Anthropicは、需要や時間帯、サーバーの混み具合でモデルの品質を下げることはないと説明しています。
それでもClaudeが急に浅くなったと感じたら、まず使っているモデルとeffort(考える深さ)を確かめます。
Claude Codeでは、安全のための判定で別のモデルに切り替わり、そのまま続いていることがあります。
過去には、Claude Codeの設定変更や不具合で実際に品質が落ち、Anthropicが原因を公表したこともあります。
この記事では、Anthropicの公式の説明と過去の事例、確かめる順番と直し方を、公式の事後報告とドキュメントをもとにまとめました(2026年11月1日確認)。
Anthropicの公式の説明
2025年9月の事後報告で、Anthropicは需要・時間帯・サーバーの負荷を理由にモデルの品質を下げることはないと書いています(Anthropic:A postmortem of three recent issues)。
2026年4月の事後報告でも、意図してモデルの質を落とすことはないと述べています(Anthropic:An update on Claude Code quality reports)。
一方で、どちらの報告も、不具合や設定の変更で実際に返事の質が落ちていたことを認めています。
つまり「気のせい」と決めつけず、設定と障害の両方を確かめるのが近道です。
過去に実際にあった品質の低下
| 時期 | 原因 | 対象 | 直った時期 |
|---|---|---|---|
| 2025年8月5日〜9月 | 一部のリクエストが別の用途のサーバーに送られた | Sonnet 4(Claude Codeの利用者の約30%が1回以上影響) | 9月4日に修正、9月18日までに展開 |
| 2025年8月25日〜9月2日 | 設定の誤りで、英語の返事にタイ語や中国語が混じるなどの出力の乱れ | Opus 4.1・Opus 4・Sonnet 4 | 9月2日に戻した |
| 2026年3月4日〜4月7日 | Claude Codeの既定のeffortを high から medium に下げた | Sonnet 4.6・Opus 4.6 | 4月7日に戻した |
| 2026年3月26日〜4月10日 | 考えた過程を毎回消してしまう不具合。忘れっぽく、同じことを繰り返す | Sonnet 4.6・Opus 4.6 | 4月10日の v2.1.101 |
| 2026年4月16日〜4月20日 | 返事を短くさせる指示をシステムプロンプトに加え、コードの質が落ちた | Sonnet 4.6・Opus 4.6・Opus 4.7 | 4月20日に戻した |
2026年の3件はClaude Code・Claude Agent SDK・Claude Coworkで起き、APIは影響を受けていません(2026年4月の事後報告)。
3件とも4月20日の v2.1.116 までに解消し、4月23日にはすべての契約者の利用上限がリセットされました。
確かめる順番
1. 障害が出ていないか
最初に、Anthropicのステータスページで障害が出ていないかを見ます。
見方はClaude・Claude Codeの障害情報の確認方法にまとめています。
2. Claude Codeで使っているモデル
Claude Codeでは、/status で今のモデルとアカウントが見られます(Claude Code Docs:Model configuration)。
/model で選び直すと、次のセッションからもそのモデルになります。
選んだのに次のセッションで別のモデルになるときは、次の理由が考えられると公式ドキュメントに書かれています。
- ピッカーで s を押した・
--modelで起動したなど、そのセッションだけの指定だった - プロジェクトの設定ファイル、環境変数
ANTHROPIC_MODEL、組織の既定が優先されている claude --resumeなどで再開したセッションが、前のモデルのまま続いている
セッションの再開と切り替えはClaude Codeのセッション管理を見てください。
3. 安全の判定で別のモデルに切り替わっていないか
Fable・Opus 5.5・Sonnet 5.5・Opus 5 には安全のための判定があり、主にサイバーセキュリティと生物学の内容で働きます。
Opus 5.5 で判定に当たると、生物学の内容は Opus 5、サイバーセキュリティの内容は Opus 4.8 でやり直されます。
切り替わると会話の中に知らせが出て、そのあともセッションは切り替わった先のモデルで続きます(Model configuration:Automatic model fallback)。
元のモデルに戻すには /model を実行します。
毎回たずねてほしいときは、/config の Switch models when a message is flagged で Ask each time を選びます。
最初の1回目から切り替わるときは、CLAUDE.md の中身などのリポジトリの情報が判定に当たっていることがあります。
確かめるには、CLAUDE.md・スキル・MCPサーバー・フックを止めて起動する claude --safe-mode を使います。
4. effort(考える深さ)
Claude Codeの既定のモデルは、Pro・Max・Ultra・Team・Enterprise とも Opus 5.5 です。
Opus 5.5 の既定のeffortは medium で、Opus 5 の既定の high より1段低くなっています。
Anthropicは、自社の試験で Opus 5.5 の medium が Opus 5 の high と同じか上回ったと書いています(Model configuration)。
それでも浅いと感じる作業では、/effort high などで上げるか、その回だけ ultrathink と書きます。
effortを上げると使用量の減りも早くなります(Claude ヘルプ:Change the model, effort, and thinking settings)。
切り替え方はClaude Codeのモデルの切り替えと思考の深さ、ultrathinkはClaude Codeのultrathink・ultracode・ultrareviewとはにあります。
5. 会話が長くなっていないか
/context で、今の会話がどれだけ文脈の枠を使っているかを見られます(Claude Code Docs:Commands)。
枠を空けたいときは /compact で要約し、話題を変えるなら /clear で新しい会話を始めます。
使い分けはClaude Codeのコンテキストの残りを見る・減らすにまとめています。
6. アプリのClaudeでは送信ボタンの横を見る
ブラウザーやアプリのClaudeでは、送信ボタンの横のモデル名から、モデル・effort・考える過程(Thinking)を切り替えます(Claude ヘルプ)。
変更は、次の返事から効きます。
Opus 5.5・Sonnet 5.5・Haiku 5.5・Fable 5.1・Opus 5 では、アプリで考える過程をオフにはできません。
おかしいと思ったら報告する
Claude Codeでは /bug か /feedback で報告でき、送る前に会話をどこまで含めるかを選んで確認できます(Commands)。
アプリでは、返事の下の低評価のボタンで知らせられます(2025年9月の事後報告)。
Anthropicは、具体的な例や再現できる手順のついた報告が原因の特定に役立ったと書いています。
つまずきやすい所と対処
| つまずき | 起きること | 対処 |
|---|---|---|
| 安全の判定で切り替わったのに気づかない | Opus 4.8 などのまま作業が続く | 会話の中の知らせを見て、/model で戻す |
| Opus 5 のころと同じ感覚で使う | Opus 5.5 は Opus 5 の既定(high)より1段低い medium で動く | 必要な作業だけ /effort high や ultrathink |
| 再開したセッションで続ける | 前のモデルのまま動く | /status でモデルを見る |
| 長い会話で続ける | 文脈の枠が埋まる | /context で見て、/compact か /clear |
| 劣化だと決めて解約する | 障害だった場合は時間で戻る | 先にステータスページを見る |
| 「遅い」と「浅い」を混ぜて報告する | 原因を切り分けにくい | 具体的な依頼と返事を添えて /bug で送る |
よくある質問:Claudeが劣化したと感じるとき
混んでいる時間はClaudeが手を抜きますか?
Anthropicは、需要・時間帯・サーバーの負荷で品質を下げることはないと説明しています。
Claude Codeが急に忘れっぽくなりました。
2026年3〜4月には、考えた過程を毎回消してしまう不具合が実際にありました(4月10日に修正)。
今の版で起きるなら、会話の長さとモデルを確かめてから報告してください。
APIで使っても劣化しますか?
2026年3〜4月の3件は Claude Code・Agent SDK・Cowork の側の変更で、APIは影響を受けていません。
2025年8〜9月の不具合は、APIにも影響しました。
Opus 5.5 より Opus 5 のほうが賢いですか?
Anthropicは、自社の試験で Opus 5.5 の medium が Opus 5 の high と同じか上回ったと書いています。
作業によって差があるので、気になる作業でeffortを変えて比べてください。
まとめ
Anthropicは、需要や時間帯で品質を下げることはないとしています。
それでも浅いと感じたら、障害情報、使っているモデル、安全の判定での切り替え、effort、会話の長さの順に確かめます。
過去には設定の変更や不具合で実際に品質が落ちたことがあり、報告がその特定に役立ちました。
おかしいときは、具体的な例をつけて /bug や低評価のボタンで知らせてください。
