Illustratorで同じ社名、日付、商品名をまとめて変えたいときは、編集メニューの「検索と置換」を使います。最初の一件を確認してから全体へ適用すると、意図しない文字列まで変えてしまう失敗を減らせます。
ただし、文字がアウトライン化されている場合や、画像の一部になっている場合は、通常のテキスト検索の対象になりません。この記事では、編集可能な文字を置換する手順と、置換漏れ・レイアウト崩れを確認する方法を説明します。
一括置換の前に、文書を複製する
まずAIファイルを別名で保存します。置換後にレイアウトを調整してから誤りに気づくと、単純な取り消しだけでは戻しにくくなるためです。旧版と新版を比較できる名前にしておきましょう。
次に、置換する文字列と置換後の文字列を確定します。社名の一部だけを置換するのか、正式名称全体を置換するのかで結果が変わります。短すぎる語句を指定すると、別の文章に含まれる同じ文字まで対象になることがあります。
| 変更したいもの | 使う機能の考え方 |
|---|---|
| 社名・日付・単語 | 検索と置換で文字列を変更 |
| フォントの種類 | フォントの検索と置換 |
| アウトライン化した文字 | 元の編集可能な文字データを確認 |
| 画像に写った文字 | 画像の編集元で修正 |
| 複数のAIファイル | 文書ごとに処理。大量なら自動化を別途検討 |
検索と置換を使う手順
- 編集するAIファイルを開く。
- 「編集」から「検索と置換」を開く。
- 検索する文字列と、置換後の文字列を入力する。
- 検索を実行し、最初に見つかった箇所を確認する。
- 一件を置換して、意図した結果になるか確認する。
- 対象が適切なら、すべてを置換する操作を実行する。
画面の項目名はバージョンによって異なることがあります。基本操作はAdobeのIllustrator公式リファレンス(旧版PDF)にも掲載されています。旧版資料の画面やオプションを、そのまま現行版と同じだと思わず、手元のダイアログで検索条件を確認してください。
置換対象が少ない場合は、一件ずつ場所を確認しながら進める方が分かりやすいこともあります。すべてを一括処理することより、対象の範囲が正しいことを優先しましょう。
置換されないときに確認すること
全角・半角、空白、記号が違う
見た目が似ていても、「2026」と「2026」、半角スペースと全角スペース、異なる種類のハイフンなどは同じ文字列ではありません。見つからない場合は、実際の文字から一部をコピーして検索し、どこまで一致するか確認します。
日付や電話番号では、区切り文字が混在していることもあります。複数の表記を一度に推測して置換するより、表記の種類を洗い出して順番に確認すると漏れを追いやすくなります。
一つの単語が別々の文字オブジェクトになっている
一見つながって見える社名でも、複数の文字オブジェクトに分割されていることがあります。単語全体で見つからない場合は、短い一部分で検索し、文字オブジェクトの構造を確認してください。
他形式から変換したデータでは、文字が細かく分割されている場合があります。分割されたまま無理に一括置換すると、位置や文字間隔が崩れることがあるため、編集元のデータがないか確認します。
ロックや非表示、アウトライン化を確認する
レイヤーのロックや非表示の状態と、検索ダイアログにある対象範囲の設定を確認します。画面に出ていない予備案や旧版のレイヤーまで変更したいのか、対象外にしたいのかを先に決めてください。
文字ツールで編集できずパスとして選択される場合は、アウトライン化されている可能性があります。通常の検索と置換で文章へ戻せるわけではありません。編集可能な元データを使うか、必要な部分を作り直します。
文字を置換した後は、改行と文字あふれを確認する
短い名称から長い名称へ変更すると、行数や文字の収まりが変わります。エリア内文字では枠に収まりきらず、末尾が見えなくなる場合もあります。置換した箇所だけを拡大するのではなく、アートボード全体で確認しましょう。
- 想定外の改行や行数の増加がないか。
- 文字が枠からあふれていないか。
- 見出しやボタンの中央位置がずれていないか。
- 混在していた文字サイズや色が意図どおり残っているか。
- 別の文脈にある同じ単語まで変わっていないか。
フォントをまとめて変える場合は別の機能を使う
文章の内容ではなくフォントを変更したい場合は、文字列の置換ではなくフォントの検索と置換を使います。Adobeのフォントの検索・置換手順で、文書内のフォントから置き換える操作を確認できます。
フォントを変更すると同じ文字列でも幅や高さが変わります。文字列の置換と同様に、改行と収まりを確認してください。
旧表記をもう一度検索して完了を確認する
修正後は旧表記を再検索します。検索結果がなくても、アウトラインや画像に残っている文字は別に確認が必要です。書き出したPDFなど、最終的に渡すファイルでも目視で確認しましょう。
印刷用データとして仕上げる場合は、文字だけでなく画像や色、塗り足しも含めて、入稿前の確認手順を使うと見落としを減らせます。
