance HUD Modeで確認する情報を選びます。全体の性能を見たいときはPerformance Summary、アプリ側の描画時間はApp Render Timing、表示処理側はCompositor Render Timing、Linkの情報はOculus LinkやOculus Link Detailを選ぶ、という使い分けです。使用する版に表示される項目で確認してください。

  1. 調整するアプリを起動し、比較する場面を決める。
  2. 変更前のHUDの数値と、映像の乱れやカクつきが出る場面を控える。
  3. 一項目だけ変更し、必要な再起動後に同じ場面を確認する。
  4. 改善しない、または別の症状が出た場合は、その項目を元へ戻す。

見終わったらVisible HUDをNoneへ戻せます。ランタイムの版を調べる場合は、公式資料で案内されているHelp → Show Version Infoを使います。版の表示をPerformance HUDの種類と取り違えないようにしてください。

ASWのAuto・Disabled・Force 45fpsをどう読むか

PC側のASWは、過去のフレームなどを使って次の映像を補間する機能です。アプリが直接描くfpsと、補間を含む表示を区別して確認します。補間が働いた状態だけを見て、PCが毎フレームを同じ速度で描けていると判断しないでください。

選択肢 用途と注意点
Auto 必要に応じた動作を確認する通常の比較基準。変更前がAutoなら、その値を復元用に記録する。
Disabled ASWを無効にして比較する。開発時の性能評価に使われるが、すべてのプレイヤーに常時オフを勧める設定ではない。
Force 45fps, ASW disabled 公式資料の90Hz Riftの説明では、アプリを45fpsへ制限しASWを無効にする設定。滑らかさを改善する万能設定ではない。
Force 45fps, ASW enabled 同じ90Hz Riftの説明では、45fpsの描画とASWを強制する設定。現行QuestではHUDを見て実際の状態を確認する。

MetaのASW資料には90HzのRiftを前提とする説明が含まれます。項目名の「45fps」を、72Hz・80Hz・120Hzを含むすべてのQuest環境で同じ結果になる証拠として使わないでください。今回、各機種・各リフレッシュレートでの強制モードは実機確認していません。試す場合は元の値を控え、HUDと見え方を比較した後に戻します。

Linkの設定変更は、サービス再起動後に確認する

公式Debug Tool資料は、Oculus Linkグループの変更がOVRServer再起動後に反映されると説明しています。変更した値だけを見て反映済みと判断せず、起動中のVRアプリを終了してからServiceの再起動操作を行い、Linkへ入り直して確認します。サービスの再起動中は接続が切れるため、プレイの途中で行わないようにします。

再起動後も設定が想定と違う場合は、PCアプリやSteamVR側の解像度、動的ビットレートの関連項目、使用している接続方式を再確認します。Air Linkと有線Linkを切り替えたときも、同じ固定値で同じ結果になるとは限りません。

画質が悪い・重いときの切り分け

症状 比較すること
文字や遠景がぼやける PCアプリとSteamVRの描画解像度を確認。その後、Linkのエンコード設定を一つずつ比較する。
解像度を上げると動きが重い HUDのアプリ描画時間などを確認し、最後に上げた描画設定を戻す。PCVRのPC条件も確認する。
ビットレート変更後に乱れる 変更前の値へ戻し、必要なサービス再起動を行う。USB経路やWi-Fi経路を別に確認する。
一つのゲームだけ悪い 別アプリの同じ接続と比較し、ゲーム側の解像度や表示設定を確認する。
Link自体が起動しない 画質を上げず、接続診断で止まる段階とエラーを確認する。

変更を戻すときは、全項目を一律に0にしない

今回確認した公式資料には、すべての項目をまとめて元に戻す共通の数値は示されていません。選択式と数値式の項目を一律に0へ変えるのではなく、変更前に控えた値へ戻します。元の値が分からない項目は、現在のアプリ・機種に対応する公式案内を確認してから変更してください。

  1. 最後に変更したDebug Toolの項目を、控えた元の値へ戻す。
  2. Linkグループを変更した場合は、VRアプリを終了して必要なサービス再起動を行う。
  3. PCアプリのリフレッシュレートと解像度も変えたなら、それぞれを元へ戻す。
  4. SteamVRを使う場合は、全体・アプリ別の値も確認する。
  5. 同じ場面で動作を確認し、診断用HUDが不要ならNoneへ戻す。

設定メモには「元の値・変更した値・症状・戻した結果」を残すと、次に何を確認すべきか分かります。これらの設定はPC側の条件を整理するためのもので、低性能のPCや不安定な接続を数値だけで解決できるものではありません。

参考にした公式情報

公式情報の確認日:2026年10月3日。今回の実機操作、画質・フレーム時間・通信遅延の計測は行っていません。設定手順は公開資料に基づく案内です。画面の名称や使用できる項目は、機種・接続方式・アプリの版で変わる場合があります。

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