Premiere Proで複数のクリップに同じエフェクトや色の補正をかけるには、調整レイヤーを作ってクリップの上のトラックに置き、調整レイヤーにエフェクトを追加します。
調整レイヤーに追加したエフェクトは、その下のトラックにあるすべてのクリップに効くため、クリップを1本ずつ設定する必要がありません。
この記事は、Adobe公式ヘルプ(調整レイヤーの作成、調整レイヤーのサイズを変更、クリップのエフェクトのコピーとペースト)の記載をもとにまとめたものです(2026年10月18日確認)。
画面での操作の再現は含みません。
メニューやパネルの名前は、この機に入っているPremiere Pro 2026の日本語の文字列ファイルで確かめています。
調整レイヤーが向いている場面
Adobeのヘルプでは、調整レイヤーはタイムラインパネルでビデオクリップの上に置く透明なレイヤーで、適用した効果がその下のトラックにあるすべてのクリップに影響すると説明されています。
ヘルプが挙げている使いどころは、次の3つです。
- シーン全体に同じカラーグレーディングをかける
- 複数のショットにビネット(周辺を暗くする効果)を足す
- タイムラインの複数のクリップに、そろった見た目の効果をかける
同じ効果をクリップごとに付けるより手間が少なく、後から設定を変えるときも調整レイヤーの1か所を直せば済みます。
調整レイヤーの作り方
- ファイルメニューの「新規」から「調整レイヤー…」を選ぶ
- ビデオ設定のダイアログで、必要なら設定を変えて「OK」を選ぶ
- プロジェクトパネルにできた調整レイヤーを、効果をかけたいクリップより上のビデオトラックへドラッグする
- タイムラインで調整レイヤーの端をドラッグし、効果をかけたい範囲まで長さを合わせる
ヘルプでは、調整レイヤーをドラッグする先は「タイムラインで影響を与えたいクリップ上にあるビデオトラック」とされています。
エフェクトを追加する
- タイムラインで調整レイヤーの本体をクリックして選ぶ
- エフェクトパネルの検索欄に、かけたいエフェクトの名前を入れる
- 見つかったエフェクトをダブルクリックして、調整レイヤーに追加する
- Shift+5キーでエフェクトコントロールパネルを開き、エフェクトの数値を調整する
ヘルプでは、1つの調整レイヤーに複数のエフェクトを追加できると説明されています。
シーケンスを再生すると、下のトラックのクリップすべてに、調整レイヤーで変えた内容が反映されます。
効く時間と範囲を絞る
調整レイヤーは、長さと画面上の大きさを変えることで、効果がかかる時間と場所を絞れます。
| 絞りたいもの | やり方 |
|---|---|
| 効果がかかる時間 | タイムラインで調整レイヤーの始点や終点をドラッグして長さを変える |
| 効果がかかる画面の範囲 | エフェクトコントロールパネルの「モーション」を開き、「スケール」で大きさを、「位置」で場所を変える |
画面の一部だけに効果をかける手順は、ヘルプでは次のとおりです。
- タイムラインパネルで調整レイヤーを選ぶ
- エフェクトコントロールパネルを選ぶ
- 「モーション」を開き、「スケール」で調整レイヤーが覆う範囲を広げたり狭めたりする
- 「位置」で、大きさを変えた調整レイヤーを効果をかけたい場所へ動かす
- シーケンスを再生して、思ったクリップと範囲に効果がかかっているか確かめる
効果をかけたくないクリップはトラックの順番で分ける
調整レイヤーの効果は、調整レイヤーより下のトラックのクリップにかかります。
ヘルプの説明どおりなら、テロップやロゴのように色を変えたくないものは、調整レイヤーより上のトラックに置けば効果の対象から外れます。
逆に、効果をかけたいクリップが調整レイヤーより上のトラックにあると、そのクリップには効きません。
効果がかからないときは、まずトラックの上下の関係を見直してください。
属性のペーストとの使い分け
同じエフェクトを複数のクリップに付ける方法には、調整レイヤーのほかに、エフェクトをコピーして別のクリップに貼り付ける方法があります。
| 方法 | 向いている場面 |
|---|---|
| 調整レイヤー | 続けて並んだクリップに同じ効果をかけ、後から1か所で直したい |
| 編集メニューの「ペースト」 | 1本のクリップのエフェクトを、別のクリップにもそのまま付けたい |
| 編集メニューの「属性をペースト…」 | 貼り付けるエフェクトとキーフレームを選んで付けたい |
ヘルプでは、属性のペーストでは「モーション」「不透明度」「タイムリマップ」「ボリューム」は置き換えられ、既存のエフェクトは残り、新しいエフェクトが追加されると説明されています。
コピー&ペーストで付けたエフェクトは、クリップごとに別々の設定になります。
後から数値を変えると決まっているなら、調整レイヤーにまとめておくほうが直す場所が1つで済みます。
キーフレームを含めて貼り付けると、キーフレームは貼り付け先のクリップの似た位置に置かれ、貼り付け先が短いとアウトポイントを越えることがあるとヘルプに書かれています。
その場合は、アウトポイントを調整するか、エフェクトコントロールパネルのメニューで「ワークエリアをクリップの範囲に設定」の選択を外すと表示されます。
うまくいかないときの確認点
- 調整レイヤーが、効果をかけたいクリップより上のトラックにあるか
- 調整レイヤーの長さが、効果をかけたい時間をすべて覆っているか
- 「モーション」の「スケール」や「位置」を変えて、覆う範囲が画面の一部になっていないか
- エフェクトが、クリップではなく調整レイヤーに追加されているか
エフェクトを重ねて再生が重くなったときは、Premiere Proが重いときの対処法も参考にしてください。
確かめていないこと
- この記事の手順を、Premiere Proの画面で操作して確かめてはいない
- 調整レイヤーより上のトラックのクリップに効果がかからないことを、実際の素材で確かめてはいない
- 調整レイヤーに付けたエフェクトとクリップに付けたエフェクトで、書き出し時間に差が出るか
参照したページは、Adobe:調整レイヤーの作成、Adobe:調整レイヤーのサイズを変更、Adobe:クリップのエフェクトのコピーとペーストです。
