画像生成AIで作った画像を仕事で使うときは、使ったサービスの規約、手元で動かすならモデルのライセンス、既存の作品と似ていないか、入力した素材の権利、納品先への説明の5つを確かめます。
多くのサービスは生成した画像の権利を利用者に認めていますが、会社の規模や契約プランで条件が変わるものや、モデルによっては営利目的で使えないものがあります。
この記事は、画像生成AIで作った画像を、広告・Webサイト・資料・受託の制作物などに使いたい方に向けたものです。
各社の規約と文化庁の資料は、2026年10月18日に開いて読んだ版の記載です。
規約は改定されるため、使う前に最新の版を確かめてください。
この記事は法的な助言ではありません。
判断に迷う案件は、弁護士などの専門家に相談してください。
確認する順番
| 確認すること | 見る場所 |
|---|---|
| 生成した画像を自分のものとして使えるか | サービスの利用規約 |
| 契約プランや会社の売上で条件が変わらないか | サービスの利用規約・料金プランの説明 |
| 手元で動かすモデルを営利目的で使えるか | モデルの配布元のライセンス |
| 既存の作品と似ていないか | 画像検索などで確かめる |
| 入力した写真や素材を使ってよいか | 素材の権利者・客先との契約 |
| 納品先にAIを使ったことを伝えるか | 客先との契約・発注の条件 |
サービスの規約で生成物の扱いを確かめる
主なサービスの規約では、生成した画像の扱いは次のようになっています。
| サービス | 生成物の扱い | 注意する条件 |
|---|---|---|
| Midjourney | 法律が認める範囲で、作った画像は利用者のもの | 年間売上100万ドルを超える会社とその従業員は、ProかMegaのプランでなければ所有できない。初期設定では作った画像が公開され、他の人がリミックスできる |
| ChatGPT(OpenAI) | 法律が認める範囲で、アウトプットは利用者のもの | 他の利用者にも似たアウトプットが出ることがあり、他人のアウトプットの権利は譲渡されない |
| Gemini API(Google) | Googleは生成されたコンテンツの所有権を主張しない | Googleが同じか似たコンテンツを他の人にも生成することに同意する。無料枠では入力と回答がサービスの改善に使われる |
Midjourneyの規約(2026年5月27日発効の版)では、年間売上が100万ドルを超える会社やその従業員は、ProまたはMegaのプランに加入していなければ生成物を所有できないと定めています(Midjourney:Terms of Service)。
同じ規約では、初期設定で作った画像が公開され、他の人がリミックスできるとされています。
同じ規約では、ProやMegaのプランでStealthを使った場合、Midjourneyは作った画像を公開しないよう努めるとされているため、公開前の広告などはこの条件も確かめます。
OpenAIの利用規約(2026年1月1日発効)では、適用される法律で認められる範囲で、利用者がアウトプットを所有すると定めています(OpenAI:利用規約)。
同じ規約には、利用者はインプットに必要な権利や許諾を得ていることを保証する、とも書かれています。
Gemini APIの追加利用規約では、Googleは生成されたコンテンツの所有権を主張せず、その使い方については利用者が責任を負うとされています(Gemini API 追加利用規約)。
同じ規約では、Google AI StudioやGemini APIの無料枠を使う場合、送ったコンテンツと生成された回答が、Googleのプロダクトや機械学習技術の改善に使われ、人が確認することもあると説明されています。
Gemini APIは18歳以上の人だけが使えるとも書かれています。
ChatGPTの画像の枚数の上限は、ChatGPTの画像生成は無料で何枚?にまとめています。
手元で動かすモデルはライセンスを確かめる
ComfyUIなどで手元のPCで生成する場合は、サービスの規約の代わりに、使うチェックポイントやLoRAそれぞれのライセンスが条件になります。
同じ系統のモデルでも、配布元によってライセンスが違います。
| モデルの例 | ライセンスの記載 |
|---|---|
| Stability AIのモデル(Stable Diffusion 3.5など) | Community Licenseは年間売上100万ドル未満の研究者・開発者・小規模事業者・クリエイター向けで無料。100万ドルを超える事業者はEnterprise License |
| FLUX.1 [dev] | FLUX.1 [dev] Non-Commercial License。モデルの利用は非営利目的に限られ、営利目的で使うには配布元にライセンスを申し込む |
Stability AIのライセンスの区分は、Stability AI Licenseのページに載っています。
FLUX.1 [dev]のライセンスは、生成物について営利目的の利用を認める条文と、営利目的での利用を制限する条文の両方があるため、使う前に全文を読んでください(FLUX.1 [dev] Non-Commercial License)。
追加で読み込むLoRAにも、配布ページごとに利用条件があります。
使ったチェックポイント・LoRA・VAEの名前と配布ページのURL、その時点のライセンスを控えておくと、後から問い合わせを受けたときに説明できます。
LoRAの読み込み方はComfyUIでLoRAを使う方法で説明しています。
既存の作品と似ていないか確かめる
文化庁の「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(令和6年7月31日)では、著作権侵害になるには、既存の著作物との類似性と依拠性の両方が必要と説明されています(文化庁:AIと著作権について)。
同じ資料では、生成AIは仕組み上、学習データに含まれる既存の著作物と似た画像を出すことがあり、利用者がその作品を知らなくても著作権侵害になることがあるとされています。
そのため、生成した画像を使う前に、まず既存の著作物と似ていないかを確かめることが必要とされ、方法の例として画像検索などのインターネット検索が挙げられています。
同じ資料では、生成すること自体は私的使用などの範囲で適法に行える場合でも、インターネットでの配信や複製物の譲渡といった利用は、権利制限規定の範囲外になる場合が多いとされています。
作品名やキャラクター名をプロンプトに入れない
文化庁の資料では、プロンプトに既存の著作物そのものや、作品の題名、キャラクター名などの固有名詞を入れた場合は、依拠性が認められやすくなると考えられると説明されています。
商用で使う画像は、特定の作品やキャラクターを名指しせず、色・形・雰囲気を言葉で書いて生成します。
同じ資料では、依拠性がないことを説明できるように、生成に使ったプロンプトなど、生成の過程を後から確かめられる状態にしておくことが望まれるとされています。
ComfyUIで保存したPNGにはワークフローが埋め込まれるため、社内の控えとして残しておくと生成の過程を示せます。
入力する写真や素材の権利を確かめる
参照画像や編集の元にする写真も、使ってよい素材かを確かめます。
文化庁の資料では、既存の画像を生成AIに入力すること自体は原則として著作権法第30条の4が適用されると考えられる一方、入力した作品と似た画像を作らせる目的の場合は同条が適用されない場合があり、その場合は権利者の許諾が要るとされています。
客先から預かった写真やロゴを入力する場合は、無料枠のように入力がサービスの改善に使われる契約で使ってよいかも、客先と決めておきます。
人物の写真を使う場合は、写っている人の了解を得ているかも確かめます。
納品するときに説明すること
文化庁の資料では、AIで作った画像を著作物として扱う前提でライセンス契約などの取引をする場合、AIを使ったことやその著作物性について、関係者に適切に説明することが求められるとされています。
同じ資料では、AIで作った画像が著作物に当たるかどうかは、利用者の創作意図と創作的寄与の程度で判断されるとされています。
受託の制作物で画像生成AIを使う場合は、次のことを見積もりや契約の段階で客先と決めておくと、納品後の行き違いを防げます。
- 画像生成AIを使ってよいか、使う範囲(下書きだけか、納品物にも使うか)
- 使ったサービスやモデルの名前と、その規約・ライセンス
- 既存の作品と似ていないかを、どの方法で確かめたか
- 客先から預かった素材を入力してよいか
- 生成に使ったプロンプトなどの控えを、どちらが保管するか
OpenAIやGoogleの規約にあるとおり、似た画像が他の人にも生成されることがあるため、ロゴや商品のキャラクターのように独占して使いたいものは、生成した画像をそのまま使わず、人の手を入れて仕上げる進め方も検討してください。
