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ローカルLLMのおすすめモデルを、用途別の選び方が分かるように比べました。
対象は、Ollamaで動くGemma 3・Qwen3・Llama 3.2・gpt-ossの4系統です。
結論は次の表のとおりで、日本語の文章ならgemma3:4b、軽さ重視ならgemma3:1bがおすすめです。
速度の数値は、GPUなしの16GBノートPCで当方が実測したもので、2026年10月25日時点の値になります。
| 用途 | 推すモデル | 容量 | 推す理由 |
|---|---|---|---|
| 日本語の文章・要約 | gemma3:4b | 3.4GB | 公式は140以上の言語に対応し、要約や質問応答に向くと説明しています。当方が測ったときは日本語の3点を英語まじりなしで答え、CPUだけで約11 tok/sでした |
| コーディング | qwen3:8b | 5.2GB | 公式は思考モードとツール利用に対応していると説明しています。当方が測ったときは日本語の回答が自然でした。CPUだけでは約6 tok/sで待つので、GPUのあるPC向きです。コードの品質は当方では確かめていません |
| 画像も読む | gemma3:4b(余裕があれば12b) | 3.4GB/8.2GB | 公式では4b以上が画像の入力に対応しています。読み取りの品質は当方では確かめていません |
| とにかく軽い | gemma3:1b | 806MB | 当方が測ったときは約33〜37 tok/sで、測った5つのなかでいちばん速いモデルでした。日本語の箇条書きも読めます。公式ではテキストのみです |
| 高性能を狙う | gpt-oss:20b | 14GB | 公式は「16GBメモリのシステムで動く」と書き、推論・エージェント向けと説明しています。当方は測っていません |
日本語特化モデルの深掘りと必要メモリの計算は別記事に任せ、本記事は「どれを選ぶか」と「PCを買い替えるべきか」に絞ります。
ローカルLLMのモデル一覧(公式の仕様で比べる)
まず、Ollamaのモデルページに載っている公式の仕様を1つの表にまとめました。
容量はダウンロードのサイズで、動かすにはこれより多いメモリがいります。
ベンチマークの点数は載せず、公式の説明と当方の実測だけで比べる方針です。
| モデル(Ollamaのタグ) | 容量 | コンテキスト長 | ライセンス | 公式の説明の要点 |
|---|---|---|---|---|
| gemma3:1b | 806MB | 32K | Gemma Terms of Use | Googleのモデル。テキストのみ |
| gemma3:4b | 3.4GB | 128K | Gemma Terms of Use | テキストと画像をあつかう。140以上の言語。質問応答・要約・推論に向く |
| gemma3:12b | 8.2GB | 128K | Gemma Terms of Use | 4bと同じ |
| gemma3:27b | 17GB | 128K | Gemma Terms of Use | 「1枚のGPUで動くなかでもっとも高性能」と公式が説明している |
| qwen3:0.6b/1.7b | 523MB/1.4GB | 40K | ページに記載なし | Alibabaのモデル。思考モード(thinking)とツール利用(tools)に対応している |
| qwen3:4b | 2.5GB | 256K | ページに記載なし | 上と同じ。100以上の言語と方言に対応し、翻訳に強いとしている |
| qwen3:8b(latest) | 5.2GB | 40K | ページに記載なし | 上と同じ |
| qwen3:14b/32b | 9.3GB/20GB | 40K | ページに記載なし | 上と同じ |
| qwen3:30b(MoE A3B) | 19GB | 256K | ページに記載なし | 上と同じ |
| llama3.2:1b/3b | 1.3GB/2.0GB | 128K | ページに記載なし | Metaのモデル。公式の対応は英・独・仏・伊・葡・ヒンディー・西・タイの8言語で、日本語はない。要約・指示にしたがう・ツール利用 |
| gpt-oss:20b | 14GB | 128K | Apache 2.0 | OpenAIのモデル。MXFP4量子化で「16GBメモリのシステムで動く」としている。推論・エージェント向け。思考の強さをlow/medium/highで変えられる |
| gpt-oss:120b | 65GB | 128K | Apache 2.0 | 「80GBのGPU1枚におさまる」と公式が書いている |
出典:Ollama:gemma3/Ollama:qwen3/Ollama:llama3.2/Ollama:gpt-oss(2026年10月25日確認)
ライセンスの本文:Gemma Terms of Use/Apache License 2.0
Gemma 3(Google)
1b・4b・12b・27bの4サイズがあり、4b以上は画像も入力できます。
公式は140以上の言語に対応し、質問応答・要約・推論に向くと説明しています。
27bは「1枚のGPUで動くなかでもっとも高性能」と公式が書いていますが、当方は試していません。
Gemma 3を使うには、Ollamaのバージョン0.6以降が必要です。
Qwen3(Alibaba)
0.6bから32bまでサイズの刻みが細かく、思考モードとツール利用に対応しています。
4bについて公式は、100以上の言語と方言に対応し、翻訳に強いとしています。
30bはMoE A3Bという構造で、容量19GBに対してコンテキスト長は256Kです。
思考モードは便利な反面、待ち時間がのびる原因にもなるので、後の節で実例を挙げましょう。
Llama 3.2(Meta)
1bと3bの小さなサイズで、要約・指示にしたがう・ツール利用に向くと公式は説明しています。
公式の対応言語は英語・ドイツ語・フランス語など8言語で、日本語は入っていません。
日本語で使ったときの様子は、実測の節でふれます。
gpt-oss(OpenAI)
20bと120bの2つで、ライセンスはApache 2.0です。
公式は、20bをMXFP4という量子化で「16GBメモリのシステムで動く」とし、推論・エージェント向けと説明しています。
思考の強さをlow・medium・highで切り替えられるのも特徴でしょう。
120bは「80GBのGPU1枚におさまる」と公式が書いており、個人のPCで動かすには別の工夫がいります。
GPUなしの16GBノートで測った生成速度(当方の実測)
当方で5つのモデルを同じ質問で動かし、生成の速さを測りました。
GPUなしのノートPCなので、GPUのあるPCではこれより速くなりますが、その数値は確かめていません。
計測した環境と方法
- OS:Windows 11 Pro
- CPU:AMD Ryzen 5 7530U(内蔵のRadeonグラフィックス、専用GPUなし)
- メモリ:16GB(実装15.4GB)
- Ollama:0.40.11
- 計測日:2026年10月25日
質問は「WordPressのプラグインを選ぶときに気をつけることを3つ、各1文で日本語で挙げてください」という内容で、各モデルに2回ずつ投げました。
ollama run gemma3:4b --verbose速さは、--verbose を付けると表示される eval rate(生成速度、トークン/秒)を記録しています。
回数が少ないので、数値は目安として見てください。
生成速度の結果
| モデル | 容量 | 生成速度 1回目 | 生成速度 2回目 | 生成トークン数(1回目/2回目) |
|---|---|---|---|---|
| gemma3:1b | 806MB | 36.7 tok/s | 32.8 tok/s | 103/132 |
| llama3.2:3b | 2.0GB | 14.3 tok/s | 15.9 tok/s | 246/154 |
| qwen3:4b | 2.5GB | 9.5 tok/s | 9.6 tok/s | 2,129/2,058(思考をふくむ) |
| gemma3:4b | 3.4GB | 11.1 tok/s | 10.9 tok/s | 107/115 |
| qwen3:8b | 5.2GB | 5.9 tok/s | 5.7 tok/s | 257/280 |
1B〜4Bのモデルは10〜37 tok/sで、当方の感触では日常の質問に使える速さでした。
8Bのqwen3:8bは約6 tok/sで、1回の回答に約45〜50秒かかり、待ち時間が気になります。
CPUのみの16GBノートで日常的に使うなら、4Bまでが実用ラインというのが当方の結論です。
日本語の出力の様子
| モデル | 日本語の出力(当方が読んだ様子) |
|---|---|
| gemma3:1b | 日本語で3点を箇条書き。内容は無難で読める |
| llama3.2:3b | 日本語だが「コンパatability」のように英語がまざった |
| qwen3:4b | 英語で2,000トークン近く考えてから日本語で3点を答えた。1回の回答に3分半 |
| gemma3:4b | 日本語で3点を箇条書き(開発元の信頼性・レビュー・互換性)。1bより理由が具体的で、英語のまざりなし |
| qwen3:8b | 思考は短め(英語)で、日本語の3点は自然。1回の回答に約45〜50秒 |
gemma3:4bは、開発元の信頼性・レビュー・互換性の3点を理由つきで挙げ、1bより具体的でした。
qwen3:4bは、英語で2,000トークン近く考えてから日本語で答え、1回に3分半かかっています。
思考を切れば短くなる見込みですが、当方では確かめていません。
メモリの目安(容量より多めにいる)
ここでは、モデルを動かすのにいるメモリの考え方をおさえます。
ダウンロード容量より多いメモリがいる
表の容量はファイルのサイズで、動かすときはコンテキスト(会話の履歴を置く領域)のぶんのメモリも使います。
容量と同じだけのメモリしかないPCでは、読み込めないか動作が遅くなると考えてください。
モデルごとの必要メモリの見積もり方は、別記事にまとめています。
→ 関連:ローカルLLMに必要なスペック(メモリの見積もり)
16GBのノートで動かした範囲
当方の16GBのノートでは、容量5.2GBのqwen3:8bまでを動かしました。
8.2GBのgemma3:12bと14GBのgpt-oss:20bは試していないので、同じノートで動くかは分かりません。
gpt-oss:20bは公式が16GBメモリのシステムを目安にしているので、16GBのPCでは余裕が少ない前提で試してください。
PCを買い替える前に確かめること
先に結論を書くと、4Bまでなら今のPCで試す価値があり、8B以上を日常的に使うなら買い替えが選択肢に入ります。
GPUなしでも4Bまでは動く
当方の実測どおり、専用GPUのない16GBのノートでもgemma3:4bは約11 tok/sで動きました。
まずは手元のPCにOllamaを入れ、gemma3:1bとgemma3:4bを試す順番がおすすめです。
入れ方と最初のコマンドは、入門記事にまとめてあります。
→ 関連:Ollamaの使い方入門
8B以上を日常的に使うならGPUかメモリの多いPC
8Bで約6 tok/s、12B以上は未計測という当方の環境では、大きなモデルの常用は厳しいと判断しました。
買い替えるなら、GPUのメモリ(VRAM)か本体メモリが多い機種を、動かしたいモデルの容量から逆算して選びます。
候補の絞り込みには、当方がまとめたAI向けPCの比較データベースが使えます。
→ 関連:AI向けPC比較データベース(ミニPC・ノート・デスクトップ)
→ 関連:AI性能で選ぶCPU・GPU比較表
ミニPCという選択肢
置き場所を取らずにメモリを多く積める機種として、AI向けをうたうミニPCがあります。
機種ごとのメモリ容量とGPUの有無は、こちらの公式サイトで確かめられます。
Macを候補にするなら、Mac miniで動かした記事も参考になるでしょう。
→ 関連:Mac miniでローカルLLMを動かす
向かない使い方とつまずきやすい点
ここでは、当方が実測で気づいた点と、公式の記載から分かる注意点をまとめます。
- Llama 3.2は日本語に英語がまざる
- Qwen3は思考モードで待ち時間がのびる
- 画像を読ませるなら4B以上、gpt-oss:20bは16GBメモリが目安
- GPUがあるのに速くならない
Llama 3.2の日本語に英語がまざる
llama3.2:3bの回答は日本語でしたが、「コンパatability」のように英語がまざりました。
公式の対応8言語に日本語がないことと合うので、日本語の文章用途には向きません。
日本語で使うなら、Gemma 3かQwen3、または日本語特化モデルを選ぶのが対処です。
→ 関連:ローカルLLMの日本語モデルの選び方
Qwen3は思考モードで待ち時間がのびる
qwen3:4bは思考モードが初期設定のまま入り、英語で2,000トークン近く考えてから答えました。
速さは約9.5 tok/sでも、1回の回答に3分半かかったのはこのためです。
短い質問にすぐ答えてほしい用途では、思考モードを切るか、Gemma 3を選ぶのが対処になります。
思考モードを切ったときの時間は、当方では確かめていません。
→ 関連:ローカルLLMでコーディングする方法
画像は4B以上、gpt-oss:20bは16GBメモリが目安
画像を読ませたいなら、公式で画像の入力に対応するgemma3:4b以上を選びます。
gemma3:1bは公式ではテキストのみで、画像の読み取りの品質は当方では確かめていません。
gpt-oss:20bは公式が16GBメモリのシステムを目安にしているので、8GBのPCでは候補から外れます。
大きなモデルを入れる前に、手元のメモリと表の容量を見比べておきましょう。
GPUがあるのに速くならない
GPUのあるPCなのに当方の数値と変わらないときは、GPUが使われていないおそれがあります。
当方のノートには専用GPUがないため、GPUを使ったときの速さは測れていません。
GPUありの数値は、測れたときにこの記事へ追記する予定です。
ドライバーや設定の切り分けは、別記事にまとめてあります。
→ 関連:ローカルLLMでGPUが使われない原因
まとめ:次にやること
ローカルLLMのモデル選びは、用途と手元のメモリで決まります。
| 用途 | 推すモデル | ひとこと |
|---|---|---|
| 日本語の文章・要約 | gemma3:4b | CPUだけで約11 tok/s、英語のまざりなし |
| とにかく軽い | gemma3:1b | 約33〜37 tok/s、テキストのみ |
| コーディング・ツール利用 | qwen3:8b | CPUだけでは約6 tok/s。GPUのあるPC向き |
| 画像も読む | gemma3:4b以上 | 読み取りの品質は当方では未確認 |
| 高性能を狙う | gpt-oss:20b | 公式の目安は16GBメモリ。当方は未計測 |
CPUのみの16GBノートなら4Bまでが実用で、8B以上はGPUかメモリの多いPCを検討してください。
次にやることは、この3つです。
- Ollamaを入れる(入れ方は下の入門記事)
- gemma3:1bとgemma3:4bを動かし、自分の質問で速さと日本語の様子を見る
- 8B以上を試して待ち時間が気になったら、GPUかメモリの多いPCを比較データベースで探す
モデルは後から入れ替えられるので、まず小さいものから始めて困らなかった範囲で使うのが近道です。
最後に、この記事で当方が確かめていないことも挙げておきます。
- GPUのあるPCでの生成速度
- gemma3:12b以上・qwen3:14b以上・gpt-oss:20bの速度と、16GBノートで動くかどうか
- gemma3:4b以上に画像を読ませたときの品質
- qwen3の思考モードを切ったときの回答時間
- qwen3:8bで書かせたコードの品質
これらは公式の記載だけをもとに書いているので、使う前に手元で試してください。
→ 次に読む:Ollamaの使い方入門
→ 画面で操作したい人は:LM Studioの使い方(モデル選びの画面もこちら)
→ どちらを使うか迷ったら:OllamaとLM Studioの違い
