Claude Codeのクラウドには、「プロジェクト」という仕組みがあります。
1つの会話に作業を次々と頼むと、Claudeが作業ごとに「スレッド」を立てて、並行して進めてくれます。
クラウドのセッション、プロジェクト、スレッドの関係と、作り方・使い方を、公式ドキュメントで整理しました。
- プロジェクトは、作業をまとめて受け付ける1つの会話
- スレッドは、プロジェクトが立ち上げる作業役のセッションで、基本はクラウドで動く
- スレッドは自分で作るのではなく、プロジェクトの会話で頼むと立つ
- 使用量は、ほかのClaude Codeのセッションと同じプランの枠から減る
プロジェクトの実機での再現は含まず、公式ドキュメントの記載(2026年10月4日に確認)に基づきます。
プロジェクトはベータ版で、仕様が変わることがあるので、最新は公式ページで確かめてください。
プロジェクトとスレッドの関係
公式の説明では、プロジェクトは「関連する作業の流れを、Claudeが取りまとめる1つの会話」です。
プロジェクトは、次の部品でできています。
| 部品 | 役割 |
|---|---|
| プロジェクトの会話 | 取りまとめ役。頼まれた作業を、どのスレッドに回すか決める。自分では作業しない |
| スレッド | 作業役。1つの作業を受け持つ独立したセッションで、終わると会話に報告する |
| Overview(概要) | 全スレッドの状態を一覧にする画面 |
会話のClaudeが見るのは、スレッドからの報告だけで、スレッドの細かい手順までは見ていません。
スレッドはそれぞれ自分の作業領域(コンテキスト)を持つので、作業が混ざりません。
スレッドはどこで動くか
スレッドは、基本的にクラウドセッションです。
自分のパソコンではなく、Anthropicのクラウドで動くので、パソコンを閉じても作業が続きます。
クラウドのスレッドは、それぞれ自分のブランチで作業し、必要ならプルリクエストを作ります。
ローカルのデータベースのように、自分のパソコンにしか無いものが要る作業だけは、パソコンの上で動かすこともできます。
その方法は、あとの「スレッドを自分のパソコンで動かす」で説明します。
プロジェクトが向いている作業
- 1つの目標を、いくつものリポジトリにまたがって進める作業
- 同じサービスの不具合や修正依頼を、届くたびに投げ込む作業
- 1回のセッションに収まらない、大きな作り込みや移行
- 契約書や問い合わせの記録など、コード以外の資料をくり返し調べる作業
逆に、1回で終わる作業なら、ふつうのクラウドセッションで足ります。
すべての作業に自分のパソコンが要るなら、ローカルのセッションのほうが向いています。
決まった時刻にくり返すだけの作業なら、ルーティン(定期実行)を単独で作るほうが簡単です。
使える人と前提
- Pro・Maxプランで使える公開ベータ版。TeamとEnterpriseはまだ使えない
- アカウントに順番に配られていて、サイドバーに「プロジェクト」が無ければ、まだ届いていない
- 使えるのは、claude.ai/code、デスクトップアプリのCodeタブ、スマートフォンのClaudeアプリ
- ターミナルのCLI、VS Code、JetBrainsからは使えない
- コードを扱うなら、リポジトリが github.com にあり、Claude GitHub App を入れておく
GitLab、Bitbucket、GitHub Enterprise Server のリポジトリは、プロジェクトのスレッドでは扱えません。
プロジェクトの作り方
作り方は2通りあり、クラウドのセッションを先に作る必要はありません。
| 方法 | 手順 |
|---|---|
| 新しく作る | サイドバーの「プロジェクト」から New project を開き、名前を入れて Create project を押す |
| 今のクラウドセッションから作る | セッションのメニューで Continue as project を選ぶ。入力欄の上の Set up project でも作れる |
新しく作るときに必須なのは名前だけで、目標とリポジトリはあとから足せます。
今のセッションから作った場合、元のセッションは一覧に残ります。
Set up project から作ると、元のセッションで動いていた処理は、プロジェクトが開いた時点で止まります。
Continue as project から作った場合は、元のセッションが動き続けるので、二重に作業させたくなければ自分で止めます。
最初のプロジェクトでは、作った直後にClaudeが自分から動き、リポジトリの下調べや設定の提案をすることがあります。
この分も、プランの使用量を使います。
スレッドの作り方
スレッドは、自分でボタンを押して作るものではありません。
- プロジェクトの会話の入力欄に、やってほしい作業を書いて送る
- Claudeが、新しいスレッドを立てるか、同じ分野を担当しているスレッドに回す
- 立ったスレッドは、送ったメッセージの下にカードとして表示される
関係のない作業を1通にまとめて送ると、別々のスレッドに分かれます。
Claudeがすぐに始めず、「Suggested threads」としてスレッドを提案することもあります。
提案の矢印を押すと、そのスレッドが始まります。
動かし方は、会話で指示できます。
- 「始める前にスレッドを提案して、許可を待って」
- 「同時に動かすのは2つまで」
- 「小さいモデルでやって」
- 「スレッドを立てずに、ここで答えて」
こうした好みはプロジェクトのメモリに残りますが、強制の設定ではありません。
Overviewでスレッドの状態を見る
会話の横のOverview(概要)には、スレッドが状態ごとに並びます。
| 表示 | 中身 |
|---|---|
| Ready for review | プルリクエストを作り、確認を待っている |
| Waiting on you(対応待ち) | 返事や承認を待っている、または失敗した |
| Working(作業中) | 動いている |
| Landing | プルリクエストが承認され、マージ待ち |
| Idle | 作業が終わり、何も待っていない |
| Resolved(解決済み) | 完了の印が付いた。1週間動きが無いと自動でここに移る |
スレッドのカードを開くと、そのスレッドの作業の記録が読めます。
スレッドの入力欄に書いたメッセージは、そのスレッドに直接届きます。
スレッドの承認待ちは、そのスレッドの中で答える必要があります。
プロジェクトの会話で「進めて」と書いても、承認待ちのスレッドには届きません。
全スレッドに共通の決まりを渡す
| 置き場所 | 中身 |
|---|---|
| プロジェクトの指示 | 新しいスレッド全部と会話に渡す文。16,000字まで |
| プロジェクトのメモリ | 決めたことや注意点。Claudeが書き、スレッドは始めに読む |
| リポジトリとファイル | スレッドが複製するリポジトリと、読めるファイル |
プロジェクトの指示は、歯車アイコンのProject settingsから、Memory > Project instructions で書きます。
指示やリポジトリを変えても、効くのはこれから立つスレッドで、動いているスレッドには反映されません。
リポジトリの CLAUDE.md も、クラウドのスレッドが始めに読みます。
モデルとeffortの初期設定
新しいプロジェクトは、どこもOpusで動きます。
| 設定 | 初期値 | 変える場所 |
|---|---|---|
| スレッド | Opus・effort高 | Project settings > General の Thread model / Thread effort |
| プロジェクトの会話 | Opus・effort低 | Project settings > General の Coordinator model / Coordinator effort |
使用量を抑えたいときは、スレッドのモデルかeffortを下げるのが効きます。
スレッドを自分のパソコンで動かす
自分のパソコンにしか無いものが要る作業は、その作業のスレッドだけをパソコンの上で動かせます。
これは、Remote Control という仕組みでつながったClaude Codeのセッションになります。
- デスクトップアプリの設定で Use this computer from your phone and claude.ai をオンにし、フォルダを登録する(ターミナルなら claude remote-control を起動しておく)
- プロジェクトの会話で、入力欄の「+」から Work locally を選んで作業を書く
- 出てきたカードでフォルダを選び、Allow once を押す
どちらの方法も、そのパソコンに Claude Code v2.1.280 以降が必要です。
パソコンが眠っているあいだは、そのスレッドは止まります。
ただし、自分でパソコン上に始めたセッションを、あとからプロジェクトに入れることはできません。
使用量の考え方
プロジェクトの使用量は、ほかのClaude Codeのセッションと同じプランの上限から減ります。
クラウドのための別料金はなく、上限を超えて勝手に課金されることもありません。
上限を超えて使えるのは、追加の使用量(usage credits)をオンにしているときだけです。
ただし、1つのセッションより枠の減りは速く、次の3つが使用量を使います。
- 動いているスレッド。いくつも同時に動く
- プロジェクトの会話。スレッドの報告を読んで次を決める分
- プルリクエストを見張っているスレッド。CIの失敗やレビューのコメントで目を覚ます
上限に達したスレッドは待ち、上限が戻ると、指示しなくても自動で再開します。
動いているスレッドも、新しいメッセージも無いプロジェクトは、置いておくだけでは使用量を使いません。
新しいスレッドは、全プロジェクトの合計で1日200本までです。
使った量は、Project settings の Usage で、スレッドごと・モデルごとに見られます。
最初のプロジェクトでは、初期の使用量の一部を上限に数えない、という案内が画面に出ることがあります。
この特典の条件は公式ドキュメントに書かれていないので、画面の表示とAnthropicの規約で確かめてください。
知っておきたい制限
- プロジェクトは1人のもので、ほかの人と共有できない
- スレッドを別のプロジェクトに移したり、単独のセッションに戻したりはできない
- クラウドのスレッドは、やり取りのあいだ一時停止し、戻せないときは複製し直すので、未コミットの変更が消えることがある
- 長い作業では、途中でコミットとプッシュを頼んでおくと安全
止める・しまう・消す
Project settings > General のいちばん下に、3つの操作があります。
| 操作 | 動き |
|---|---|
| Pause(一時停止) | 動いているスレッドと会話をすべて止める。Resumeで再開できる |
| Archive(アーカイブ) | サイドバーから隠し、スレッドもアーカイブして止める |
| Delete(削除) | スレッド、メモリ、ファイルごと消す。元に戻せない |
削除しても、GitHubに送ったブランチとプルリクエストは残ります。
