DaVinci Resolveで10bitの動画が読み込めないときは、まず素材のコーデックがH.264かH.265かを確かめます。
公式の対応形式一覧では、Windowsの無料版でH.264は8bitのみ、H.265は8bitと10bitが、OSが対応するプロファイルの範囲で読めることになっています。
つまり、10bitのH.264の素材は、Windowsの無料版では一覧の対象外です。
この記事は、Blackmagic Design公式の「DaVinci Resolve 21.1 Supported Formats and Codecs」(2026年9月版、PDF)と「DaVinci Resolve 21 Reference Manual」(英語版PDF)をもとにまとめたものです(2026年10月18日確認)。
実機での再現は含みません。
資料が英語のため、画面や設定の名前は英語の表記で書いています。
動画が読み込めない原因を全体から切り分けたいときは、先にDaVinci Resolveで動画を読み込めないときの対処法を見てください。
この記事では、10bitの素材に絞って、公式の一覧に書かれている条件を整理します。
まず素材の形式を確かめる
同じ「10bitのMP4」でも、中の映像の圧縮方式(コーデック)によって、DaVinci Resolveで読めるかどうかが変わります。
次の項目を、カメラの記録設定や、動画の情報を表示する道具で確かめてください。
- 映像のコーデック(H.264/AVC、H.265/HEVC、カメラ固有の名前など)
- ビット深度(8bit・10bit)
- 入れ物(コンテナー)の形式(mp4・mov・mxfなど)
カメラのメニューでは、XAVCやXF-HEVCのように、メーカー独自の名前で表示されることがあります。
読み込めた素材の形式は、ColorページのThumbnail timelineでクリップを右クリックしてView Clip Detailsを選ぶと、Formatの欄にフレームサイズとビット深度、Codecの欄にコーデックが表示されるとマニュアルに書かれています。
H.264とH.265の対応(OS別)
公式の対応形式一覧(21.1)のDecode(読み込み)の欄は、OSごとに次のように書かれています。
| OS | H.264 | H.265 |
|---|---|---|
| Windows | 8bitのOSが対応するプロファイル。Studioではプロファイルが増え、GPUで処理できる | 8bitと10bitのOSが対応するプロファイル。Studioではプロファイルが増え、GPUで処理できる |
| macOS | 読める(GPU処理あり) | 読める(GPU処理あり) |
| Linux(Rocky Linux 8.6) | Studioのみ(NVIDIAのGPUで処理) | Studioのみ(NVIDIAのGPUで処理) |
Windowsの無料版でH.264として読めると書かれているのは8bitだけです。
10bitのH.264は、無料版の記載に含まれていません。
Studioで「プロファイルが増える」とされていますが、増えるプロファイルの中身は一覧に書かれていません。
WindowsのH.265は10bitも読める側に入っていますが、「OSが対応するプロファイル」という条件付きです。
一覧の注記では、macOSとWindowsでは、OSが標準で対応している形式の多くをDaVinci Resolveが読めると説明されています。
Linuxでは、H.264とH.265のどちらもStudioのみです。
カメラ固有の形式で、Studioのみと書かれているもの
一覧(Windows版の表)には、10bitに関わる記載がカメラごとにもあります。
| 形式 | 一覧の記載(Decode) |
|---|---|
| Panasonic(shv) | 8bitは読める。10bitはStudioのみ |
| Sony XAVC・XAVC Intra(mov) | Studioのみ |
| Sony XAVC・XAVC Intra・XAVC-H(mxf Op1A) | Studioのみ |
| MV-HEVC(mov・mp4) | StudioとNVIDIAのGPUが必要 |
| MXF AVC(AVC Intra) | 読める。書き出しの一部がStudioのみ |
カメラの10bitの記録形式が、上のようにStudioのみとされている形式に当たる場合、無料版では読み込めない前提で考えてください。
macOSの表では、Panasonicのshvの10bitはStudioのみですが、Sony XAVC(mov)やMV-HEVCはStudioのみとは書かれておらず、OSごとに記載が違います。
自分のOSの欄を見てください。
無料版とStudioのどちらを使っているか
ここまでの表のとおり、10bitの素材が読めるかどうかは、無料版かStudioかで変わる場合があります。
Studioに切り替える前に、次の順で確かめるのが確実です。
- 素材のコーデックとビット深度を確かめる
- 使っているOSとDaVinci Resolveのバージョンに合った、対応形式一覧のDecodeの欄を見る
- 記載が「Studio only」なら、無料版では読めない前提で考える
- 記載が「OS-supported profiles」なら、OS側がその形式に対応しているかを確かめる
この順番は、一覧の記載をもとに編集部がまとめたものです。
無料版とStudioの違いは、DaVinci Resolve無料版とStudioの違いにまとめています。
ハードウェアでの処理の設定
マニュアルによると、DaVinci Resolve>Preferences>SystemのDecode Optionsに、Decode H.264/HEVC using hardware accelerationという設定があります。
パソコンで使える場合に、H.264とHEVCの再生にハードウェアでの処理を使う設定と説明されています。
一覧では、WindowsでのH.264・H.265のGPUでの処理は「Studioで」と書かれています。
一覧の注記では、GPUを使った処理はハードウェアの対応に左右されるとされています。
読み込めても再生がとても重い場合は、プロキシと最適化メディアを使う方法もあります。
読めない形式だったときの対処
使っている環境で読めない形式だった場合の選択肢は、次の3つです。
- 一覧で読める側に入っている形式に、DaVinci Resolveの外で変換してから読み込む
- カメラの記録設定を、使っている環境で読める形式に変えて撮り直す(これから撮る素材の場合)
- 一覧でStudioなら読めると書かれている形式なら、Studioを検討する
一覧では、Windowsでも10bitを読める形式として、Apple ProRes(422・422 HQ・4444など)、Avid DNxHR(HQX・444など)、GoPro CineForm(YUV 10bit)が挙げられています。
変換するときは、10bitから8bitに落とすと色の情報が減るため、変換先のビット深度も確かめてください。
変換した後は、短い素材1本で、読み込み・色・音声のずれがないかを先に確かめると安全です。
確かめていないこと
- この記事の内容を、DaVinci Resolveの画面と実際の10bitの素材で確かめてはいない
- Studioで増えるH.264・H.265のプロファイルの具体的な中身(一覧に記載なし)
- Windowsでどのプロファイルが「OSが対応する」に当たるか
- 4:2:2などの色差の形式ごとの違い(一覧のH.264・H.265の欄には記載なし)
- 21.1より新しいバージョンでの変更
参照した資料は、DaVinci Resolve 21.1 Supported Formats and Codecs(PDF)と、Blackmagic Design:DaVinci Resolve 21 Reference Manual(英語・PDF・約187MB)のChapter 4 System and User Preferences(Decode Options)、126 Using the Color Page(Clip Details)です。
