動画編集用のノートPCは、どこを見て選べばいいのか。
ゲーミングノートと同じ基準で選ぶと失敗します。
結論から言えば、優先して確認すべき項目は3点あります。
選定基準はメモリ32GB、ハードウェアエンコーダーの有無、画面の色域です。
動画の書き出しやプレビューにおいて、GPUの単体性能は極端な差になりません。
ノートPCで動画編集をするときの前提
持ち運ぶ必要がない環境なら、デスクトップPCのほうがコストパフォーマンスに優れます。
同じ予算であれば、より大容量のメモリやSSDを搭載でき、排熱・冷却設計にも余裕があります。
それでもノートPCを選ぶメリットがあるのは、次のようなケースです。
- 撮影現場で素材を確認し、その場で粗編集を行いたい
- コワーキングスペースや出先など、作業場所を固定できない
- 日常用途と編集作業を1台にまとめたい
据え置き中心で作業する場合は、動画編集向けPC比較のデスクトップPCもあわせて検討してください。
ノートPC選びで重視すべき3つのポイント
① メモリ32GB|購入後に増設できないモデルに注意
最も重要な選定基準です。
Premiere Proで4K素材を編集する場合、32GBが実質的な目安です。
一般的なデスクトップと異なり、最近のノートPCはオンボード(基板直付け)仕様でメモリ増設ができない機種が主流です。
16GBモデルを購入してメモリ不足になった場合、本体の買い替えが必要になります。
予算に限りがある場合でも、GPUのグレードを下げてメモリ32GBを確保してください。
② ハードウェアエンコーダー|書き出し時間を大幅に短縮する
動画の書き出し処理にかかる時間は、純粋な3D描画性能ではなく専用ハードウェアエンコーダーに対応しているかで大きく左右されます。
実測例では、CPU処理によるソフトウェアエンコードに17.66秒かかった処理が、NVIDIAのNVENCでは1.83秒で完了しました。
| 方式 | 搭載しているもの |
|---|---|
| NVENC | NVIDIA GeForce搭載機 |
| Quick Sync | Intel CPUの内蔵GPU |
| Media Engine | Apple Silicon(Mac) |
いずれかの方式に対応していれば実用上は十分です。
ハードウェアエンコーダーはエントリークラスのGPUにも搭載されているため、書き出しの高速化だけを目的として最上位GPUを選ぶ必要はありません。
③ 画面の色域|ノートPCの内蔵パネルは性能差が大きい
ノートPCの内蔵ディスプレイは、製品によって色域や発色の正確さが大きく異なります。
本体ディスプレイで色調補正を行うなら、sRGBカバー率100%以上が基準です。
一般的なゲーミングノートはリフレッシュレートの高さを重視していますが、動画編集においては描画速度よりも色域の広さが仕上がりに直結します。
ゲーム向けスペックの基準だけで選ぶと見落としやすいポイントです。
おすすめのノートPC
約27万円:ASUS TUF Gaming A16(RTX 5060 / 32GB)|バランス重視
標準構成でメモリ32GBを搭載している点が特徴です。
16インチの画面サイズを確保しており、Premiere Proでの4K編集も快適に行えます。
機種選びに迷った場合の基準として適した1台です。
約27万円:ASUS Gaming V16(RTX 5060 / 32GB)|同価格の対抗馬
同様にメモリ32GBを備えた16インチモデルです。
内蔵SSDが512GBのため、編集データは外付けSSDに保存して運用する構成を想定してください。
約27万円:GIGABYTE GAMING A16(RTX 5070)|GPU重視
同価格帯の中でRTX 5070を搭載している構成です。
DaVinci Resolveを中心に使用する場合は有力な選択肢となります。
DaVinci ResolveはGPU処理への依存度が高く、GPUのグレード向上が編集時の快適さに反映されやすいためです。
約21万円:MSI Cyborg 15(RTX 5060 / 16GB)|予算を抑えるなら
20万円前後の予算で購入できるエントリー寄りのモデルです。
標準メモリが16GBのため、フルHD中心のカット編集には対応できますが、4K編集では容量不足になりやすい仕様です。
購入前にメモリのスロット空き状況や増設の可否を確認しておく必要があります。
約21万円:MacBook Air M4|静音性と携帯性を重視するなら
ファンレス設計による静音動作と、長時間のバッテリー駆動が特徴です。
Apple Siliconに統合されたMedia Engineにより、動画の書き出しもスムーズに行えます。
購入後のメモリ増設は一切できないため、16GBの容量で作業内容をカバーできるか事前に検討してください。
認定整備済製品であればメーカー保証が付属し、定価より抑えた価格で購入できる場合があります。
ノートPC本体と合わせて用意したい周辺機器
ノートPCは内蔵SSDの容量に上限がある製品が多く、動画素材を保管するストレージの確保が重要になります。
4K素材の編集時はプレビュー再生でも高速なデータ転送が求められるため、外付けドライブには高速なポータブルSSDを選んでください。
編集効率を高める周辺機器の選び方は、動画編集の作業が速くなる周辺機器で詳しく解説しています。
ノートPC選びでよくある失敗事例
- メモリ16GBの機種を購入し、後から増設できなかった。
特に多い失敗パターンです。
購入前にメモリスロットの有無や増設可否の仕様を確認してください。 - GPUのグレード数値だけで機種を選んでしまった。
Premiere Pro主体の作業では、GPU性能を引き上げる恩恵は限定的です。
予算はまずメモリ容量の確保に充てるのが堅実です。 - 内蔵SSD 512GBのみで4K素材を管理しようとした。
4K撮影素材は容量が大きく、数本のプロジェクトですぐに空き容量が逼迫します。
高速な外付けSSDでのデータ管理を前提に構成を組んでください。 - ディスプレイの色域を確認せずに購入した。
納品先や他デバイスで確認した際に色味がずれてしまい、再編集の手間が発生します。
まとめ
動画編集用のノートPCは、メモリ32GB、ハードウェアエンコーダー、画面色域の3項目を基準に選定すれば失敗を防げます。
GPUのスペックは、DaVinci Resolveを多用する場合を除いて優先度を下げても問題ありません。
詳しいスペックの決め方は動画編集PCの選び方、据え置き機も含めた全体比較は動画編集向けPC比較をご参照ください。
※本記事に掲載した価格・仕様は2026年9月3日時点の調査に基づきます。
最終調査日:2026年9月3日。
価格は変動するため、購入前に販売ページで最新の情報をご確認ください。
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動画編集PCの構成・増設費の確認
機種を確定する前に、使用ソフトや扱う素材形式、増設費用や保存ストレージを含めた全体構成を確認できます。
運営メディア「デザノマ」の動画編集PCの構成・増設費の確認の記事も参考にしてください。
