Photoshopのレイヤーマスクは、画像そのものを削除せず、見せる部分と隠す部分を決める機能です。黒で隠し、白で戻せるので、切り抜きや合成を後から修正しやすくなります。
うまく塗れない場合は、画像のサムネイルとマスクのサムネイルのどちらを選んでいるかを確認します。まずは単純な画像で、白・黒・グレーの違いを覚えましょう。
白は表示、黒は非表示、グレーは半透明
| マスクの色 | レイヤーの見え方 | 使い方 |
|---|---|---|
| 白 | 表示する | 残したい部分、隠した部分を戻す |
| 黒 | 隠す | 不要な背景を見えなくする |
| グレー | 部分的に透明にする | 薄く重ねる、なだらかにつなぐ |
この白黒は、画像を白黒に塗る色ではなく、表示量を指定するための情報です。黒く塗ったのに写真へ黒い線が描かれたら、マスクではなく画像本体を編集している可能性があります。
レイヤーマスクを追加する
- 作業ファイルをPSDなど編集可能な形式で保存する。
- レイヤーパネルでマスクを付けるレイヤーを選ぶ。
- 全体を表示した状態で始めるなら、選択範囲を解除する。
- レイヤーパネル下部のレイヤーマスク追加ボタンを押す。
- 画像の横に、マスクのサムネイルが追加されたことを確認する。
選択範囲がある場合は、その選択を基にマスクを作れます。例えば被写体を選択してから追加すると、選択部分を残す切り抜きの出発点になります。追加方法はAdobe公式のレイヤーマスク解説を参照してください。
予想外の部分だけが表示されたときは、マスクを作る前に選択範囲が残っていなかったか確認します。慌てて画像を削除せず、マスクの状態を見て修正しましょう。
マスクを選んで黒いブラシで隠す
レイヤーパネルで、画像ではなくマスクのサムネイルをクリックします。選択枠がマスク側にあることを確認し、ブラシツールで黒く塗ります。
最初はブラシの不透明度を100%にし、効果が分かりやすい場所で試します。隠しすぎた部分は白へ切り替えて塗り戻します。Xキーで描画色と背景色を交換できるため、白黒を行き来する操作に便利です。
Adobeの既存マスクの編集手順でも、サムネイルの選択枠と白黒の使い分けが案内されています。
境界をなじませたい場合
柔らかいブラシを使うと、塗った部分の境界がなだらかになります。写真を別の背景へ重ねる場合など、境界を少しずつなじませたい場面で使えます。
ただし、商品や建物の輪郭まで大きくぼかすと、不自然な縁ができます。硬い輪郭は硬いブラシや選択範囲を使い、髪や半透明の部分は別に調整すると、全体を一律にぼかすより形を保ちやすくなります。
一回で仕上げようとせず、背景を明るい色と暗い色へ切り替えて境界を確認してください。白い縁や暗い縁が一方の背景でだけ目立つことがあります。
塗っても変化がないときの確認順
- マスクのサムネイルを選んでいるか。
- 表示したいレイヤー自体が非表示になっていないか。
- 白い部分へ白、黒い部分へ黒を塗っていないか。
- ブラシの不透明度や流量が低すぎないか。
- 選択範囲が残り、塗れる場所が制限されていないか。
- 上のレイヤーが覆っていて、変化が見えないだけではないか。
原因を確かめるときは、まず対象レイヤーだけが見える単純な状態で比較します。マスクを削除する前に、どのレイヤーが表示結果へ影響しているかを確認しましょう。
画像とマスクを別々に動かすとき
画像とマスクの間にあるリンクは、移動などを連動させるための設定です。リンクを解除し、画像側を選んで動かすと、マスクの形を残したまま画像の見える位置を調整できます。
一方、マスク側を選んで動かすと、表示範囲の位置が変わります。リンクの状態と選択中のサムネイルを確認してから動かしてください。詳しい違いは反転マスクとリンク状態の解説でも扱っています。
クリッピングマスクとの違い
レイヤーマスクは、そのレイヤーに白黒の表示情報を持たせます。クリッピングマスクは、下のレイヤーの不透明な部分を基準に上のレイヤーを見せます。
人物の背景を細かく隠したいならレイヤーマスク、文字の中へ写真を入れたいならクリッピングマスク、という使い分けが出発点です。目的に合わせて選べば、無理に一つの機能で作り込む必要はありません。
後から直せる形式で保存する
PSDなどでレイヤーとマスクを保持し、提出用の画像は別途書き出します。透明部分を残す必要がある場合は、透明度を扱える形式を選び、書き出したファイルを開いて確認してください。
消しゴムで画素を消す処理やマスクの適用を急がず、修正が続く間はマスクを残しておくと、隠した部分を後から戻せます。最終的な合成画像だけでなく、編集可能な元ファイルも管理しましょう。
