DaVinci Resolveで音が出ないときは、まずオーディオメーターが動いているかを見て、原因がタイムラインの中にあるのか、パソコンの出力先にあるのかを分けます。
メーターが動かないなら、再生ボタン・ミュート・ソロ・チャンネルの設定を、メーターが動くのに聞こえないなら、Preferencesの出力デバイスを確かめます。
この記事は、Blackmagic Design公式の「DaVinci Resolve 21 Reference Manual」(英語版PDF)と、対応形式の一覧「DaVinci Resolve 21.1 Supported Formats and Codecs」(2026年9月版)をもとにまとめたものです(2026年10月18日確認)。
実機での再現は含みません。
マニュアルが英語のため、画面の名前は英語の表記で書いています。
画面を日本語に切り替えたときの表示名は確かめていません。
最初にメーターを見る
Editページでは、Interface toolbarのMixerボタンを押すと、トラックごとのフェーダーとメーターが並んだAudio Mixerが開きます。
マニュアルによると、Mixerの右上のオプションメニューからMetersを選ぶと、全体の音量を示すメーターに切り替えられます。
再生しながら、メーターが動くかどうかを確かめてください。
| メーターの様子 | 疑う場所 |
|---|---|
| 動かない | 再生ボタン、トラックのミュートとソロ、クリップのチャンネル設定、音声の形式 |
| 動くのに聞こえない | Preferencesの出力デバイス、パソコン側の出力先と音量 |
| 一部のトラックだけ動かない | そのトラックのミュート、ほかのトラックのソロ、トラックの種類 |
この切り分け方は、マニュアルの各章の説明をもとに編集部がまとめたものです。
ツールバーの再生ボタンと音量
Editページのツールバーの右端には、音声の再生をオンとオフにするボタン、音量のスライダー、DIMボタンがあります。
マニュアルでは、DIMボタンは聞こえている音量を一時的に下げるためのものと説明されています。
再生のボタンがオフになっていないか、スライダーが下がりきっていないか、DIMがオンのままになっていないかを見てください。
ColorページのViewerにも、音声の再生をオンとオフにする操作部があるとマニュアルに書かれています。
トラックのミュートとソロ
タイムラインの音声トラックの見出しには、M(Mute)とS(Solo)のボタンがあります。
| ボタン | 働き |
|---|---|
| M(Mute) | そのトラックの音を止める |
| S(Solo) | ソロにしたトラック以外の音をすべて止める。複数のトラックをソロにできる |
どこか1つのトラックでSoloがオンになっていると、ほかのトラックはすべて聞こえなくなります。
マニュアルでは、Audio MixerのMuteとSoloで止めたトラックは、再生だけでなく書き出しでも止まると注意されています。
Deliverページに進む前に、必要なトラックを元に戻しておくよう書かれています。
MuteとSoloを変えられるのは、Edit・Cut・Fairlightの各ページだけです。
クリップのチャンネル数とトラックの種類
音声トラックには、Mono・Stereo・5.1・7.1・Adaptiveの種類があります。
マニュアルでは、どの種類のトラックにもクリップを置けるものの、トラックが持つチャンネル数を超えたクリップのチャンネルはミュートされると説明されています。
たとえば6チャンネルのクリップをMonoのトラックに置くと、再生されるのは最初の1チャンネルだけです。
撮影時に複数のマイクを別のチャンネルに録っていて、声が入っているのが2チャンネル目以降の場合は、Monoのトラックでは声が聞こえないことになります。
確かめる場所
- トラックの見出しに表示されるチャンネルの種類(mono・stereo・5.1・7.1・adaptive)
- クリップを右クリックしてClip Attributesを開き、Audioパネルでどのチャンネルがミュートになっているか
- トラックの種類を変えるときは、そのトラックの見出しを右クリックし、Change Track Type Toから選ぶ
マニュアルによると、Clip Attributesでミュートにしたチャンネルは消えずに残っていて、後から戻せます。
クリップをタイムラインの音声トラックの下にある何もない灰色の場所に置くと、クリップのチャンネルに合ったトラックが自動で作られるとも書かれています。
出力デバイスの設定
メーターが動くのに音が聞こえないときは、DaVinci Resolveがどの機器から音を出しているかを確かめます。
- DaVinci Resolve>Preferencesを開く
- 上部のSystemを選び、左の一覧からVideo & Audio I/Oを選ぶ
- Audio I/OのI/O Engineで、使う音声の仕組みを選ぶ(System Audio・Desktop Video・Fairlight Audio Accelerator・ASIO)
- System Audioの場合は、Output Deviceで音を出したい機器を選ぶ
- Saveを押す(再起動を求められたら従う)
ASIOはWindowsだけの選択肢です。
Automatic speaker configurationにチェックを入れると、Blackmagic Designのビデオ出力機器が有効になっていても、パソコン本体の音声出力から音が出るとマニュアルに書かれています。
Blackmagic Designの出力機器(DeckLinkやUltraStudioなど)をつないでいる場合は、音がそちらに送られていないかも確かめてください。
マニュアルでは、Systemの設定を変えると再起動を求められることがあると説明されています。
音声の形式が読めない
公式の対応形式の一覧(Supported Formats and Codecs、21.1)には、OSごとに読み込める音声の形式が載っています。
| 形式 | Windows | macOS | Linux(Rocky Linux) |
|---|---|---|---|
| WAV(非圧縮PCM 16/24/32bit) | 読める | 読める | 読める |
| AAC(aac・m4a) | 読める | 読める | 記載なし(-) |
| MP3 | 固定ビットレートのみ | 固定ビットレートのみ | 固定ビットレートのみ |
| FLAC | 読める | 読める | 読める |
| AC-3 | OSが対応する形式 | 読める | 読める |
| OPUS(mov・mp4) | 読める | 読める | 読める |
| USAC(mov・mp4) | 記載なし(-) | 読める | 記載なし(-) |
動画ファイルの中の音声は、上の表で読める形式であり、ヘッダーの情報が正しければ読めると書かれています。
Linuxでは、スマートフォンなどの動画によく使われるAACの音声の読み込みに、記載がありません。
Blackmagic Designのサポートページのダウンロード情報では、21.1.1 UpdateでWindows 11のパソコンにUSACの対応が加わったと書かれています。
USACの音声が聞こえないときは、バージョンを確かめてください。
一覧にない形式の音声は、WAVなどの読める形式に変換してから読み込むのが確実です。
変換の方法は使う道具によって違うため、この記事では扱いません。
映像が出ずに音声だけになる場合は、DaVinci Resolveで動画を読み込めないときの対処法を見てください。
再生が重くて音が途切れる
Timeline Viewerのオプションメニューには、Show All Video Framesという設定があります。
マニュアルでは、オフのときは映像のコマを落としてでも音声の再生を優先し、オンのときは映像のすべてのコマを表示する代わりに音声の質が落ちると説明されています。
再生が重い状態で音が途切れるなら、この設定がオンになっていないかを見てください。
根本の対策は、プロキシと最適化メディアで再生を軽くすることです。
書き出したファイルに音が入らない
編集中は聞こえるのに、書き出したファイルに音が入っていないときは、Deliverページの設定を確かめます。
- Render SettingsのAudioパネルで、Export audioにチェックが入っているか
- Output Trackで、書き出すMainやSubmixのバスが選ばれているか
- MixerでMuteやSoloにしたままのトラックがないか
マニュアルでは、Export audioは元の音声やDaVinci Resolveで同期した音声を、映像と一緒に書き出すためのチェックボックスと説明されています。
Fairlightページでバスの割り当てを変えた場合は、Fairlight>Bus Assignで、トラックが書き出すバスにつながっているかも見てください。
確かめていないこと
- この記事の手順を、DaVinci Resolveの画面で確かめてはいない
- 画面を日本語にしたときの各部の表示名
- USACの対応が加わった21.1.1以降の、新しい対応形式の一覧(参照した一覧は21.1のもの)
- AC-3がWindowsでどの条件なら読めるか(一覧の記載は「OSが対応する形式」のみ)
参照した資料は、Blackmagic Design:DaVinci Resolve 21 Reference Manual(英語・PDF・約187MB)のChapter 4 System and User Preferences、40 Using the Edit Page、52 Working with Audio in the Edit Page、126 Using the Color Page、171 Setting Up Tracks, Busses, and Patching、187 Rendering Mediaと、DaVinci Resolve 21.1 Supported Formats and Codecs(PDF)、Blackmagic Designのサポートページです。
