DeepSeekが2026年10月17日に、コード向けの評価でClaude Opus 5を上回った項目がある「DeepSeek-V4.1-Flash-1017」を公開しました。
重みはMITライセンスで無料で配られていますが、手元のPCで動かすには、普通のゲーミングPCとは桁の違うメモリが要ります。
この記事では、どのくらいのPCがあれば動くのかを、配布ファイルの大きさと、各配布者が公表している動作環境から整理します。
- 公式の配布ファイルは約510GBで、公式の手順はGPU 8枚に分けて動かす前提
- 量子化版でも本体だけで約170〜300GB、条件付きメモリ(Engram)を含めると約310〜480GB
- 個人で現実的なのは、ユニファイドメモリが大きいMacか、DGX Spark 2台やRTX PRO 6000 2枚のような構成
- OllamaとLM Studioで選べるのはクラウド版で、手元のPCでは動かない
当サイトではこのモデルを手元で動かしていません。
記事中の数値は、DeepSeekと各配布者がモデルカードに書いている公表値です。
確認日は2026年10月18日です。
結論:必要なPCの目安
| 構成 | 動かせるか | 根拠 |
|---|---|---|
| GPU 1枚(VRAM 16〜32GB)のゲーミングPC | 動かない | 量子化しても本体だけで約170GBある |
| メモリ128GBのMac 1台 | 9月版のQ2なら、SSDから読み出しながら動かす方法がある | antirezのGGUF(9月版向け) |
| DGX Spark 2台 | 1017版で動作の報告あり | Elevatormusicの手順(2026-10-17計測) |
| RTX PRO 6000(96GB)2枚+メインメモリ | 9月版で動作の報告あり | diffbotのEXL3版 |
| ユニファイドメモリ512GBクラスのMac | 4ビット版を丸ごと載せる目安 | mlx-community・antirezの説明 |
| データセンター向けGPU 4〜8枚 | 公式・NVIDIAの想定 | 公式の推論手順、NVIDIAのNVFP4版 |
一般的なPCで試すなら、手元で動かすより、クラウド版を使うほうが現実的です。
なぜこれほど大きいのか
DeepSeek-V4.1-Flash-1017は、9月に公開されたDeepSeek-V4.1-Flashの改良版です。
中身はMoE(Mixture-of-Experts)型で、全体のうち一部の専門家だけを使って文章を作ります。
| 項目 | 公表値 |
|---|---|
| 本体のパラメーター数 | 5,520億(552B) |
| 1回の処理で使うパラメーター数 | 入力の読み込み時80億、出力の生成時160億 |
| 条件付きメモリ(Engram) | 1,966億(本体の数には含まない) |
| 配布ファイルの合計 | 約510GB(FP8と8ビット整数の混在) |
| 扱える長さ | 100万トークン |
| 入力 | テキストと画像 |
| ライセンス | MIT |
1回に使うのは160億パラメーターなので、計算の量は小さめです。
ただし、どの専門家を使うかは入力ごとに変わるので、すべての重みをすぐ読める場所に置いておく必要があります。
そのため、必要になるのは計算の速さよりも、メモリの量です。
Engramは、単語の並びごとの情報を引く大きな表です。
一度に読むのは表のごく一部なので、配布者によってはSSDに置いたまま必要な行だけ読む方法を用意しています。
量子化版のファイルの大きさ
量子化は、重みの精度を落として小さくする方法です。
1017版の主な量子化版の大きさは、次のとおりです。
| 配布元・形式 | 本体 | Engram | 合計 |
|---|---|---|---|
| 公式(FP8・8ビット整数) | — | — | 約510GB |
| mlx-community oQ4e(Mac向け、約4ビット) | 約300GB | 約123GB | 約432GB |
| mlx-community oQ3e(Mac向け、約3ビット) | — | — | 約380GB |
| mlx-community oQ2e(Mac向け、約2.7ビット) | 約181GB | 約123GB | 約313GB |
| NVFP4版(NVIDIA GPU向け、4ビット) | — | — | 約429GB |
mlx-communityの説明では、oQ3e以下はEngramを4ビットのまま残し、oMLXというソフトでSSDから読み出す前提です。
この場合、メモリに載せる必要があるのは本体の部分で、2ビット台の版なら約181GBです。
この数字には、会話の長さに応じて増える作業用のメモリは入っていません。
Mac:ユニファイドメモリの大きさで決まる
Macは、CPUとGPUが同じメモリを使うので、大きなモデルを載せやすい機種です。
- antirezの説明では、4ビット版をすべてメモリに載せる目安は512GBのMac
- 2ビット台の版は、EngramをSSD から読むなら、本体の約181GB+作業用のメモリが目安
- 128GBのMac 1台でも、SSDから読み出しながら動かす方法が、9月版のQ2で案内されている
最後の方法は、antirezが作ったDwarfStarという専用ソフトの話で、9月版向けの配布です。
1017版はEngramの表が新しくなっているため、9月版の表は使えないと配布者が注意しています。
1017版で同じことができるかは、DwarfStar側の対応を待つ必要があります。
SSDから読み出す方式は、メモリに全部載せる方式より遅くなります。
NVIDIA:DGX Spark 2台、またはRTX PRO 6000 2枚
Elevatormusicは、DGX Spark 2台をケーブルでつないで1017版を動かす手順を公開しています。
| 項目 | 公表値 |
|---|---|
| 必要な機材 | DGX Spark 2台(ConnectX-7のポートを1本のケーブルで接続) |
| 空きメモリ | 1台あたり約100GB |
| 空きディスク | 1台あたり約500GB(モデルのファイルは385GB) |
| 生成の速さ(文章) | 毎秒56.8トークン |
| 生成の速さ(コード) | 毎秒92.2トークン |
diffbotは、96GBのRTX PRO 6000 Blackwellを2枚使い、よく使わない専門家の一部をメインメモリに置いて動かす構成を公開しています。
こちらは9月版向けの配布です。
NVIDIAが公開しているNVFP4版は、データセンター向けのGB300を4枚使う構成で確認されています。
公式の手順はGPU 8枚が前提
DeepSeekの公式リポジトリにある推論の手順は、重みをGPU 8枚に分けて読み込む形で書かれています。
専門家の部分はFP4、そのほかはFP8で計算する専用の処理を使います。
会話の書式も専用で、一般的なチャット用テンプレートは同梱されていません。
llama.cppの本体には、2026年10月18日時点でV4.1に対応する変更がまだ取り込まれていません。
OllamaとLM Studioはクラウド版
Ollamaのライブラリには「deepseek-v4.1-flash:1017-cloud」がありますが、名前のとおりOllamaのクラウドで動く版です。
LM Studioのモデルページも、LM Studio Cloudで使う案内になっています。
どちらも、アプリから使えても、手元のPCのGPUやメモリで動いているわけではありません。
手元で動かしたい場合は、量子化版と、それに対応したソフトを自分で用意する必要があります。
ストレージとダウンロードの準備
- ダウンロードするファイルだけで、約310〜510GBの空きが要る
- 変換や結合をする場合は、さらに数十〜百GB以上の空きが要る
- EngramをSSD から読む方式では、読み込みの速いNVMe SSDに置く
- Elevatormusicの説明では、高速な回線でもダウンロードに数時間かかる
Elevatormusicの手順では、初回の起動でモデルのファイルとは別に110GBを使うと書かれています。
よくある質問
Q. RTX 5090などのゲーミングPCでは動きますか。
GPU 1枚の構成では、量子化しても本体がVRAMに収まりません。
GPU 1枚の構成で動かした報告は、2026年10月18日時点で確認した範囲では見つかりませんでした。
Q. 128GBのMacで動きますか。
9月版では、DwarfStarを使いSSDから読み出しながら動かす方法が案内されています。
1017版での対応は、2026年10月18日時点で確認できていません。
Q. 無料で使うだけなら、どうすればよいですか。
重みのライセンスは無料ですが、動かすPCや電気代、クラウドの利用料は別にかかります。
まず試すなら、OllamaやLM Studioのクラウド版、DeepSeekの公式チャットで使い勝手を確かめてから、手元の環境を考えるのが無難です。
まとめ
- DeepSeek-V4.1-Flash-1017は、重みが無料でも、手元で動かすには数百GBのメモリが要る
- 必要なのは計算の速さより、メモリとSSDの量
- 個人の現実的な選択肢は、大容量のMacか、DGX Spark 2台・RTX PRO 6000 2枚のような構成
- OllamaとLM Studioで選べるのはクラウド版
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出典:
deepseek-ai/DeepSeek-V4.1-Flash-1017(公式モデルカード)
mlx-community/DeepSeek-V4.1-Flash-1017-oQ2e-mtp
nvidia/DeepSeek-V4.1-Flash-NVFP4
antirez/deepseek-v4.1-flash-gguf(9月版向け)
Elevatormusic:DGX Spark 2台で動かす手順
