DaVinci Resolveのプロジェクトを別のPCへ移すときは、素材の動画ファイルも一緒に移すかどうかで方法を選びます。
素材ごと渡すならプロジェクトを右クリックしてArchiveを、プロジェクトのデータだけを渡すならExport Projectで.drpファイルを書き出します。
この記事は、Blackmagic Design公式の「DaVinci Resolve 21 Reference Manual」(英語版PDF)の「Managing Projects and Project Libraries」と「Media Management」の章をもとにまとめたものです(2026年10月18日確認)。
実機での再現は含みません。
マニュアルが英語のため、画面の名前は英語の表記で書いています。
画面を日本語に切り替えたときの表示名は確かめていません。
キーボードショートカットは、マニュアルの表記(Macのキー)のまま載せています。
移し方の選び方
マニュアルによると、DaVinci Resolveは、プロジェクトを好きな場所に1つのファイルとして保存するのではなく、プロジェクトライブラリ(Project Library)という仕組みでまとめて管理しています。
そのため、エクスプローラーなどでプロジェクトのファイルを探してコピーする、という移し方は基本ではありません。
| 方法 | 移るもの | 向いている場面 |
|---|---|---|
| Archive(.dra) | プロジェクトと、使っているすべての素材(字幕のファイルも含む) | 素材ごと別のPCへ渡す、長く保管する |
| Export Project(.drp) | プロジェクトのデータ(スチルとLUTを含めるかを選べる) | 素材は別に移す、または移行先に同じ素材がある |
| Media Management | タイムラインで使っている素材のコピーや変換 | 使っていない素材を省いて、渡す素材を減らす |
| プロジェクトライブラリのバックアップ | ライブラリの中のプロジェクトをまとめて | 多くのプロジェクトを一度に移す |
素材ごと移す(Archive)
マニュアルでは、Archiveはプロジェクトで使っているすべての素材を、プロジェクトと一緒に1か所へまとめる機能で、ほかのDaVinci Resolveの利用者へ渡すときや保管に使えると説明されています。
移行元のPCでの手順
- Project Managerを開く
- 移したいプロジェクトを右クリックして、Archiveを選ぶ
- 保存先を選ぶ(素材をすべて入れられる空き容量のあるドライブにする)
- 必要なら、Optimized mediaとRender Cacheのメディアも含めるかを選ぶ
- OKを押して、終わるまで待つ
見つからない素材やオフラインの素材があると、処理の最後にエラーとして表示されます。
できあがるのは、拡張子が.draのフォルダーです。
中には素材が、元の保存場所と同じフォルダーの構造で入っています。
移行先のPCでの手順
- .draフォルダーを、作業に使うドライブへコピーする
- Project Managerの何もないところを右クリックして、Restoreを選ぶ
- コピーした.draフォルダーを選んで、Openを押す
- 新しいプロジェクト名を入れて、OKを押す
.draフォルダーを、Project Managerへ直接ドラッグしても戻せます。
マニュアルでは、Restoreは.draフォルダーを動かさず、プロジェクトだけを追加し、素材は.draフォルダーの中のものにつながったままになると説明されています。
そのため、.draフォルダーは先に、作業に向いた速いドライブへ置いておくよう書かれています。
戻した後で素材を別の場所へ移したいときは、Media Managementの移動を使う方法が案内されています。
プロジェクトだけを移す(.drp)
移行先に同じ素材がすでにある場合や、素材を別の方法で移す場合は、.drpファイルで受け渡します。
書き出す
- 開いているプロジェクトなら、File>Export Projectを選んで保存する
- Project Managerでは、下のExportボタンを押すか、プロジェクトを右クリックして書き出す
| 右クリックのメニュー | 中身 |
|---|---|
| Export Project | プロジェクトのデータだけ。LUTとスチルは含まない。ファイルが最も小さい |
| Export Project With Stills and LUTs | Galleryのスチルと、グレードで使っているLUTも含める |
マニュアルでは、移行先に同じLUTがあるか分からないときは、Export Project With Stills and LUTsを選ぶとよいとされています。
Project Managerで複数のプロジェクトを選んで右クリックすると、まとめて書き出すこともできます。
読み込む
- Project Managerの下のImportボタンを押して、.drpファイルを選ぶ
- .drpファイルをProject Managerへドラッグする
- WindowsやmacOSでは、.drpファイルをダブルクリックすると、DaVinci Resolveが開いてプロジェクトが読み込まれる
Optionキーを押しながらProject Managerの何もないところを右クリックしてImport+を選ぶと、Galleryの保存場所を移行先のPCのものに合わせて読み込めるとマニュアルに書かれています。
.drpで移した場合、素材は別に移すため、移行先で素材がオフラインになることがあります。
その場合の再リンクの手順は、DaVinci Resolveのメディアオフラインを直す方法にまとめています。
渡す素材を減らす(Media Management)
撮影した素材が多く、使っている部分は一部だけという場合は、Media Managementで必要な素材だけをコピーできます。
- 対象のクリップか、1つ以上のタイムラインを選ぶ
- File>Media Managementを選ぶ
- 対象をEntire Project・Timelines・Clipsから選ぶ
- Copy(そのまま複製)かTranscode(別の形式に変換して複製)を選ぶ
- Browseで書き出し先を選ぶ
- オプションを選び、表示される容量の見込みを確かめてStartを押す
マニュアルによると、タイムラインを対象にすると、できた素材とつながったタイムラインのファイル(.drt)が同じ場所に作られ、同じプロジェクトや新しいプロジェクトに読み込めます。
使っていない前後を切り落とすオプションは、H.264・XAVC・AVC-Intraなどでも、再圧縮せずに使えると書かれています。
多くのプロジェクトをまとめて移す
プロジェクトライブラリごとバックアップして、別のPCで戻す方法もあります。
バックアップする
- Project Managerの左上のボタンを押して、Project Librariesのサイドバーを開く
- バックアップするライブラリを選ぶ
- ライブラリの右にある丸で囲んだ「i」のアイコン(Display Project Library Details)を押す
- Back Upボタンを押して、保存先を選んでSaveを押す
戻す
- Project Librariesのサイドバーを開き、上部のRestoreボタンを押す
- バックアップのファイル(.resolve.backup)を選んでOpenを押す
- 名前と、ライブラリを置く場所を指定してCreateを押す
WindowsとmacOSでは、ローカルのプロジェクトライブラリのフォルダーから、プロジェクトのフォルダーを移行先のライブラリのフォルダーへコピーする方法も書かれています。
コピーした後はDaVinci Resolveを終了して開き直すと、Project Managerに表示されます。
マニュアルでは、この方法はLinuxでは使えないとされています。
ライブラリの場所は、Project Librariesのサイドバーで確かめられます。
移行先で確かめること
- Project Managerにプロジェクトが表示され、開けるか
- Media Poolの素材がオフラインになっていないか
- グレードで使っているLUTやGalleryのスチルがそろっているか
- タイムラインを最初から最後まで再生し、映像と音声が合っているか
- 短い区間を書き出して、仕上がりが移行元と同じか
このチェックの一覧は、マニュアルの説明をもとに編集部がまとめたものです。
バージョンが違うとき
マニュアルでは、新しいバージョンのDaVinci Resolveを入れると、古いバージョンで作ったプロジェクトライブラリにアップグレードの表示が出ることがあると説明されています。
大きなバージョンが上がるときはアップグレードが必要なことが多く、アップグレードの前にライブラリをバックアップしておくよう書かれています。
移行元と移行先のバージョンをそろえておくと、こうした手間を減らせます。
WindowsとMacの間で移すとき
Preferences>SystemのMedia Storageには、Mapped Mountという欄があります。
マニュアルでは、Mac・Linux・Windowsでファイルの場所の書き方が違っても、同じ素材を参照できるように対応づける機能と説明されています。
移行に備えて普段からしておくこと
User PreferencesのProject Save and LoadでProject Backupsをオンにすると、一定の間隔でプロジェクトのバックアップが自動で保存されます。
マニュアルによると、初期設定では10分ごと、1時間ごとのものを8つ、1日ごとのものを5日分残します。
バックアップにはスチルとLUTは含まれません。
保存先は初期設定でscratch diskのProjectBackupフォルダーで、Browseで変えられます。
Project Managerでプロジェクトを右クリックしてProject Backupsを選ぶと、保存されたバックアップを別のプロジェクトとして開けます。
確かめていないこと
- この記事の手順を、DaVinci Resolveの画面と実際の2台のPCで確かめてはいない
- 画面を日本語にしたときの各部の表示名
- Windowsでのキーボードショートカット(マニュアルの表記はMacのキー)
- 新しいバージョンで作ったプロジェクトを古いバージョンで開けるか(マニュアルに記載が見当たらなかった)
- ネットワークやBlackmagic Cloudのプロジェクトライブラリを使う方法(この記事ではローカルのライブラリだけを扱った)
参照した資料は、Blackmagic Design:DaVinci Resolve 21 Reference Manual(英語・PDF・約187MB)のChapter 3 Managing Projects and Project Libraries、4 System and User Preferences(Media Storage)、53 Media Managementです。
