Illustratorで名札やラベルの文字を差し替えるには、CSVの各列を「変数」に結びつけ、各行を「データセット」として切り替えます。先に3件の文字だけで対応を確認し、その後に画像や一括保存を加えると、読み込み・組み合わせ・保存の問題を分けて確認できます。
以下はAdobe公式資料に基づく手順と、自作した架空の確認例です。CSVをテキストとして読み戻し、列数と値を確認しました。Illustratorへの読み込み、文字の差し替え、アクションによる出力は今回まだ実機で確認していません。
まず日本語3件のCSVを用意する
Display_Name,Department,Record_ID
青木あかり,制作部,A001
佐藤透,営業部,A002
高橋みなみ,企画部,A003
1行目は列名、2行目以降はデータです。この例ではDisplay_Name、Department、Record_IDの3列を使います。Record_IDは今回の照合用の文字列であり、Illustratorのファイル名へ自動で反映される設定ではありません。列名は半角英数字とアンダースコアに揃え、空白や絵文字を避けておきます。
| Record_ID | 氏名 | 部署 |
|---|---|---|
| A001 | 青木あかり | 制作部 |
| A002 | 佐藤透 | 営業部 |
| A003 | 高橋みなみ | 企画部 |
テンプレートと変数を結びつける
- 元のAIを複製し、氏名・部署・IDのテキストオブジェクトをそれぞれ用意する。
- 「ウィンドウ」から「変数」を開き、「読み込み」からCSVを選ぶ。1つのドキュメントへ選択できるデータソースは1つです。
- 氏名のテキストオブジェクト全体を選び、変数パネルのDisplay_Nameを選択してテキストを動的に設定する。部署とIDも同様に対応させる。
- データセットを1件ずつ切り替え、上の表の氏名・部署・IDが同じ組み合わせになっているか確認する。
CSVを読み込んだだけでは、どのテキストを差し替えるかは決まりません。変数とオブジェクトを結びつける操作を「バインド」と呼びます。文字が変わらない場合は、現在のデータセットとバインド先を先に確認します。変数名と、配置したテキストオブジェクトの名前も別の情報です。
カンマ・引用符・空欄・長い文字列を試す
Display_Name,Department,Record_ID
"青木,あかり","制作 ""第一"" 部",A001
佐藤透,,A002
高橋みなみとても長い氏名サンプル,企画開発と広報を兼務する部署,A003
これは確認項目を増やすための別データです。カンマを含む値はダブルクォーテーションで囲み、値に含むダブルクォーテーションは2つ重ねています。A002の部署は空欄にしています。CSVの読み戻しでは3列・3件と各値の一致を確認しましたが、Illustratorでこの例が同じように表示されるかは未確認です。基本の3件で読み込めた後、別のテンプレートコピーで試してください。
長い文字列は、件数だけで確認できません。文字が欠けていないか、意図しない改行や重なりがないかを見ます。今回のエリアや文字サイズが最長のデータに合わなければ、テンプレートの幅・高さ・文字サイズを見直してから再確認します。文字数に応じた自動縮小は、このCSVを書くだけで設定される機能ではありません。
日本語CSVが読み込めないとき
Adobeは、Excelから保存した2バイト文字を含む「CSV(UTF-8 カンマ区切り)」が変数パネルで読み込めない場合を説明し、テキストエディターでCSVをUTF-8として保存し直す方法を案内しています。日本語を含むCSVがすべて使えない、あるいはBOMを付ければ必ず直る、という意味には読み替えないでください。
切り分けでは、同じ内容をUTF-8のBOMなし/あり、改行LF/CRLFの別名ファイルへ保存して比較します。今回この3条件はテキストとして同じ3件へ読み戻せましたが、Illustrator側の対応は未確認です。保存形式、BOM、改行と使用版を控え、成功した条件をそのまま次のデータへ使います。
画像・グラフ・表示を加える場合
| 列名の先頭 | 用途 | 確認例 |
|---|---|---|
| なし | テキスト | Display_Nameなど。差し替え先のテキストと結びつける。 |
| @ | 画像用のファイルパス | @Photoなど。各行のパスが存在し、読み込めるか確認する。 |
| % | グラフ用のデータ | グラフデータの参照先と対象グラフを確認する。 |
| # | 表示・非表示 | 対象オブジェクトと各行の表示値を確認する。 |
ここでは画像差し替えや表示切り替えの実機結果は扱いません。まず文字だけの3件を残した別コピーで、画像列を1つ加えると、画像パスと文字のどちらで失敗したかを確認できます。個人の顔写真や顧客名簿を試験用に使う必要はありません。
データセットを別ファイルへ保存する
データセットを切り替えて表示する処理と、PDFやAIへ保存する処理は別です。Adobeのアクションのバッチには、ソースとして「データセット」を選び、現在のファイルの各データセットへアクションを実行する方法があります。
- 保存操作を記録する前に、テンプレートと既存出力を複製し、出力専用の空フォルダーを用意する。
- アクションを1件のコピーで再生し、保存先・名前・形式を確認する。
- バッチのソースをデータセットにして3件だけ実行し、保存先やエラーの扱いを確認する。画面の名称は使用版で照合する。
- 出力3件を開き、Record_IDと氏名・部署の対応、文字の欠落、同名出力の扱いを確認する。
バッチの保存名は、記録した保存操作とバッチの設定を確認して決めます。このページでは特定の名前へ必ず保存されると保証していません。一括処理の使い分けを参照してください。フォルダー内AIのPDF一括変換JSXは既存AIを処理するコードで、CSVの各行を切り替えるコードではありません。
失敗した段階から切り分ける
| 状態 | 先に確認すること |
|---|---|
| CSVを開けない | ファイル形式、文字コード、列名、列数。基本3件だけで比較する。 |
| 読み込めるが変わらない | 変数とオブジェクトのバインド、現在のデータセット。 |
| 氏名と部署が違う | 同じCSV行のRecord_IDと、バインド先の組み合わせ。 |
| 文字が欠ける | 最長データ、テキストエリア、改行、文字サイズ。 |
| 出力が足りない・同名になる | 保存アクション、バッチ設定、出力フォルダー、エラーログ。 |
編集用データを残す
元のCSVとAIを別々に残し、保存後のAIを開き直して変数・データセット・バインドが残っているか確認します。変数ライブラリをXMLへ保存して編集する方法もあります。Web納品用のSVGとデータ差し替え用テンプレートを同じものとして扱わず、SVGの書き出し設定も用途に応じて確認してください。
参照資料と確認範囲
2026年10月3日に、Adobeのデータソースの設定、CSV・XMLの読み込み、変数とオブジェクトの関連付け、アクションのバッチ処理を確認しました。今回の自作CSVは構造確認までで、実機の成功結果や画面の追加は未実施です。
