UEVRは、Unreal Engineで作られたPCゲームにVR表示を追加するpraydog氏のツールです。
PCで起動したゲームへUEVRInjectorから機能を読み込ませます。
Quest単体へゲームを入れる仕組みではなく、PCVR接続と、ゲームごとの対応確認が必要です。
VR表示ができることと、両手で武器を扱えること、メニューが見やすいこと、安定して動くことは別です。
まず試したい作品を一つに絞り、ゲームの版・描画API・プロファイル・入力方式を確認してください。
通常のPCVRが動かない場合はQuestとSteamVRの接続診断を先に進めます。
対応するゲームと、できる操作を確認する
| 確認するもの | 判断する内容 |
|---|---|
| エンジン | Unreal Engine製のPCゲームが対象。Unity製など、他のエンジンのゲームへそのまま使うツールではない。 |
| 描画API | 公式ドキュメントはDirect3D 11と12を掲載。対象ゲームの起動方式と照合する。 |
| ゲームとUEVRの版 | 対応報告のゲーム版、使用したUEVR版、必要なプロファイルや追加プラグインを確認する。 |
| 操作 | 頭の移動・回転に対応した表示と、手持ちコントローラーによる操作は区別する。作品ごとの入力方法を確認する。 |
| プレイ範囲 | アンチチートの有無を確認。不明なマルチプレイ作品へは注入しない。 |
公式サイトの対応エンジン表記は4.8〜5.6、READMEとドキュメント冒頭は4.8〜5.4で一致していません。
新しいエンジン番号のゲームがすべて動くと断定せず、配布版の説明と作品ごとの動作報告を確認します。
対応範囲に入ることだけでも、完成したVRゲームと同じ操作や安定性を保証するものではありません。
UEVR公式ドキュメントは、アンチチートの仕組みがないことを事前に確認し、不明ならマルチプレイ作品には注入しないよう明記しています。
オフラインに切り替えられる場合の例外もありますが、ゲーム開発元が案内する方法と利用条件を確認してください。
アンチチートを迂回する手順はここでは扱いません。
UEVRで動くと報告の多い作品|コミュニティの互換リストから
対応ゲームの一覧は、UEVR公式ドキュメントが案内しているコミュニティの互換リスト(Google スプレッドシート)にあります。
2026年10月29日時点で663作品の報告があり、判定はA(とても良い)336・B(良い)212・C(まずまず)63・D(動くが問題多い)29・E(動かない)23でした。
下の表は、そのうちSteamのレビュー数が多い作品を抜き出したものです。
判定・描画方式・確認日はリストの記載をそのまま写しています。当方の実機確認ではありません。
| 作品 | 視点 | UE | 判定 | 描画方式 | 確認 |
|---|---|---|---|---|---|
| Satisfactory | 一人称 | 5.02 | A(とても良い) | Native Stereo | 2023/11 |
| Stray | 一人称 | 4.27 | A(とても良い) | Native Stereo | 2023/10 |
| Ghostrunner | 一人称 | — | A(とても良い) | Native Stereo | 2023/11 |
| Little Nightmares | 三人称 | — | A(とても良い) | Native Stereo | 2023/04 |
| Astroneer | 三人称 | 4.23 | A(とても良い) | Synchronized Sequential | 2023/03 |
| Medieval Dynasty | 一人称 | 4.27 | A(とても良い) | Native Stereo | 2023/03 |
| Hogwarts Legacy | 一人称 | — | B(良い) | Synchronized Sequential | 2023/02 |
| It Takes Two | 三人称 | 4.26 | B(良い) | Synchronized Sequential | 2023/05 |
| STAR WARS Jedi: Fallen Order | 三人称 | 4.21 | B(良い) | Synchronized Sequential | 2023/04 |
| Hellblade: Senua’s Sacrifice | 三人称 | 4.25 | B(良い) | Native Stereo | 2023/04 |
| Ready Or Not | 一人称 | 4.27 | B(良い) | Native Stereo | 2023/04 |
| FINAL FANTASY VII REMAKE INTERGRADE | 三人称 | — | C(まずまず) | Native Stereo | 2023/02 |
| Borderlands 3 | 一人称 | 4.20 | D(動くが問題多い) | Native Stereo | 2023/04 |
| Days Gone | 三人称 | — | E(動かない) | — | 2023/02 |
確認日が2023年のものが多く、その後のゲーム本体の更新やUEVRの版で結果が変わります。
遊ぶ前に、リストの同じ作品の最新の報告と、使うUEVRの版を見てください。
マルチプレイでアンチチートのある作品(Dead by Daylight・Squad・Mordhauなど)はリストにも載っていますが、公式ドキュメントの注意に従い、この記事では扱いません。
手元のゲームがUnreal Engine製かどうかは、Rai Pal(Steamなどのライブラリを走査してエンジンを判定するツール)で調べられます。
公式配布元と、起動に必要なもの
praydog/UEVRの公式Releasesから配布物を確認します。
確認日の安定版の最新リンクは1.05へ進みました。
Nightlyは別の配布経路なので、プロファイルの対象版や修正内容を見て選びます。
「最新」とだけメモせず、使った版を記録してください。
UEVRの配布ZIPを専用のフォルダーへ展開します。
ゲームのインストールフォルダーへ無関係なファイルを上書きせず、配布物を混ぜないようにします。
必要ソフトが表示されたら、UEVR公式案内とMicrosoftの配布元を確認してください。
READMEは.NET 6.0 SDKを前提にしていますが、Microsoftによる.NET 6のサポートは2024年11月12日に終了しています。
古い前提を現在もサポート中と扱わず、使う配布版の要求とMicrosoftのサポート表を照合してください。
新しい.NETだけで代用できるかは今回実機確認していません。
安定版とnightly版の違い
UEVRには、安定版(Releases)と、nightly版の2つの配布があります。
安定版は番号つき(確認日の最新は1.05)で、公式ドキュメントとプロファイルの多くはこの版を前提にしています。
nightly版は開発中の最新で、新しいUnreal Engineの版への対応や修正が先に入る代わりに、動かなくなることもあります。
まず安定版で試し、互換リストの報告が「nightlyで動く」となっている作品だけnightlyを使う、という順番が無難です。
nightlyは日付で区別されるので、使った版の日付をプロファイルと一緒に記録してください。
OpenVRとOpenXRは、接続方式に合わせて選ぶ
| 方式 | 準備と使い分け |
|---|---|
| OpenVR | SteamVRを導入し、PCVR接続が正常に動くことを確認する。ゲーム固有のプロファイルがこの方式を指定する場合は、その条件も見る。 |
| OpenXR | 使用するヘッドセット・接続ソフトに対応した、有効なOpenXRランタイムが必要。SteamVRを有効なランタイムにする経路もある。 |
| Virtual Desktop利用時 | UEVR公式は頭の回転時の遅れを避けるためOpenXRを指定している。UEVRのRuntime設定にあるVirtual Desktop fixも確認する。 |
公式はOpenVRの互換性、OpenXRが正常に動く場合の性能面の利点を説明していますが、全ゲームで片方が常に速いという実測比較ではありません。
接続ソフトと作品の条件を先にそろえ、問題を調べるときに一項目ずつ比較します。
Virtual Desktopの接続や有線Quest Linkも参照できます。
UEVRInjectorでゲームへ注入する手順
- 通常のPCVRアプリで、ヘッドセットの映像・追従・入力が正常か確認する。
UEVRInjector.exeを起動し、対象のPCゲームを起動する。- プロセス一覧から対象ゲームを選ぶ。ランチャーとゲーム本体を取り違えない。
- 使うランタイムをOpenVR/OpenXRから選ぶ。
- 作品の案内がある場合はプロファイルと注入前の設定を確認する。
- Injectを選び、ヘッドセット内の映像と操作を確認する。
ゲームが一覧に出ない場合、公式は管理者としての起動を案内しています。
まずゲーム本体が動いていることを確認し、必要な場合だけ試してください。
すべての不具合を管理者起動で解決するわけではありません。
UEVRのメニューは初期設定ではInsertキー、またはゲームパッドのL3+R3同時押しで開きます。
キーは設定で変更できるため、反応しない場合は割り当てを確認します。
まず左右の映像、頭の回転・移動、メニュー、ゲーム操作を別々に確認してください。
初回の確認では、ゲーム名・ゲームの版・UEVRの版・ヘッドセット・接続方式を記録します。
同じセーブ地点を使い、元の描画方式と解像度を控えてから設定を変えましょう。
確認結果は「注入できた」「両目に表示された」「視点が動いた」「操作できた」に分けて残します。
表示だけ成功して操作できない場合は、画質を調整する前にプロファイルの入力条件へ戻って確認してください。
描画方式は症状に合わせて比較する
| 方式 | 選ぶ理由と限界 |
|---|---|
| Native Stereo | 最初の比較候補。正常に動けば画質・性能面の利点があると公式は説明するが、作品によって描画不良やクラッシュがある。 |
| Synchronized Sequential | Native Stereoで崩れる場合の最初の代替候補。TAAの二重像などが出ることがあり、モーションブラーも確認する。 |
| Alternating/AFR | 左右を異なるフレームで交互に描く。両目のずれが出るため、公式は他の二方式が使えない場合を除いて勧めていない。 |
描画方式を変えたら同じ場面で比較します。
片目だけおかしい状態や強いちらつきのまま遊び続けず、ゲームを終了して設定と対応状況を見直してください。
解像度を上げる操作は、左右の表示が正常になってから行います。
設定を詰める|ゲーム内メニューと描画方式
注入後は、キーボードのInsertキー(コントローラーはL3とR3の同時押し)でUEVRのメニューが開きます。
最初に見るのは描画方式です。
- Native Stereo:両目を1回で描く。いちばん軽く、UE5の作品ではまずこれ
- Synchronized Sequential:両目を順に描く。Native Stereoで表示が崩れる作品の次の候補
- AFR(Alternating Frame Rendering):左右を交互に描く。最後の手段で、回転時にカクつきが出やすい
互換リストの「描画方式」の列は、報告者がその作品で使った方式です。表のとおりに合わせると近道になります。
次に、解像度スケールを下げてフレームレートを確保し、安定してから上げます。
酔いやすい人は、スナップ回転と、頭の上下とカメラを切り離す設定(Decoupled Pitch)を試してください。
設定は作品ごとにプロファイルとして保存できるので、変えた項目は前の節の手順で先に元の状態を保存しておきます。
注入で落ちる・暗い・カクつくとき
| 症状 | 一つずつ確認すること |
|---|---|
| Inject直後に落ちる | ゲームとUEVR・プロファイルの版を確認。Native Stereoなら代替の描画方式を比較し、重ねて表示するツールとの競合も調べる。 |
| 映像が暗い | 公式のHDRに関する説明を確認し、元の値を控えてHDRオフと比較する。 |
| ちらつき・強い遅れ | DLSS Frame Generationなどのフレーム生成を確認。オフで比較し、結果を記録する。 |
| 頭の回転に遅れがある | Virtual DesktopならOpenXRとVirtual Desktop fixを確認。無線接続の問題はネットワーク診断と分ける。 |
| 全体的に重い | ゲーム内画質と描画解像度を下げて比較。SteamVRを使う場合は全体・アプリ別の解像度も確認する。 |
| 手の操作が期待と違う | プロファイルの入力方式を確認。立体表示が成功しても、全作品で6DoFの手の操作が自動で完成するわけではない。 |
公式資料には既存VRプラグイン、起動オプション-nohmd、WindowsのGPUスケジューリングなどもあります。
いきなりゲームファイルを削除したり、Windows全体の設定をまとめて変えたりせず、対象作品の案内と症状が合うときに、戻せる変更から比較してください。
Extreme Compatibility Modeも、公式は最後の選択肢として扱っています。
プロファイルを試す前に、元の設定を保存する
UEVRの設定は作品ごとに、次のフォルダーへ保存されます。
フォルダー名はゲームの実行ファイル名なので、Steam上の表示名と同じとは限りません。
%APPDATA%\UnrealVRMod\<ゲームの実行ファイル名>
公式のOpen Global Dirから対象のフォルダーを確認でき、Export Configも設定の書き出しに使えます。
プロファイルの取り込み前に、現在の設定を別名で保存します。
- 対象ゲーム、配布版、UEVR版、ランタイム、現在の設定を控える。
- ゲームを終了し、対象の設定フォルダーを控えとして保存する。
- 導入するプロファイルが同じ作品・版向けか確認する。
- プラグインやスクリプトを伴う場合は、どのファイルを追加するか記録する。
- 適用後、同じ場面で表示・操作・負荷を確認し、改善しなければ保存した状態へ戻す。
プラグインは作品別のpluginsだけでなく、%APPDATA%\UEVR\pluginsの共通フォルダーにも置けると公式は説明しています。
共通側へ追加したファイルは、作品別のconfig.txtだけを戻しても元に戻りません。
追加した場所とファイルを記録し、変更前の状態と照合してください。
通常のPCゲームへ戻す
- 対象ゲームとUEVRInjectorを終了する。
- UEVRからInjectせず、ゲームを通常の方法で起動する。
- 起動オプションやゲーム内のHDR・画質を変更した場合は、記録に従って戻す。
- 外部プロファイルや追加プラグインを変更した場合は、ゲームを終了した状態で保存済みの設定へ戻す。
- ゲームファイルを手動で置き換えた場合は、その控えと開発元の復旧案内を確認する。
UEVRの注入、作品別設定、追加プラグイン、ゲーム本体への変更を分けて記録しておけば、どこを戻すべきか判断できます。
Unreal Engine以外も含む別方式はvorpXの対応ゲームと表示方式を参照してください。
参考にした公式情報
- praydog/UEVR:配布元・導入前提
- UEVR:安定版とリリース履歴
- UEVR公式サイト:機能と対応範囲の表記
- UEVR:導入、アンチチート、描画方式、診断
- UEVR:ランタイム、設定の保存先・プラグイン
- Microsoft:.NETのサポート期間
確認日:2026年10月3日。対応作品の表と配布版の節は2026年10月29日に足しました。
今回、Questやゲームでの実機操作・導入・画面撮影は行っていません。
公開資料に基づく案内です。
利用するOS・機種・アプリの版で表示や使用できる機能が変わる場合があります。
