Illustratorが重いときは、買い替える前に「どの操作が遅いか」を分けて確認してください。
特定のファイルだけで遅くなるのか、ほかのアプリを閉じても遅いのかで、必要な対策は変わります。
この記事では、Illustratorを使うための要件と、メモリ・CPU・GPU・ストレージを見直す順番を整理します。
まず使用するバージョンの技術要件を確認する
対応OSとGPUの条件はIllustratorのバージョンやWindows・Macで異なります。
Adobe公式の技術要件で、実際に使用するバージョンの欄を確認してください。
参照した技術要件にはメモリ8GB以上、16GB以上を推奨する記載がありますが、これはすべての制作ファイルで快適さを保証する容量ではありません。
画像の多い資料や複数アプリを同時に開く作業では、実際のメモリ使用量も確認します。
重くなる場面から原因を切り分ける
| 症状 | 先に確認すること | PC選びに使う情報 |
|---|---|---|
| 特定のファイルだけ重い | 配置画像、複雑なパス、効果、アートボードの数を確認 | 普段使うファイルの規模と処理時間 |
| ほかのアプリと同時に使うと重い | 不要なアプリを閉じ、メモリ使用量の変化を比べる | 併用アプリと作業中のメモリ使用量 |
| 拡大・縮小やスクロールが重い | GPUパフォーマンス設定と対応ドライバーを確認 | モニターの解像度とGPU対応状況 |
| 開く・保存する操作が遅い | 複製したファイルを内蔵ストレージで試す | 保存先、空き容量、ネットワークの影響 |
比較には元ファイルの複製を使い、同じ操作を同じ条件で試してください。
複数の設定を一度に変えると、何が改善に寄与したか判断しにくくなります。
メモリは32GBを必須にせず、作業量で考える
32GBは、Photoshopやブラウザーを併用する制作環境で検討する容量の一例です。
小さなデータの学習用途から大量の配置画像を扱う業務まで、必要な容量は同じではありません。
普段の作業でメモリ不足が続くかを確認し、不足している場合に増設や買い替えを検討します。
増設前には、機種ごとの最大容量、空きスロット、交換できる構造かを確認してください。
CPUはクロック数やコア数だけで決めない
旧記事の「コア数を増やしても速くならない」という断定は取り下げました。
処理の種類、Illustratorのバージョン、CPUの世代、併用するソフトによって結果が変わるためです。
動作周波数の数字だけで、世代の異なるCPUの実際の速さを比較することもできません。
予算を増やす場合は、自分が待たされている操作に近い条件での比較結果を参考にしてください。
この記事では実機の性能測定を行っていないため、特定CPUへの変更で何倍速くなるという数値は掲載しません。
GPUは対応状況と描画の症状を確認する
GPUパフォーマンス機能を利用するには、OS別の技術要件を満たす必要があります。
高価なGPUへの交換を決める前に、現在のGPUが対応しているか、ドライバーや設定に問題がないかを確認します。
描画の不具合がある場合は、Adobeの案内に沿ってCPUプレビューとの違いを比べ、問題がGPU経路に関係するかを切り分けてください。
ストレージは空き容量と保存先を確認する
アプリのインストールに必要な空き容量と、制作データを保存する容量は分けて見積もります。
512GBや1TBという総容量だけで判断せず、現在の使用量、元画像、バックアップ先も確認してください。
ネットワーク上のファイルだけで読み込みが遅い場合は、PC本体の買い替え前に保存先の影響を確認します。
具体的なPC比較は制作環境ガイドへ
機材を選ぶ段階では、IllustratorだけでなくPhotoshopや動画編集など、併用する作業も含めて見積もります。
PCの機種比較は、運営メディア「デザノマ」の制作PCの構成・増設の選び方へまとめています。
相談や見積もりには、使用ソフト、ファイル容量、モニター、現在困っている操作、増設の可否を添えると条件を伝えやすくなります。
Illustratorの操作解説は、次のまとめから確認できます。

参考:Adobe公式のIllustrator技術要件、パフォーマンス改善の案内。
比較前にそろえる作業条件
| 記録する条件 | 記入例・確認内容 |
|---|---|
| IllustratorとOS | 版、OS、プラグインの有無 |
| 入力データ | コピーしたAI、容量、配置画像とアートボードの数 |
| 試す操作 | 開く、保存、拡大、同じ効果の適用などを1つずつ |
| 保存先と表示条件 | 内蔵ストレージ/同期先、解像度と表示倍率 |
| 併用アプリ | Photoshop、ブラウザーなどとメモリ使用量 |
| 結果 | 複数回の所要時間、不具合、出力が意図した内容か |
上の表は比較時の記録項目で、特定PCの実測値ではありません。機材購入前に、症状が文書の整理や保存先・設定の変更で変わるかも確認します。画面や入力機器を選ぶ段階は周辺機器の選び方へ進んでください。
2026年10月3日にAdobeの現行技術要件を確認しました。実機の版確認と機材の性能測定は別の作業であり、このサイトの30.8.2の起動確認をPC間の性能比較としては使っていません。
