Illustratorがあれば、AIファイルを開いてファイル/書き出し/書き出し形式で「Adobe PDF」を選ぶだけでPDFにできます。
人に渡すなら「書き出し」(既定のプリセットは最小ファイルサイズ)、あとでIllustratorで開き直して編集するなら「別名で保存」(既定のプリセットはIllustrator 初期設定)が向いています。
Illustratorが無いときは、Acrobat Pro のデスクトップ版で開くか、Adobeの無料のオンライン変換を使います。
この記事では、Illustratorあり・なしそれぞれの手順、プリセットの選び方、オンライン変換の注意、ほかのアプリで中身が見えないときの原因を、Adobeの公式ページ(2026年11月1日に確認)をもとにまとめました。
方法の選び方
| 手元にあるもの | 方法 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| Illustrator | ファイル/書き出し/書き出し形式 | メールやWebで渡す軽いPDF |
| Illustrator | ファイル/別名で保存 | Illustratorで編集できる情報を残したPDF・入稿用のPDF |
| Illustrator(たくさんのファイル) | アクションのバッチかスクリプト | フォルダーのAIをまとめてPDFにする |
| Acrobat Pro | ファイル/開くでAIを選ぶ | Illustratorが無い環境で開いて保存する |
| ブラウザーだけ | AdobeのAIからPDFへの変換(オンライン) | 手元にソフトが無いときに1本だけ変換する |
Illustratorで書き出す(人に渡すPDF)
- ファイル/書き出し/書き出し形式を選ぶ
- 書き出す場所を選び、ファイル名を入れる
- ファイルの種類で「Adobe PDF (*.PDF)」を選び、「書き出し」を選ぶ
- Adobe PDF を書き出しダイアログでプリセットを選ぶ(既定は最小ファイルサイズ)
- 「PDF を書き出し」を選ぶ
「書き出し」の既定のプリセットは共同作業向けで、いちばん小さいPDFになります(Adobe:Adobe PDF ファイルの作成)。
開いているAIファイルはそのまま残ります。
別名で保存する(編集できるPDF・入稿用)
- ファイル/別名で保存を選ぶ
- Creative Cloud に保存のダイアログが出たら「コンピューター」を選ぶ
- ファイルの種類で「Adobe PDF (*.PDF)」を選び、「保存」を選ぶ
- Adobe PDF を保存ダイアログでプリセットを選ぶか、左のカテゴリーで設定を変える
- 「PDF を保存」を選ぶ
「別名で保存」の既定のプリセットは編集できる情報を残すので、PDFは重くなります。
また、「別名で保存」をすると、Illustratorで開いているファイルがAIからPDFに置き換わります。
このあともAIで作業を続けるときは、先にAIを保存しておき、PDFにしたあとはAIを開き直してください。
プリセットの違い
| プリセット | 中身 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| Illustrator 初期設定 | Illustratorのデータをすべて保持し、開き直してもデータが失われない | 自分で編集を続けるPDF(別名で保存の既定) |
| 最小ファイルサイズ | 圧縮して画像の解像度を下げ、色をsRGBに変換する | Webやメールで見るPDF(書き出しの既定)。印刷には使わない |
| 高品質印刷 | 画像を300 ppi(モノクロは1200 ppi)にダウンサンプリングし、色は変えない | 家庭やオフィスのプリンターでの印刷 |
| PDF/X-4(2008) | 透明を分割・統合せずに保ち、ICCカラーマネジメントに対応 | 印刷会社への入稿(Adobeが推奨) |
入稿するときは、印刷会社の指定する設定か .joboptions ファイルを先に確かめます。
PDF/X-1a:2003 と PDF/X-3:2003 のプリセットは、Extras フォルダーから Settings フォルダーに移すと使えるようになります(Windowsは C:\ProgramData\Adobe\Adobe PDF、macOSは /Library/Application Support/Adobe/Adobe PDF)。
アートボードが複数あるとき
別名で保存でAdobe PDFを選んだあと、「すべて」を選ぶとすべてのアートボードが1つのPDFになり、「範囲」を選ぶと指定したアートボードだけが入ります。
PDFにしたら色が変わったときはIllustratorからPDFにすると色が変わる原因、入稿前の透明の扱いは透明部分の分割・統合を確かめてください。
たくさんのAIをまとめてPDFにする
フォルダー内のAIを1本ずつ開いて保存するのが手間なら、フォルダー内のAIをまとめてPDFにするスクリプトが使えます。
Illustratorが無いときの方法
Acrobat Pro で開いて保存する
- Acrobat Pro のデスクトップ版を起動する
- ファイル/開くでAIファイルを選ぶか、ウィンドウにドラッグする
- PDFとして開いたら、そのまま保存する
Adobeは、Illustratorを使えない環境ではAcrobat Proのデスクトップ版でAIファイルを開いて確認・保存する方法を案内しています(Adobe:AIファイルをPDFに変換する方法)。
同じページによると、IllustratorとAcrobat Proにはどちらも7日間の無料体験があります(2026年11月1日確認)。
Adobeのオンライン変換を使う
ブラウザーでAdobeのAIからPDFへの変換を開き、AIファイルをドラッグ&ドロップします。
無料で、登録しなくても試せます(2026年11月1日確認)。
ファイルはAdobeのサーバーで処理され、ログインして保存しない限り削除されると案内されています。
オンライン変換を使う前に確かめること
オンラインの変換は、ファイルをインターネット上のサーバーへ送ります。
仕事のデータや公開前のデザインは、送ってよいかを社内や取引先の決まりで先に確かめてください。
Adobe以外の変換サービスを使うときは、ファイルの保存期間と扱いを各サービスの規約で確かめます。
ほかのアプリでAIの中身が見えないとき
AIファイルを保存するときの「Illustrator オプション」に、「PDF 互換ファイルを作成」という項目があります。
オンにすると、AIファイルの中にPDFとして使えるデータが一緒に保存され、PDFを読めるアプリとの互換性が保たれます(Adobe:アートワークの保存)。
その分、AIファイルの中に2つの形式を持つので、ファイルは大きくなります(Adobe:ファイルサイズの最適化)。
オフで保存されたAIファイルにはこのデータが入らないので、Illustrator以外で開くと中身を表示できないことがあります。
受け取ったAIが開けないときは、作った人にPDFで書き出してもらうか、「PDF 互換ファイルを作成」をオンにして保存し直してもらうのが近道です。
AIを軽くする設定はファイルサイズを小さくする方法にまとめています。
つまずきやすい所と対処
| つまずき | 起きること | 対処 |
|---|---|---|
| 別名で保存でPDFにした | 開いていたファイルがPDFに置き換わる | 人に渡すだけなら「書き出し」を使う |
| Illustrator 初期設定のまま渡した | PDFが重い | 書き出しの「最小ファイルサイズ」にする |
| 印刷用に最小ファイルサイズを使った | 色がsRGBになり、画像の解像度も下がる | 印刷会社の指定か「PDF/X-4」にする |
| 一部のアートボードしか入らない | 「範囲」で指定している | 「すべて」を選ぶ |
| PDF/X-1a:2003 が選べない | プリセットが Extras フォルダーにある | Settings フォルダーへ移す |
| ほかのアプリで中身が見えない | PDF互換のデータが入っていない | PDFで書き出してもらう |
| PDFにしたら色が変わった | 出力のカラー変換などが原因 | 色が変わる原因の記事で確かめる |
よくある質問:AIファイルをPDFに変換する
無料でAIをPDFにできますか?
Adobeのオンライン変換は、無料で登録しなくても試せます(2026年11月1日確認)。
IllustratorとAcrobat Proには7日間の無料体験もあります。
Macのプレビューで開けますか?
Appleのプレビューの書き出しのガイドには、AIファイルの扱いの記載がありません(Apple:プレビューで書き出す)。
確かめたいときは、作った人にPDFで書き出してもらいます。
PDFにしたあとIllustratorで編集できますか?
「Illustrator 初期設定」のプリセットで保存したPDFは、Illustratorで開き直してもデータが失われません。
あとで編集する予定があるなら、人に渡すPDFとは別に、このプリセットでも保存しておきます。
アートボードごとに別のPDFにできますか?
別名で保存の「範囲」で1つずつ指定して保存します。
まとめて分けたいときは、一括変換のスクリプトも選択肢です。
まとめ
AIをPDFにするには、Illustratorで「書き出し」か「別名で保存」を使い、用途に合わせてプリセットを選びます。
人に渡すなら書き出しの最小ファイルサイズ、編集を続けるならIllustrator 初期設定、入稿ならPDF/X-4か印刷会社の指定です。
Illustratorが無いときはAcrobat Proかオンライン変換を使い、仕事のデータを送ってよいかは先に確かめてください。
