Premiere Proで文字起こしが進まないときは、どの素材を、どの言語で、どの音声トラックから処理するかを確認します。音声が聞こえていても、文字起こしの対象として別のトラックや範囲を指定していると、期待した文章は生成されません。
この記事では、文字起こしを開始できない、処理が止まる、結果が空になる場合の確認手順を説明します。Premiereのバージョンによって、テキストパネルの表示やメニュー名は異なります。
症状を分けて確認する
| 症状 | 最初の確認先 |
|---|---|
| 文字起こしの項目が見つからない | テキストパネル、選択中のクリップ・シーケンス |
| 言語を選ぶとダウンロードが必要になる | 対象言語の言語パック |
| 完了しても文章が出ない | 解析対象の音声、指定範囲、実際の会話の有無 |
| 別の言語や誤認識が多い | 言語設定、録音状態、複数言語の混在 |
| 文章はあるが画面に字幕が出ない | キャプションの作成と表示設定 |
文字起こしとキャプションは別の段階です。文字起こしが成功していても、文章からキャプションを作成していなければ、動画上に字幕として表示されるとは限りません。
1.テキストパネルと処理対象を確認する
ウィンドウメニューから「テキスト」を開き、文字起こしのタブを確認します。素材クリップを処理したいのか、編集したシーケンス全体を処理したいのかを決めてから操作してください。目的のクリップやタイムラインがアクティブになっていることも確認します。
現行の公式手順では、文字起こしタブのメニューから静的な文字起こしを生成する方法が案内されています。対象の言語、解析する音声、イン点・アウト点の範囲などを指定できます。具体的な表示はAdobeの自動文字起こし手順と、使用しているバージョンを照らし合わせてください。
以前に文字起こし済みの素材では、新規作成ボタンと同じ表示にならない場合があります。既存の文章を修正済みなら、再処理で失わないように、プロジェクトの複製や文字起こしの書き出しをしてから試しましょう。
2.日本語の言語パックを確認する
文字起こしの言語一覧で、使用したい言語にダウンロードのアイコンが表示されている場合は、言語パックを導入します。日本語の音声なら日本語を選びます。Premiereの画面表示が日本語であることと、音声解析用の言語パックが使えることは分けて確認してください。
ダウンロードが完了しない場合は、インターネット接続と、会社や学校のネットワーク制限を確認します。管理されたPCでは、アプリや追加コンポーネントの導入に制限がある場合もあります。別バージョンのPremiereを併用している場合は、現在起動しているアプリ側で確認しましょう。
導入操作はAdobeの言語パックのダウンロード手順に掲載されています。ネット上にある古い「音声分析」の説明は、現在の自動文字起こしと対象機能が異なることがあるため注意してください。
3.解析対象に会話の音声が入っているか確認する
シーケンスの文字起こしでは、指定したトラックに話し声が入っているか確認します。たとえばA1がBGM、A2がナレーションなのにA1だけを解析対象にすると、会話の文章を期待どおりに取得できません。
会話として分類されたクリップを対象にする設定を使っている場合は、その分類も確認します。また、イン点とアウト点の範囲だけを処理する設定が有効なら、無音部分や短すぎる範囲を指定していないか見直してください。
- 目的の区間を再生し、話し声を聞けることを確認する。
- 声が入ったトラックを特定する。
- そのトラックまたは適切な解析対象を指定する。
- 短い会話の区間で文字起こしを試す。
素材自体に声が録音されていない場合や、強い雑音で聞き取れない場合は、設定だけで正確な文章を復元できません。文字起こし後も、人名・固有名詞・数字を元の音声と照合します。
4.自動処理の対象設定を確認する
読み込んだだけで文字起こしが始まると思っていた場合は、環境設定のメディア解析・文字起こしに関する項目を確認します。自動文字起こしを行うか、すべての読み込み素材を対象にするか、シーケンス内の素材を対象にするかなどを設定できます。
この設定は、手動で開始した処理のエラーを必ず解決するものではありません。「自動で始まらない」のか「手動でも失敗する」のかを分けてください。各項目は文字起こしの環境設定で確認できます。
5.短い別素材で処理できるか試す
設定を確認しても進まない場合は、新規プロジェクトに短い会話素材を一つ読み込み、同じ言語で試します。別素材で成功するなら、元の素材・範囲・プロジェクトの設定を調べます。別素材でも失敗するなら、言語パックやアプリ側の状態を優先して確認しましょう。
更新や設定の初期化を検討する前に、現在のバージョンとエラーの文面を記録します。長時間素材を何度も処理するより、短い素材で条件を固定した方が、変更の効果を判断できます。
文字起こし後は字幕の表示まで確認する
文章を確認したら、必要に応じてキャプションを作成します。誤字を直し、タイミングと改行を調整してから短く書き出し、動画上で表示を確認しましょう。別ソフトへ字幕を渡す場合は、SRT字幕の読み込みと書き出しも参考になります。
