ローカルLLMを動かすOllamaやLM Studioでは、画像は作れません。
画像生成には、Stable DiffusionやFLUXのような別のモデルと、ComfyUIのようなツールを使います。
この記事は、自分のPCで画像生成を始めたい人に向けて、代表的なモデルを公式の記載だけで比べたものです。
結論は次の2つです。
- 商用で使う:FLUX.1 [schnell]か、年商100万ドル未満ならStable Diffusion 3.5
- まず動かす:Stable Diffusion 1.5(ComfyUI公式の入門例)
- PCの選び方は別記事に任せ、本記事はモデルの選び方だけを扱う
商用可否・必要VRAM・解像度は、SDとFLUXの公式モデルカードとComfyUI公式ドキュメントを2026年10月25日に確かめました。
当方のPCにはGPUが無く画像生成は未実測なので、使い心地の評価は書いていません。
→ 関連:画像生成AI向けデスクトップPCの選び方
ローカル画像生成のおすすめモデル比較
公式の記載で比べた一覧
代表的な6つのモデルを、ライセンス・商用利用・解像度・公式が示すVRAMの目安で並べます。
| モデル | ライセンス | 商用利用 | 解像度・規模 | 公式のVRAM目安 |
|---|---|---|---|---|
| SD 1.5 | CreativeML OpenRAIL-M | 禁じる条項なし(使用制限あり) | 512×512で学習 | ComfyUI公式の例は6GB |
| SDXL 1.0 | CreativeML Open RAIL++-M | 禁じる条項なし(使用制限あり) | 1024×1024・baseは3.5B | 公式発表は8GB |
| SD 3.5 Medium | Stability Community License | 年商100万ドル未満なら無償 | 2.5B・0.25〜2メガピクセル | 公式発表は9.9GB(エンコーダー除く) |
| SD 3.5 Large | Stability Community License | 年商100万ドル未満なら無償 | 8.1B | 記載なし |
| FLUX.1 [dev] | FLUX.1 [dev] Non-Commercial | 重みは非商用・出力は商用可 | 12B・例は50ステップ | 記載なし(フル版は約23GB) |
| FLUX.1 [schnell] | Apache 2.0 | 可 | 12B・1〜4ステップ | 記載なし(FP8版は低スペック向け) |
VRAMの数値は公式が書いているものだけを載せ、ブログの体感値は使っていません。
「記載なし」のモデルは、量子化版の有無や同時に読み込むテキストエンコーダーで必要量が変わります。
出典:Stable Diffusion 1.5 モデルカード(2026年10月25日確認)/Stability AI:SDXL 1.0 発表(同日確認)/Stability AI:Stable Diffusion 3.5 発表(同日確認)/ComfyUI公式:Flux.1 Text-to-Image(同日確認)
迷ったらこれ(用途別)
用途を先に決めると、選ぶモデルは1つか2つに絞れます。
- 商用の制作物に使う:FLUX.1 [schnell](Apache 2.0)か、年商100万ドル未満ならStable Diffusion 3.5
- まず動かして仕組みを覚える:Stable Diffusion 1.5(ComfyUI公式の入門例もこのモデル)
- 1024×1024を1枚で出す:SDXL 1.0(公式がネイティブ解像度として明記)
- プロンプトへの追従を重く見る:FLUX.1 [dev](公式は「FLUX.1 [pro]に次ぐ」と説明。重みは非商用)
GPUを買い替える前にクラウドGPUで試す手もあり、別記事で比べました。
→ 関連:画像生成AIはクラウドGPUで足りるか
OllamaやLM Studioで画像生成はできない
LLMツールの公式ドキュメントの記載
LM Studioの公式ドキュメントは、Llama・DeepSeek・QwenなどのLLMをローカルで動かすツールだと説明しています。
テキストから画像を作る機能は、公式ドキュメントに出てきません(2026年10月25日確認)。
Ollamaは2026年1月20日の公式ブログで、実験機能として画像生成に対応したと発表しました。
- 対応OS:macOSのみ。WindowsとLinuxは「近日対応」とだけ記載
- Z-Image Turbo:6B、Apache 2.0
- FLUX.2 Klein:4BはApache 2.0、9BはFLUX Non-Commercial License v2.1
- ハードウェアの要件:記載なし
確認日時点では、macOS以外のOllamaで画像は作れません。
「lm studio 画像生成」で探している人は、LLMとは別にComfyUIを用意するのが現実的です。
出典:LM Studio Docs(2026年10月25日確認)/Ollama Blog:Image generation (experimental)(同日確認)
画像生成に使うツールはComfyUI
本記事で前提にするツールはComfyUIで、ノードを線でつなぐ形式です。
モデルごとの公式ワークフロー例がドキュメントにあり、入門はStable Diffusion 1.5から始まります。
ComfyUI公式のシステム要件は次のとおりです。
- OS:Windows・Linux・macOS(Apple Silicon)。Python 3.13 を推奨
- GPU:NVIDIA(CUDA 13.0)・AMD(ROCm)・Intel Arc(torch.xpu)・Apple Silicon M1〜M4(MPS)
- CPUのみ:
--cpuを付けて起動できるが「遅い」と明記 - VRAMの最小・推奨値:記載なし
出典:ComfyUI公式:System Requirements(2026年10月25日確認)
文章を作りたいだけなら、画像生成ではなくローカルLLMの記事を読んでください。
→ 関連:ローカルLLMのおすすめモデル
各モデルの特徴とライセンス(公式モデルカードより)
Stable Diffusion 1.5:軽くて入門向き
512×512の解像度で学習されたモデルで、ComfyUIの公式入門チュートリアルの例に使われています。
入門で使うファイルは v1-5-pruned-emaonly-fp16.safetensors で、ComfyUI/models/checkpoints に置く決まりです。
ComfyUI公式は、このモデルを「約4GB」「6GB VRAMのコンシューマーGPUで滑らかに動く」と説明しています。
ライセンスはCreativeML OpenRAIL-Mで、要点は次の4つです。
- 商用を禁じる条項は無く、SaaSでのホストも認めている
- 法令違反・偽情報・医療助言などを禁じる使用制限(Attachment A)が付く
- 使用制限は配布先にも引き継ぐ義務がある
- 生成した画像について、ライセンサーは権利を主張しない
出典:ComfyUI公式:Text to Image(2026年10月25日確認)/CreativeML OpenRAIL-M License 本文(同日確認)
SDXL 1.0:1024×1024が標準
Stability AIの公式発表の要点は次のとおりです。
- ネイティブ解像度は1024×1024
- baseは3.5Bパラメータ、base+refinerの全体で6.6B
- 「8GB VRAMのコンシューマーGPUで有効に動くはず」と記載
baseとrefinerの2段で仕上げる構成ですが、base単体でも使えます。
ライセンスはCreativeML Open RAIL++-Mで、SD 1.5と同じ型の条件です。
VRAMが足りないときは、fp16で読み込むかCPUオフロードを使うようモデルカードが案内しています。
出典:SDXL 1.0 base モデルカード(2026年10月25日確認)
Stable Diffusion 3.5:年商100万ドル未満なら商用も無償
Stable Diffusion 3.5は3種類あり、公式発表の数値は次の表のとおりです。
| 種類 | パラメータ | 公式の記載 |
|---|---|---|
| Medium | 2.5B | コンシューマー向けハードウェアで箱から出してすぐ動く設計。VRAM 9.9GB(テキストエンコーダー除く)。0.25〜2メガピクセル |
| Large | 8.1B | モデルカードの例は28ステップ。VRAMの記載なし |
| Large Turbo | 記載なし | Largeの蒸留版。4ステップで生成 |
ライセンスはStability AI Community Licenseで、条件は年商で分かれます。
- 年商100万ドル未満の個人・組織:研究・非商用・商用のいずれも無償
- 年商100万ドル超:Enterprise Licenseの契約が要る
- 生成した画像:利用者のもので、法令と利用規約の範囲で商用利用できる
- ファインチューン・LoRAの作成:可。新しいアーキテクチャの派生は制限
年商の線を越えた時点で契約が要るので、事業で使うなら先に確かめてください。
出典:Stable Diffusion 3.5 Medium モデルカード(2026年10月25日確認)/Stability AI Community License(同日確認)
FLUX.1 [dev]と[schnell]:ライセンスが正反対
どちらもBlack Forest Labsの12Bパラメータのモデルで、方式はrectified flow transformerです。
違いはライセンスとステップ数に集中しています。
| 項目 | FLUX.1 [dev] | FLUX.1 [schnell] |
|---|---|---|
| ライセンス | FLUX.1 [dev] Non-Commercial License | Apache 2.0 |
| 重みの商用利用 | 不可(商用は別途申請) | 可 |
| 生成した画像 | 権利を主張しない。商用を含むどんな目的にも使える | 可 |
| ステップ数 | Diffusersの例は50 | 1〜4(例は4) |
| 公式の位置づけ | 「FLUX.1 [pro]に次ぐ」 | 蒸留で速さを優先 |
[dev]の非商用目的とは、個人の研究・実験・テストや、企業の非本番環境での研究開発を指します。
[dev]の出力の例外は、FLUX.1 [dev]と競合するモデルの学習に使うことです。
[dev]には、コンテンツフィルターの実装や、法令が求める範囲でのAI生成の表示も条件に入っています。
出典:FLUX.1 [dev] モデルカード(2026年10月25日確認)/FLUX.1 [dev] Non-Commercial License(同日確認)/FLUX.1 [schnell] モデルカード(同日確認)
必要VRAMとGPUなしの現実
公式に数値があるもの
VRAMの数値が公式資料にあるのは、次の4つだけです。
- Stable Diffusion 1.5:ComfyUI公式が「6GB VRAM」のコンシューマーGPUを例に挙げる
- SDXL 1.0:Stability AIの発表で「8GB VRAM」
- SD 3.5 Medium:発表で「9.9GB(テキストエンコーダーを除く)」
- FLUX.1:ComfyUI公式はt5xxl_fp16を「VRAMが32GB超のとき」に推奨し、それ以外はfp8版を案内
FLUX.1のフル版はモデル本体・テキストエンコーダー2つ・VAEの4ファイルで、元のサイズは約23GBです。
SD 3.5 LargeとFLUX.1本体のVRAM値は、公式モデルカードに書かれていません。
公式に無い数値は本記事でも書かず、確認日時点で記載なしとしました。
出典:ComfyUI公式:Flux.1 Text-to-Image(2026年10月25日確認)
GPUなし・Mac・AMDで動くか
ComfyUIはCPUだけでも起動できますが、公式が「遅い」と明記しています。
当方のPC(Ryzen 5 7530U・メモリ16GB・GPUなし)では、画像生成を試していません。
同じPCでローカルLLMは実測しましたが、画像生成は別物と考えてください。
NVIDIA以外の公式対応は次のとおりです。
- Apple Silicon:M1〜M4がMPSで対応
- AMD:Windowsは ROCm 10.0 で RDNA 2〜4、Linuxは ROCm 7.2
- Intel Arc:torch.xpu で対応
NVIDIA以外での実際の速度や安定性は、当方では確かめていません。
GPUの型番ごとのVRAM容量は、当方のパーツDBで一覧にしています。
→ 関連:GPU一覧(パーツDB)
量子化版(FP8・GGUF)という選択
FLUX.1にはComfyUI公式が案内するFP8チェックポイント版があり、1ファイルで済みます。
公式は「元のfp16より品質はわずかに落ちる」とし、schnellのFP8を「低スペック向け」と説明しています。
GGUF形式の量子化版もコミュニティで配布されていますが、ComfyUIの公式ページには出てきません。
量子化版で必要VRAMがどこまで下がるかは公式の数値が無いため、本記事では書きません。
デメリットと向かない人
公式モデルカードが認める弱点
各モデルカードは、次の弱点を自ら挙げています。
- 読める文字を描けない(SD 1.5・SDXL)
- 「青い球の上の赤い立方体」のような構図の指示が苦手(SD 1.5・SDXL)
- 顔や人物が崩れることがある(SD 1.5・SDXL)
- 英語中心の学習で、他言語のプロンプトは弱い(SD 1.5)
- プロンプトどおりに出ないことがあり、書き方に強く依存する(FLUX.1)
- T5のトークンが256を超えると画像の縁にアーティファクトが出る(SD 3.5 Medium)
文字入りの画像が要るなら、生成後に画像編集ソフトで文字を載せるほうが確実です。
日本語で指示したい人は、英語に訳してからプロンプトに入れる前提で選んでください。
ライセンスで起きる失敗
気をつけたいのは、FLUX.1 [dev]の重みを商用サービスや本番の制作フローに組み込むことです。
出力の商用利用は認められていますが、重みを商用・本番用途で動かすことは禁止事項に入っています。
商用ならFLUX.1 [schnell]を選ぶか、Black Forest Labsに商用ライセンスを申請してください。
- Stable Diffusion 3.5:年商100万ドルが境目。超えた時点でEnterprise Licenseが要る
- OpenRAIL系(SD 1.5・SDXL):商用を禁じないが、使用制限を配布先にも引き継ぐ義務がある
- FLUX.1 [dev]:重みは非商用のみ。出力は商用可だが競合モデルの学習には使えない
ライセンスは改定されることがあるので、使う前に各モデルカードの原文を読むのが安全です。
こんな人には向かない
- GPUの無いPCしか無い人:公式がCPUのみを「遅い」と明記。クラウドGPUかPCの買い替えを検討
- 使い心地のレビューを読みたい人:本記事は公式の記載だけで、当方は未実測
- 日本語の文字を画像に入れたい人:公式が文字の描画を弱点に挙げている
持ち運べるPCで始めたい人は、ノートPCの選び方を先に読んでください。
→ 関連:画像生成AI向けノートPCの選び方
まとめと次にやること
ローカル画像生成はLLMとは別のモデルとツールを使い、本記事ではComfyUIを前提にしました。
商用で使うならFLUX.1 [schnell]か、年商100万ドル未満ならStable Diffusion 3.5です。
まず動かすならStable Diffusion 1.5で、ComfyUI公式の入門例がそのまま使えます。
VRAMの公式値はSD 1.5が6GB、SDXLが8GB、SD 3.5 Mediumが9.9GBで、FLUX.1本体は記載がありません。
次にやることは3つです。
- 使うモデルのモデルカードで、ライセンスの原文を読む
- ComfyUI公式のシステム要件で、自分のGPUが対応に入っているか確かめる
- SD 1.5の入門ワークフローを動かし、エラーが出たら下の記事で切り分ける
→ 関連:ComfyUIのCUDAエラーを直すには/ComfyUIでVRAM不足になるときの対処法/ComfyUIで画像をアップスケールする方法
