Premiere Proのプロキシは、編集用に用意する軽い代替映像です。高解像度の素材を直接再生すると重い場合に、プロキシで編集し、最終的な書き出しには元の映像を使う構成を作れます。
ただし、重いエフェクトや大量の合成まで必ず軽くなるわけではありません。この記事では、素材の読み出し・再生が負担になっている場面を想定し、作成から切り替え、書き出しの確認まで説明します。
プロキシと元の素材の関係
| 項目 | 原本 | プロキシ |
|---|---|---|
| 主な役割 | 最終品質の基準となる映像 | 編集作業用の代替映像 |
| 保存 | 削除せず保管する | 原本と区別して保管する |
| 編集時の表示 | 細部や色を確認する | カットや構成を確認する |
| 納品時 | 必要な原本がオンラインか確認 | 意図せず出力に使わないよう設定を確認 |
プロキシを作成しても、原本のバックアップが不要になるわけではありません。編集用の低解像度データだけ残して原本を削除すると、最終品質で書き出せなくなる可能性があります。
作成前に決める3つのこと
最初に、作成する素材、保存先、識別方法を決めます。すべての素材を一度に変換せず、負荷の高い素材を少数選んで試すと、効果と容量を把握しやすくなります。
- 対象:重い映像クリップを選び、静止画や音声と混同しない。
- 保存先:原本と区別でき、十分な空き容量がある場所にする。
- 識別:専用フォルダーや透かしで、プロキシ表示と分かるようにする。
素材がオフラインのままでは、必要な変換を進められません。先に原本を正しく参照できる状態へ戻します。
Premiere Proでプロキシを作成する手順
- 原本の映像をプロジェクトへ読み込む。
- プロジェクトパネルで対象クリップを選択する。
- 右クリックから「プロキシ→プロキシを作成」を選ぶ。
- フレームサイズ、プリセット、保存先を設定する。
- 必要に応じて透かしを設定する。
- 変換処理が完了し、クリップへプロキシが接続されたことを確認する。
プリセット名や既定値はバージョンで変わる場合があります。最初は用意されているプロキシ用プリセットを基準に、少数の素材で画質と再生の軽さを比較します。現在の操作はAdobe公式のプロキシ作成手順を確認してください。
変換にはAdobe Media Encoderが使われる構成があります。起動しない、変換が失敗する場合は、Media Encoderの状態、保存先への書き込み、元素材が読み出せるかを確認します。
プロキシを切り替えて効果を確認する
プログラムモニターの「プロキシの切り替え」ボタンを使い、同じ箇所を原本とプロキシで再生します。ボタンが見当たらない場合は、ボタンエディターから追加します。Adobeの4K素材とプロキシのチュートリアルでも、切り替えボタンの追加を確認できます。
透かしを付けた場合は、その表示が切り替わるかを確認します。ボタンの状態だけでなく、実際に接続済みのプロキシが使われているかを見ることが大切です。
比較するときは、再生解像度やエフェクトの状態など、ほかの条件を揃えます。プロキシだけの効果なのかを判断しやすくなります。
作ったのに軽くならない場合
| 確認項目 | 見る理由 |
|---|---|
| プロキシの接続が完了しているか | ファイルを作っただけでは切り替わっていない可能性がある |
| プロキシ表示が有効か | 原本を再生したままでは比較できない |
| 保存先の読み出しが遅くないか | 低速な外付け・ネットワークが負担になる場合がある |
| エフェクトや合成が重くないか | 素材のデコード以外が原因なら効果が限定される |
| 別アプリの負荷が高くないか | CPU・メモリ・ディスクの競合を確認する |
一時的に重いエフェクトを無効にして違いを見る場合は、設定を記録し、最終書き出し前に戻します。プロキシをさらに小さくする前に、何がボトルネックかを分けて調べてください。
プロキシのサイズを小さくしすぎない
編集の目的によって、必要な確認精度は異なります。会話のカットなら軽さを重視しやすい一方、小さな文字、ピント、ノイズ、細かな合成境界を確認する作業では原本が必要になります。
特に色や仕上がりを判断する工程は、原本へ切り替えて確認する習慣を付けます。低解像度の表示で気付かなかった問題が、最終出力で見える場合があるためです。
最終書き出しは原本と出力設定を確認する
Adobeの公式案内では、通常の書き出しは、編集時にプロキシ表示が有効でもフル解像度メディアを使います。一方、書き出し設定にはプロキシを使用する選択肢があります。Adobe公式:プロキシの書き出し
納品用では、原本がオンラインであること、意図せず「プロキシを使用」を選んでいないことを確認します。短い区間を書き出し、細部、色、音声、透かしの有無を見てから全体へ進めると、長時間のやり直しを減らせます。
確認用にあえてプロキシから書き出す場合は、納品用と区別できるファイル名にします。プレビュー用ファイルがそのまま最終納品へ混ざらないようにしてください。
プロジェクトを移動するときの注意点
原本、プロキシ、プロジェクトを別々の場所へ無計画に移動すると、リンクが切れやすくなります。案件フォルダー内で用途を分け、別PCへ渡すときは何を同梱したか記録します。
プロキシだけで共同編集を進める場合も、最終書き出しを誰がどの原本で行うかを決めます。ファイル名、フレームレート、音声構成などの対応関係が崩れないように管理しましょう。
DaVinci Resolveも使う場合は、プロキシと最適化メディアの違いも参照できます。似た名前の機能でも、作成・接続・書き出しの扱いはアプリごとに確認することが大切です。
