Photoshopの「画像のスタック」の中央値は、同じ構図の複数枚から、一時的に写ったものを取り除くときに使う機能です。
この記事では、位置だけが変わる黒い四角を描いた5枚を、Windows版Photoshopで重ねた結果を比較します。
中央値では黒い四角が消え、平均値では薄い灰色の四角が5か所に残る違いを確認できました。
人物や車を撮影した写真の検証ではなく、処理の違いを見分けるための自作画像による検証です。
2026年10月8日の追加確認では、既存の中央値PSDを開き直した結果、同じ通常組の平均値、5枚中3枚で同じ位置が隠れる組の中央値を、実機画面と書き出しPNGで比較しました。
通常組の中央値は既存の保存結果を再表示したもので、同じ処理を新しく作り直した検証ではありません。
今回の検証条件と処理前の画像
| 項目 | 検証条件 |
|---|---|
| 実施日・画面撮影日 | 2026年10月8日 |
| ソフト | Windows版 Adobe Photoshop/日本語UI(追加画面の正確な版・ビルドは未確認) |
| 画像 | 各組5枚の自作PNG/640×480px/RGB・8bit・不透明/入力はsRGBプロファイル埋込み、書き出しPNGはプロファイル未埋込み |
| 変化する部分 | 黒い40×40pxの四角を、画像ごとに横方向へ移動 |
| 固定した部分 | 白い背景、上部の灰色のグリッド、左下の赤い四角 |
| 位置合わせ | 5枚の背景を同じ座標で作成したため、自動整列は省略 |
初回記事の環境記録はPhotoshop 2026/27.11(20260929.r.26)ですが、以下の追加画面には版情報が写っていないため、この版で撮影したとは断定していません。
通常組では黒い四角の左上を(40,180)、(150,180)、(260,180)、(370,180)、(480,180)に置き、どの位置でも黒い四角が写るのは5枚のうち1枚だけにしました。
位置や大きさの変形は加えず、白い背景・灰色グリッド・赤い四角を同じ座標で重ねています。





スマートオブジェクトの内部を開くと、元の5枚がレイヤーとして並び、一番上の入力画像の黒い四角が見えます。

入力5レイヤーの内部表示であり、中央値の最終出力ではありません。
画像をレイヤーに重ねる
初回検証では「ファイルをレイヤーとして読み込み」でエラーが出たため、次の手順で画像を手動で重ねました。
- 1枚目を「ファイル」→「開く」で開きます。
- レイヤーパネルの「背景」の鍵アイコンをクリックし、通常のレイヤーにします。
- 2枚目を開き、Ctrl+Aで全体を選択してからCtrl+Cでコピーします。
- 2枚目をCtrl+Wで閉じ、1枚目へ戻ってCtrl+Vで貼り付けます。
- 残りの画像も同じようにコピーし、1枚目のドキュメントに5枚のレイヤーをそろえます。
初回検証では同じサイズの画像全体をコピーし、グリッドと赤い四角を同じ位置に重ねられました。
撮影した写真では、画像のサイズと構図をそろえたうえで、背景にずれがあれば「編集」→「レイヤーを自動整列」を確認します。
写真の自動整列は今回の実機検証には含めていません。
読み込み機能の基本操作は、関連記事の「ファイルをレイヤーとして読み込み」の使い方でも解説しています。
スマートオブジェクトに変換して中央値を適用する
- Ctrl+Alt+A、または「選択範囲」→「すべてのレイヤー」で5枚を選択します。
- レイヤーパネルを右クリックして「スマートオブジェクトに変換」を選びます。
- 「レイヤー」→「スマートオブジェクト」→「画像のスタック」→「中央値」を選びます。
- 同じメニューを開き直し、「中央値」にチェックが付いていることを確認します。
背景レイヤーのままだと「すべてのレイヤー」で選択できないため、先に通常のレイヤーへ変換しておきます。

初回検証で5枚を選択した状態の「スマートオブジェクトに変換」(2026年10月8日撮影)。

保存済みの通常組で「中央値」の選択状態を確認した画面です。
スマートオブジェクトに変換するとレイヤーパネルは1枚になりますが、元の5枚はその中に保持されます。
この手順と背景レイヤーの扱いは、Adobe公式ヘルプ「画像のスタック」でも確認できます(2026年10月8日参照)。
中央値では黒い四角が消え、固定部分が残った
今回の5枚に中央値を適用すると、黒い四角があった5か所は白い背景になり、赤い四角とグリッドは残りました。


今回の書き出しPNGの保存値を確認したところ、黒い四角の中心に対応する5点はRGB(255, 255, 255)、赤い四角の中心はRGB(255, 0, 0)でした。
確認位置は左上を原点とし、白くなった5点が(60, 200)、(170, 200)、(280, 200)、(390, 200)、(500, 200)、赤い四角が(60, 380)です。
数値は640×480pxのPNGを読み取った保存RGBであり、画面の色やPhotoshopの情報パネルの表示値を測ったものではありません。
平均値では薄い四角が残った
同じスマートオブジェクトで「画像のスタック」を「平均値」に切り替えると、黒い四角があった5か所に薄い灰色の四角が残りました。


| 条件・処理 | PNGの中心点RGB | 画像で確認した結果 |
|---|---|---|
| 通常組・中央値 | 黒い四角があった5点すべて(255,255,255) | 黒い四角は消え、固定赤とグリッドが残った |
| 通常組・平均値 | 同じ5点すべて(204,204,204) | 5か所に薄い灰色の四角が残った |
| 3枚が重なる組・中央値 | (60,200)は(0,0,0) | 3枚が隠す位置の黒は残り、単独2か所は白になった |
中央値は値を並べた中央の値、平均値は値の合計を枚数で割った値を使うため、このような違いが生じます。
今回の黒と白だけの例では、ある位置の値は0、255、255、255、255となり、中央値は255、計算上の平均値は204です。
追加確認の平均値PNGでは、前述の5中心すべてがRGB(204, 204, 204)で、計算値と一致しました。
ただし、入力から計算した平均と出力PNGを全画素で比較すると、灰色グリッド8画素が160から159、薄い矩形18画素が204から203となる計26画素に最大1階調の差があり、原因は未確認です。
固定背景が全画素で完全に不変だった、あるいは数学的な平均と全画素で完全一致した結果とはしていません。
動くものが消えないときに確認すること
中央値は人物や車を認識して選択する機能ではなく、同じ座標の画素を比較する処理です。
例えば黒い四角が同じ位置に5枚中3枚写っていれば、0、0、0、255、255の中央値は0となるため、その位置の黒は残ります。
重なり組では、最初の3枚に同じ入力画像を使い、黒い四角の左上を(40,180)にそろえ、残る2枚は(370,180)、(480,180)に置きました。





中央値PNGの(60,200)はRGB(0,0,0)の黒が残り、単独で写る(390,200)と(500,200)はRGB(255,255,255)になりました。
消したいものの後ろにある背景が複数枚で見えているかを確認し、同じ場所に長く写り続けるものは追加撮影や別の修正方法を検討します。
背景の輪郭が二重になる場合は、消去条件より先に、画像の位置合わせや撮影中の構図の変化を確認します。
光や影、木の葉なども撮影ごとに変わるため、自作画像で得られた結果を、すべての写真にそのまま当てはめることはできません。
読み込みスクリプトでエラー44が出た場合
初回検証のPCで「ファイル」→「スクリプト」→「ファイルをレイヤーとして読み込み」を選ぶと、「エラー44: 変換できません」というダイアログが表示されました。

初回検証で発生した読み込み時のエラー(2026年10月8日撮影、今回の追加確認では再実行していません)。
ダイアログには、StackSupport.jsxを読み込む行41の処理が表示されていました。
今回の確認だけではエラーの原因を特定できないため、Photoshop 2026全体の不具合やファイルの欠落とは断定しません。
この記事では前述のコピーと貼り付けで5枚を重ね、中央値と平均値の処理まで実行できました。
元画像を残すならPSDで保存する
あとからスタックモードを変えたい場合は、スマートオブジェクトを保持したPSDで保存します。
提供された操作記録には、通常中央値・通常平均値・重なり中央値を別々のPSDとして保存し、文書を閉じて開き直してモードと内部5レイヤーを確認したとあります。

この記事の画像から確認できるのは選択モードと内部レイヤーの表示であり、PSDの再オープン手順やPhotoshopアプリの再起動を独立に検証したものではありません。
PSD内部の全画素対応は操作記録による報告で、今回の記事更新で独立に照合した数値は、公開する入力PNGと書き出しPNGの保存値です。
PNGなどの出力画像と、元のレイヤーを保持するPSDは用途を分けて保存すると、後から条件を見直しやすくなります。
今回の結果は位置がそろった不透明の8bit作例に限り、実写真の人物・車の除去品質、半透明、露出差、背景の変化、16/32bit、処理速度や大量入力は未検証です。
よくある質問:Photoshopの画像のスタック
「画像のスタック」の中央値は、何に使いますか?
同じ構図の複数枚から、一時的に写ったものを取り除くときに使う機能です。記事では、位置だけが変わる黒い四角を描いた5枚をWindows版Photoshopで重ね、中央値では黒い四角が消え、平均値では薄い灰色の四角が5か所に残る違いを確認しています。
複数の画像は、どうやって重ねますか?
記事の検証では、1枚目を「ファイル」→「開く」で開き、レイヤーパネルの「背景」の鍵アイコンをクリックして通常のレイヤーにしました。2枚目を開いてCtrl+Aで全体を選択し、Ctrl+Cでコピーして、2枚目をCtrl+Wで閉じ、1枚目へ戻ってCtrl+Vで貼り付けます。残りの画像も同じようにコピーして、1枚目のドキュメントに5枚のレイヤーをそろえます。撮影した写真では、画像のサイズと構図をそろえたうえで、背景にずれがあれば「編集」→「レイヤーを自動整列」を確認します(写真の自動整列は、記事の実機検証には含まれていません)。
中央値は、どうやって適用しますか?
Ctrl+Alt+A、または「選択範囲」→「すべてのレイヤー」で5枚を選択し、レイヤーパネルを右クリックして「スマートオブジェクトに変換」を選びます。続けて「レイヤー」→「スマートオブジェクト」→「画像のスタック」→「中央値」を選び、同じメニューを開き直して「中央値」にチェックが付いていることを確認します。背景レイヤーのままだと「すべてのレイヤー」で選択できないため、先に通常のレイヤーへ変換しておきます。スマートオブジェクトに変換するとレイヤーパネルは1枚になりますが、元の5枚はその中に保持されます。
中央値と平均値は、何が違いますか?
記事の5枚に中央値を適用すると、黒い四角があった5か所は白い背景になり、赤い四角とグリッドは残りました。平均値では、同じ5点がすべてRGB(204,204,204)の薄い灰色になり、5か所に薄い灰色の四角が残りました。中央値は値を並べた中央の値、平均値は値の合計を枚数で割った値を使うため、このような違いが生じます。黒と白だけの例では、ある位置の値は0、255、255、255、255となり、中央値は255、平均は204です。
動くものが消えないのは、なぜですか?
中央値は、人物や車を認識して選択する機能ではなく、同じ座標の画素を比較する処理です。たとえば黒い四角が同じ位置に5枚中3枚写っていれば、0、0、0、255、255の中央値は0となるため、その位置の黒は残ります。記事の重なり組では、中央値PNGの(60,200)にRGB(0,0,0)の黒が残り、単独で写る位置は白になりました。消したいものの後ろにある背景が複数枚で見えているかを確認し、同じ場所に長く写り続けるものは、追加撮影や別の修正方法を検討します。
背景の輪郭が二重になるときは?
消去条件より先に、画像の位置合わせや撮影中の構図の変化を確認します。光や影、木の葉なども撮影ごとに変わるため、自作画像で得られた結果を、すべての写真にそのまま当てはめることはできません。
「エラー44」が出たときは、どうすればよいですか? 記事の検証範囲は?
記事の初回検証のPCでは、「ファイル」→「スクリプト」→「ファイルをレイヤーとして読み込み」を選ぶと「エラー44: 変換できません」というダイアログが表示されたため、画像を手動で重ねました。ダイアログにはStackSupport.jsxを読み込む行41の処理が表示されていましたが、原因は特定できず、Photoshop 2026全体の不具合やファイルの欠落とは断定していません。記事の結果は、位置がそろった不透明の8bit作例に限り、実写真の人物・車の除去品質、半透明、露出差、背景の変化、16/32bit、処理速度や大量入力は未検証です。あとからモードを変えたい場合は、スマートオブジェクトを保持したPSDで保存します。最新はAdobe公式ヘルプ「画像のスタック」で確認してください。
